11月の新刊:『最後の日々』

2011年 11月 15日

rqefbc8fe69c80e5be8ce381aee697a5e38085_coverレーモン・クノー・コレクション2

最後の日々

宮川明子訳
4/6判上製288頁/定価2500円+税
ISBN978-4-89176-862-1  C0397 11月30日頃発売!


歴史に埋もれた、小さな物語たち

冴えない哲学科の大学生たちとカフェに集う老人たち。
時に交錯し、時にすれ違う彼らの運命を、
星占いで予言しながら見守るカフェのボーイ。
彼らの最後の日々を描きながら、
第二次大戦前の不穏なパリの雰囲気を伝える、クノーの自伝的小説。
【本邦初訳!】

*レーモン・クノー・コレクション次回配本は、
2012年1月末頃、『ルイユから遠くはなれて』を配本予定です。

*『地下鉄のザジ』『サリー・マーラ全集』『聖グラングラン祭』も絶賛発売中!


*日本ウリポ史に残る特典付き! 全巻ご購読の予約の締め切り迫る!
以上、くわしくはこちら→

*すぐれた着眼と批評性のある企画を続々刊行している月曜社さんの人気ブログ、
「ウラゲツ☆ブログ」()でも、ご紹介いただきました。
Kさん、いつもありがとうございます!
クノーが新刊で読めるのは、いまや小社と月曜社さんだけかも!?

 

11月の新刊『歴史とエクリチュール』

2011年 11月 15日

e6adb4e58fb2e381a8e382a8e382afe383aae38381e383a5e383bce383abクリスチアン・ジュオー著
嶋中博章・杉浦順子・中畑寛之・野呂康訳

歴史とエクリチュール

A5判上製304頁/定価4000円+税
ISBN 978-4-89176-858-4 11月15日発売

フランス気鋭の歴史家、クリスチアン・ジュオーを本邦初紹介!

――文学作品は〈歴史〉となりうるか?
歴史資料/文学作品の背後にある〈行為〉を読み解き、
新たな歴史解釈の方法論を提示する。
日本で行われた講演、また彼の重要な論考を訳出し、
未発表論文のシムノン論を加えた日本オリジナル版に、
訳者による詳細な解説を付す。

『絶対王政期の文学的事象と政治社会的制度との関係について
注目すべき業績を挙げたクリスチアン・ジュオーの仕事が、
日本語で本格的に紹介される。十七世紀から二十世紀(ベンヤミン、シムノン)に
いたるまでの多彩な論考の秀れた翻訳と解説が、フランスにおける歴史研究の
最新の方法論的意識に接する機会をあたえてくれる。』――廣田昌義


—-
目次



講演
・マザリナード 著述家、出資者、公衆
・マザリナードと雑報――1652年、パリに流通した反ユダヤ文書群
・「太陽王」時代における政治権力の無力さと全能の力
・17世紀におけるエクリチュールと行為
――論争と論戦に関する研究のための方法論的展望

論考
・歴史と文学史の出会い――アラン・ヴィアラ著『作家の誕生』(注釈と批評)
・「実践の形式」における「国家理性」から、
ルーダンでの行為としての「国家理性」へ――歴史における時間の区分
・ベンヤミン、「偉大なる世紀」そして歴史家
――ひとつの仕事をふり返ること
・過去を見る/見ない――メグレと口の固い証人たち
・より高度な方法的意識の覚醒に向けて
――クリスチアン・ジュオーの認識と方法(野呂康)

 

11月の新刊:『スピノザとわたしたち』

2011年 11月 7日

spinoza_coverアントニオ・ネグリ/信友建志訳

スピノザとわたしたち

四六判上製218頁/2500円+税
ISBN978-4-89176-855-3  C0010 11月10日頃発売



この現代を《スピノザ的》に組成せよ!


スピノザという異形の運命に立ち戻り、
その批判的/転覆的意味、
および彼によって先取りされた《共》の哲学を、
現代思想に布置するための、ネグリ自身による、
最もラディカルなガイダンス。


訳者によるアクチュアルな解説を付す。

〈目次〉
序 章 スピノザとわたしたち
第1章 スピノザ——内在性と民主制の異端
第2章 力能と存在論——ハイデッガーかスピノザか
第3章 スピノザ政治思想の展開におけるマルチチュードと個別性
第4章 スピノザ——情動の社会学

解説「成功への希望は反乱の傾向を生じさせる」(信友建志)

 

10月の新刊:『サド全集第6巻 恋の罪、壮烈悲惨物語』

2011年 10月 25日

無削除/完訳でお届けする唯一無二のサド全集、
しばしの沈黙を破って、ついに配本……!


e382b5e38389e291a5私市保彦・橋本到訳

恋の罪、壮烈悲惨物語/サド全集第6巻

A5判上製・美麗箱入649頁/定価8000円+税
ISBN 978-4-89176-879-9 C0397 好評発売中!
*店頭で見当たらない場合はご注文ください。


恋の駆け引き、欲情、邪恋、嫉妬
近親相姦、多重相姦、姦通、凌辱
さらには政略結婚、野心と裏切り、策略……


美徳と悪徳の限りない対立が生み出す、
11の短編による凄絶なピカレスク絵巻、ありとあらゆる欲望の変奏曲。


完訳版サド全集(全11巻)既刊3冊、好評発売中

8 『アリーヌとヴァルクールあるいは哲学的物語』(上)原好男訳、定価4500円+税
9 『アリーヌとヴァルクールあるいは哲学的物語』(下)原好男訳、定価5500円+税
10
ガンジュ侯爵夫人』橋本到訳、定価3500円+税

 

10月の新刊『アメリカに響くパレスチナの声』

2011年 10月 25日

e382a2e383a1e383aae382abe38391e383ace382b9e38381e3838a_cover小泉純一著

アメリカに響くパレスチナの声

A5判上製257頁/定価3800円+税
ISBN 978-4-89176-851-5 C0098 10月25日頃発売



《全ての美しい詩は抵抗の行為である》——本文より

故郷を失った痛みに対して文学は何ができるのか。
——アメリカに生きるパレスチナ系の詩人ネオミ・シーハブ・ナイ、ダルウィーシュ、
そして文学者のサイードらがみた〈9・11〉、混迷の中東/アメリカ、
そこに生きる民衆・子どもたちの日々、死、そして希望。


目次

第1章 詩人ネオミ・シーハブ・ナイの素敵なところ
第2章 引き継がれるパレスチナの声と精神/ダルウィーシュ、サイード、ナイが作る星座
第3章 パレスチナとアメリカの中間地帯を歩く
第4章 〈9・11〉がナイに与えた声
第5章 ナイの政治的な詩
第6章 反対意見が存在する社会をつくるスヘール・ハマッド
付録  アラブ系アメリカ詩人、ネオミ・シーハブ・ナイから、自称テロリストたちへの手紙

 

10月の新刊:『聖グラングラン祭』

2011年 10月 19日

rqefbc8fe88196e382b0e383a9e383b3e382b0e383a9e383b3e7a5ad_coverレーモン・クノー・コレクション8

聖グラングラン祭

渡邊一民訳
4/6判上製312頁/定価2800円+税
ISBN978-4-89176-868-3  C0397  10月28日頃配本!


雲追い石に守られた都の謎

決して雨のふらない〈ふるさとの都〉では、圧倒的な権力を誇る市長ナボニードのもと、
恒例の奇祭<聖グラングラン祭>が行われる。
一方、三人の息子たちによって、父のある陰謀が明かされようとしていた……。
ジョルジュ・バタイユが「神話的な並外れた小説」と驚嘆した、
ジョイスの手法を応用したクノー中期の代表作。
作家が16年の年月をかけて完成させた神話的作品の改訳決定版!

*第1回配本の2冊、
『地下鉄のザジ』『サリー・マーラ全集』も絶賛発売中!


*日本ウリポ史に残る特典付き! 全巻ご購読の予約もお早めに
以上、くわしくはこちら→

 

10月の新刊:『日本原発小説集』

2011年 10月 12日

e58e9fe799bae5b08fe8aaace99b86_cover井上光晴/清水義範/豊田有恒/野坂昭如/平石貴樹 著
柿谷浩一 編

日本原発小説集

四六判並製256ページ/定価1800円+税
ISBN978-4-89176-852-2  C0093  10月24日頃発売!


戦後文学はどのように《原発》を描いたか?

いま、もっともアクチュアルなアンソロジー、ついに刊行!



豊かな未来を実現する夢の技術か?


あるいは

人類の滅亡を促進する絶望装置か?

推進/反対の立場を超えて集成された、
日本初の原発文学アンソロジー。珠玉の5篇を収録。

【収録作品】
井上光晴「西海原子力発電所」
清水義範「放射能がいっぱい」
豊田有恒「隣りの風車」
野坂昭如「乱離骨灰鬼胎草」
平石貴樹「虹のカマクーラ」

解説「原発小説論序説」川村湊

 

10月の新刊:『フランス・プロレタリア文学史』

2011年 10月 11日

e38395e383a9e383b3e382b9e38397e383ade383ace382bfe383aae382a2_coverミシェル・ラゴン/髙橋治男訳

フランス・プロレタリア文学史  民衆文学の表現

A5判上製565ページ+別丁図版24ページ/定価8000円+税
ISBN978-4-89176-842-3  C0098  10月14日頃発売
*店頭で見当たらない場合はご注文ください。

魂の重みをもったこれらの無二の証言が、
フランス文学史の欠落を埋める――。


《プロレタリア文学》とは、イデオローグや
インテリ作家たちのものではなかった――。
農民、炭坑夫をはじめとする、無名にして優れた
労働者=民衆による表現を、豊富な一次資料と
引用によって掘り起こし、フランス文学の伝統に
まざまざと刻印する大著。貴重な図版多数収録。


著者:ミシェル・ラゴン(Michel Ragon)
1924年生まれのフランスの作家、美術批評家。
『抽象芸術の冒険』(吉川逸治・高階秀爾訳、1957年)、
『ロマン・ド・ラブレー』(榊原晃三訳、1994年)など邦訳も数多い。

 

10月、12月の書店イベント

2011年 10月 4日

すでにご存知のかたもいらっしゃるかもしれませんが、
10月と12月に、それぞれ書店イベントを予定しております。

まず、10月20日に、7月に刊行された中村邦生さんの小説、
『転落譚』刊行記念の朗読イベントを行ないます。

つづく12月8日には、近刊予定の波戸岡景太さんの
『コンテンツ批評に未来はあるか』をめぐる、
トークセッションを予定しています。

いずれも会場はジュンク堂書店池袋店です。ふるってご参加ください。

会場……ジュンク堂書店池袋本店 4階喫茶にて。入場料1,000円(ドリンク付)
定員……40名
受付……1階サービスカウンターにて。電話予約承ります。
TEL. 03-5956-6111/ FAX.03-5956-6100

http://www.junkudo.co.jp/tenpo/evtalk.html#20111020ikebukuro

『転落譚』刊行記念イベント

もし登場人物が本から外へ落ちたら?――トークと朗読による『転落譚』

中村 邦生(作家・大東文化大学教授)× 小森 創介(劇団「円」俳優・声優)

2011年10月20日(木)19:30~

―― 〈私〉はある小説から外に滑り落ちた登場人物。
〈私〉は誰なのか、戻るべき本はどこにあるのか、
それとも永遠にさまよう運命にあるのか?
中村邦生が自作を自註しつつ、小森創介の朗読によって
新たな「声のテキスト」へ変換していく試み。
『転落譚』を1時間で簡約体験する声のパフォーマンス。

中村邦生(なかむら・くにお)作家、英米文学者、大東文化大学教授

小森創介(こもり・そうすけ)声優、俳優



波戸岡 景太『コンテンツ批評に未来はあるか』(水声社)刊行記念


コンテンツ批評とはなにか?

波戸岡 景太(アメリカ文学者)× 大澤 真幸(社会学者)

2011年12月8日(木)19:30~

「コンテンツ」は、デジタル化が進行する現在のメディア状況のなかで、
おそらくもっとも流布しているキータームです。
これは、映像であれ楽曲であれテキストであれ、その作り手と受け手との
あいだをとりもつメディアが発達し、多様化した結果、
逆説的に売り買いされることになった作品の、「中身」「実質」「意味」を
あらわす言葉ですが、では、その「コンテンツ」を「批評する」とは、
具体的にどういうことでしょうか?
今回は、アメリカ文学者の波戸岡景太さんの新著、
『コンテンツ批評に未来はあるか』(水声社)刊行※を記念して、
いま論壇にもっとも精力的に発言している社会学者・大澤真幸さんをゲストに、
アニメ化も話題のゲーム『シュタインズ・ゲート』から、
アメリカ現代文学の最高峰トマス・ピンチョンの世界に至る、
幅広いコンテンツの〈群れ〉を対象に、
新世紀の「批評」を対話的に実践する試みとなります。

※波戸岡景太著『コンテンツ批評に未来はあるか』は12月に刊行予定です。

波戸岡景太(はとおか・けいた)
1977年、神奈川県に生まれる。明治大学准教授。専攻、アメリカ文学。
著書に、『ピンチョンの動物園』(水声社)、『オープンスペース・
アメリカーー荒野から始まる環境表象文化論』(左右社)がある。

大澤真幸(おおさわ・まさち)
1958年、長野県に生まれる。社会学者。月刊誌『THINKING「O」』主宰。
著書に『身体の比較社会学』(I・II、勁草書房)、『増補 虚構の時代の果て』
(ちくま学芸文庫)、『文明の内なる衝突』(NHKブックス)などがある。

—-
なお、《レーモン・クノー・コレクション》刊行記念イベントも現在計画中です。
詳細が決まり次第、追ってアナウンスいたします。お楽しみに!

 

10月の新刊:『マラルメの〈書物〉』

2011年 10月 3日

e3839ee383a9e383abe383a1efbc9de382abe38390e383bc清水徹著

マラルメの〈書物〉

四六版上製174頁/定価=2000円+税
ISBN 978-4-89176-849-2 C0098  10月5日頃発売



自然主義的、リアリズム的文学観を根本的に刷新し、
現代文学への途を切り開いた詩人が、
その文学的出発から死の床に至るまで構想しつづけた未聞の〈書物〉とは何か?
残された膨大なメモ、断章、ノートを子細に検討し、〈演劇〉でもあり、
〈パフォーマンス〉でもあるものとしての〈書物〉の夢へ肉薄する。

 

9月の新刊:『現代女性作家論』

2011年 9月 28日

e78fbee4bba3e5a5b3e680a7e4bd9ce5aeb6e8ab96efbc9de382abe38390e383bce585a5e7a8bf松本和也

現代女性作家論

四六判上製268頁/定価=2800円+税
ISBN978-4-89176-847-8 C0095 9月29日発売


時代を席巻する6人の女性作家たち、その《文学》とは?

現在活躍中の女性作家6人(小川洋子、川上弘美、鹿島田真希、西川美和、
多和田葉子、川上未映子)の作品を通して、それぞれの作家がもつ
文体・言語表現の個別性/独創性を考察しつつ
「家族」、「記憶・回想」、「身体」、そして「書くこと」をモチーフに
文学をめぐる〈いま〉に光をあてる待望の書き下ろし批評集。

【目次】

第1章 記憶/忘却のための場所——小川洋子「完璧な病室」

第2章 愛の寓話/物語の(再)起動——川上弘美「物語が、始まる」

第3章 渇きと水——鹿島田真希『六〇〇〇度の愛』

第4章 記憶のボタン——西川美和『ゆれる』

第5章 名前の喪失/「わたし」の生成——多和田葉子「海に落とした名前」

第6章 小説の“声”/言葉と身体——川上未映子『乳と卵』

 

《レーモン・クノー・コレクション》刊行開始!

2011年 9月 13日

水声社30周年記念出版、最終弾!

新シリーズ《レーモン・クノー・コレクション》、まもなく刊行開始!


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*上のサムネイルをクリック ↑

秘教的な芸術研究集団コレージュ・ド・パタフィジック会員で、
潜在文学工房(ウリポ)の代表メンバーであるレーモン・クノー(1903-76)。
彼のほぼすべての小説作品を、全13巻に集成します。
百科辞典的な幅広い知識と技巧をこらした多様な作品群を、
すべて新訳および改訳で、本邦初訳の作品も収録。
これまで明らかにされなかったクノーの全貌が明らかになる、
日本ウリポ史上最大のシリーズの刊行が始まります!

記念すべき第1回配本は、
『地下鉄のザジ』『サリー・マーラ全集』を2冊同時に刊行します!

世界中で愛される『地下鉄のザジ』は、田舎から出てきて、
パリのガブリエル伯父さんに預けられた、少女ザジの物語。
彼女の願いはただひとつ、地下鉄に乗ること。
ところが、あいにくのスト中。変態やうるさいオールドミスなどに
つきまとわれながら、活気あふれるパリを駆け回る、
3日間の冒険を描いた『ザジ』が、新訳でいま、生まれ変わります!

本邦初訳の『サリー・マーラ全集』は、アイルランド生まれの少女
サリー・マーラ(クノー?)が書いた、世にも奇妙な全集です。
彼女の初恋と処女的想像力によってなされた性の探究「サリー・マーラの日記」と、
「フィネガンズ・ウェイク!」を合言葉に郵便局に立てこもる
アイルランドの闘士達を描いた小説「皆いつも女に甘すぎる」、
謎のヘンテコ性愛散文集「もっと内密なサリー」の
抱腹絶倒間違いなしの3篇を収録!

—-

レーモン・クノー・コレクション10

rqefbc8fe59cb0e4b88be98984e381aee382b6e382b8_cover-22『地下鉄のザジ』

久保昭博訳
4/6判上製240頁/定価2200円+税
ISBN978-4-89176-870-6 C0397 10月1日頃配本!





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『サリー・マーラ全集』

中島万紀子訳
4/6判上製464頁/定価3500円+税
ISBN978-4-89176-871-3 C0397 10月1日頃配本!



*全巻ご購読者特典*
もれなく非売品のレーモン・クノー『100兆の詩篇』をプレゼント。
1行ずつバラバラに組み合わせることができる10篇のソネ(14行詩)で、
つまり10の14乗=100兆通りの組み合わせが可能な
、一冊あれば一生涯楽しめること請け合いの、クノーファン必携・垂涎の作品です。
詳しくは内容見本をご覧のうえ、付属の応募ハガキにてご予約下さい。


*下のサムネイルをクリック ↓
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*内容見本は全国の書店で配布中です。
直接お申し込みいただくには、小社営業部へお願いいたします。
郵便切手80円分を同封のうえ、
〒112-0002 文京区小石川2-10-1-202
水声社営業部・内容見本係 まで。

 

9月〜10月の新刊 

2011年 9月 13日

いつも小社出版物をご注目くださり、ありがとうございます。


まず、5月に全8巻が完結した『小島信夫批評集成』の全巻ご予約特典ですが、
お届けが当初の予定より遅れていて、誠に申しわけございません。
ただいま鋭意編集作業中ですが、あらたな資料等も盛り込む予定です。
すでにお申込みいただいたみなさまにはかならずお届けいたしますので、
いましばらくご猶予をお願いいたします。


さて、一部ですでに話題になっている『レーモン・クノー・コレクション』全13巻。
注目の第1回配本は、『地下鉄のザジ』『サリー・マーラ全集』の2冊です。
詳細なインフォメーションは、本日(9/13)、追ってこのブログにアップします。


アメリカ文学の最高峰、T・ピンチョンの全長篇作品を
「動物」の視点で論じた異色の作品論、
波戸岡景太さんの『ピンチョンの動物園』(7月刊)が、
9月11日付け読売新聞/本よみうり堂で紹介されました。
「ピンチョン作品を今、読む意味を見事に射抜いている」
と評してくださったのは、アメリカ文学者の都甲幸治さんです。
都甲さん、ありがとうございました。→


最後に、9月〜10月にかけての近刊をお知らせいたします。

光田由里『高松次郎 言葉ともの』
『東松照明と沖縄 太陽へのラブレター』(発売のみ)
松本和也『現代女性作家論』
清水徹『マラルメの〈書物〉』
完訳版サド全集 第6巻『恋の罪、壮烈悲惨物語』
野坂昭如、豊田有恒、井上光晴他『日本原発小説集』
M・ラゴン『フランス・プロレタリア文学史 民衆表現の文学』
A・ネグリ『スピノザとわたしたち』
別冊水声通信2『ジュリアン・グラック』
小泉純一『アメリカに響くパレスチナの声』


すでに印刷に入っているものから、編集作業が佳境のものまで、
水声社ならではのラインナップです。
いずれも詳細な情報は順次お知らせして参ります。
ぐぐぐっとお待ちいただければ幸いです。

 

8月の新刊『水声通信』34号

2011年 8月 24日

suisei34『水声通信』第34号

A5判並製285頁/定価=2500円+税/装幀=宗利淳一
ISBN978-4-89176-754-8 C0090  好評発売中!

特集=『社会批評』のジョルジュ・バタイユ



「50年後、ボリス・スヴァーリンは回想する……」
「シュルレアリストの新刊を読む」
など、1930年代のラディカルなバタイユをめぐる特集のほか、
西谷修、野崎歓、鈴木雅雄、齊藤哲也、塩塚秀一郎、豊崎由美各氏の
対論、そして水声通信総目次など、注目のコンテンツも多数収録。
目次はこちら(クリックで拡大します)

suisei34_contents






【『水声通信』休刊のお知らせ】
小誌は、当初は月刊で、ついで隔月刊、さらには不定期的に
刊行してまいりましたが、本号でしばらく休刊させていただ
くことになりました。ながいあいだご愛読いただき、ありが
とうございました。なお、本年6月に創刊した『別冊水声通
信』はひきつづき鋭意刊行してまいります。今後とも、ご愛
読いただきますよう、よろしくお願い致します。 (H.S.)

 

8月の新刊『日常の相貌』

2011年 8月 24日

nichijonosobo_cover1中川僚子

日常の相貌——イギリス小説を読む

A5判上製257ページ/定価3800円+税
ISBN978-4-89176-848-5 C0098  好評発売中!



ジェイン・オースティンから
カズオ・イシグロへ——


異郷/異形、自然/交感、そして日常/非日常をキーワードに、
イギリス小説の日常の陰翳をしなやかな感性で読み解く。

 

『ジャック・ルーボーの極私的東京案内』書評

2011年 8月 23日

『ジャック・ルーボーの極私的東京案内』をこの度毎日新聞の
書評欄でお取り上げいただきました。ありがとうございます!

若島正氏(2011年8月21日付毎日新聞)
『ジャック・ルーボーの極私的東京案内』というおそらく類のない日本旅行記に
関しては、〔歪んだオリエンタリズムを見出すという〕心配は一切無用である。
旅行記といっても、『不思議の国のアリス』や『オズの魔法使い』のような架空の国への
幻想旅行記にずっと近いのだから。〔……〕それにしても、ルーボーの作品は
どうしてこんなに軽いのか。形式の制約という側面から文学にアプローチして、
逆説的に精神の途方もない自由を得てしまう。
そこには、晩年の芭蕉が到達した「かるみ」の境地に通じるものがある。

全文はこちらで読めます→

—-

tokyoannai_coverジャック・ルーボーの極私的東京案内

田中淳一訳
A5判並製カラー80頁+32頁/定価2800円+税
ISBN978-4-89176-838-6 C0097 7月29日頃発売!



新ジャンル、メトロ詩とは?
富士山は日本に存在しない?
レーモン・クノー的「街路の読み方」とは?
英語のthの発音は、フォアグラによって生まれた?
作家/ウリピアン/数学者ルーボーが、
山手線で試作/詩作/思索する! ディープな東京案内!


異端/ウリポの中の異端児としての正嫡子──。
数学者としての経歴と詩人の魂の融合は、
どうしたことか壮絶な恍けっぷりへと結実し、
素数やクノー数に彩られた虹色の東京を巡る。
ルーボーは歌う。唄う。謳う。謡う。詠う。
詩作は詩と一体となり、秘密を隠した子供の笑い声と化す。
そう、ここにいるのは──おそるべき永遠のいたずらっ子。
——円城塔

 

7月の新刊:『ミュージッキング』

2011年 7月 25日

musicing_coverクリストファー・スモール 著
野澤豊一+西島千尋 訳

ミュージッキング——音楽は〈行為〉である

四六判上製440ページ/定価4000円+税
ISBN978-4-89176-826-3 C0073  7月28日頃配本


音楽は、《作品》ではない、《実践》なのだ!
音楽を愛するすべてのひとの必読書。

音楽を「音楽学」から解放し、既成概念を転倒させて、
わたしたちを《音の現場》へといざなう画期的な評論、
待望の日本語版、ついに全訳刊行!


musicking/[mjúːzikiŋ]/名/to music(音楽する)の動名詞形。
各自の立場を問わずに音楽的なパフォーマンスに加わること。演奏
者やリスナー、ダンサーから、ローディー、チケットの売り子や清
掃係などの裏方まで、その場に集うすべての者が《音楽》に参加し、
《音楽》を共有し、《音楽》に貢献している、という考え。クリス
トファー・スモールによって提唱され、本書のタイトルとなり、世
界各国で多くの読者を得ている。


【目次】

プレリュード 音楽と音楽すること
第1章 聴くための場所
第2章 コンサートとは現代的な出来事である
第3章 見知らぬ者同士が出来事を共有する
インターリュード1 身ぶりの言語
第4章 切り離された世界
第5章 うやうやしいお辞儀
第6章 死んだ作曲家たちを呼び起こす
インターリュード2 すべての芸術の母
第7章 総ス コア譜とパート譜
第8章 ハーモニー、天国のようなハーモニー
インターリュード3 社会的に構築された意味
第9章 劇場のわざ
第10章 関係を表現する音楽のドラマ
第11章 秩序のヴィジョン
第12章 コンサート・ホールではいったい何が起こっているのか?
第13章 孤独なフルート吹き
ポストリュード これは良いパフォーマンスだったのだろうか?
そしてそのことをあなたはどうやってわかるのだろうか?

参考文献
索引

訳者あとがき

 

7月の新刊:『家出の道筋』

2011年 7月 19日

iede_coverジョルジュ・ペレック 酒詰治男訳

家出の道筋

四六判上製232頁/定価2500円+税
ISBN978-4-89176-837-9 C0097 7月29日頃発売!


なぜ書くのか、
そしてどのように書いたのか?


超大作『人生 使用法』や『煙滅』を書いた、前代未聞の怪物作家ペレック。
自伝的短篇や文学論、対談など、ペレックの全貌にせまる
重要なテクスト19編を集めたアンソロジー!

◎ 本書にはペレックの『日常下 l’infra-ordinaire』の一部のテクストが収録されています。
この作品にオマージュを捧げたともいえる、
『ジャック・ルーボーの極私的東京案内 Tokyo infra-ordinaire』も
同時に刊行しておりますので、ぜひこちらもお手にとってごらん下さい。


【目次】

パラシュート降下
ヌーヴォー・ロマンと現実拒否
ロベール・アンテルムあるいは文学の真理
家出の道筋
モーリス・ナドーへの手紙
秋のニョッキあるいはぼくについてのいくつかの質問への答え
なににアプローチするのか
千九百七十四年中にぼくが暴飲・暴食した液状・固形飲食物の目録作成の試み
ヴィラン通り
夢とテクスト
記憶の仕事(フランク・ブナイユとの対話)
好き、好きじゃない——連の続きに……
『人生 使用法』のための四つの図形
冬の旅
いとも聖なる場所
それでも死ぬまでになしておくべきであろういくつかのことども
スティル・ライフ/スタイル・リーフ
ロンドン散策
「奉献」——ボース平原からシャルトルのノートル=ダム寺院まで

訳者あとがき

 

7月の新刊:『ジャック・ルーボーの極私的東京案内』

2011年 7月 19日

tokyoannai_coverジャック・ルーボーの極私的東京案内

田中淳一訳
A5判並製カラー80頁+32頁/定価2800円+税
ISBN978-4-89176-838-6 C0097 7月29日頃発売!



新ジャンル、メトロ詩とは?
富士山は日本に存在しない?
レーモン・クノー的「街路の読み方」とは?
英語のthの発音は、フォアグラによって生まれた?
作家/ウリピアン/数学者ルーボーが、
山手線で試作/詩作/思索する! ディープな東京案内!


異端/ウリポの中の異端児としての正嫡子──。
数学者としての経歴と詩人の魂の融合は、
どうしたことか壮絶な恍けっぷりへと結実し、
素数やクノー数に彩られた虹色の東京を巡る。
ルーボーは歌う。唄う。謳う。謡う。詠う。
詩作は詩と一体となり、秘密を隠した子供の笑い声と化す。
そう、ここにいるのは──おそるべき永遠のいたずらっ子。
——円城塔

 

7月の新刊:『美術館という幻想』

2011年 7月 14日

bijyutukan_coverキャロル・ダンカン著 川口幸也訳

美術館という幻想——儀礼と権力

A5判上製320ページ/定価3800円+税
ISBN978-4-89176-841-6 C0070  7月22日頃配本



教養の証明? 成金/権力の誇示? 植民地主義の発露?

近代美術館の成立と現在を、《儀礼》と《権力》を
キーワードとして検証し、その実像に肉薄する。
欧米できわめて高い評価を得た、
もっとも挑発的にして、もっとも論争的な美術批評。



本書においてダンカンは、フランス・イギリス・アメリカという
欧米の3カ国に対象を絞り、儀礼という概念を武器に、
アートと美術館の裏に潜む多様な権力の政治的な思惑を
明るみに出してみせた。〔……〕彼女の視点は、
私たちが非西洋という立場から、単にミュージアムのみならず
国民国家のありかたや西洋を中心とする近代史の構造そのものを
振り返る際にも、有益な示唆を与えてくれるはずだ。
(「訳者あとがきにかえて」より)