編集部通信/『アンチ・オイディプスの使用マニュアル』
2010年 4月 15日
さっそく月曜社さんのウラゲツ☆ブログでもご紹介いただいた、
ステファヌ・ナドー著/信友建志訳
『アンチ・オイディプスの使用マニュアル』。
(Kさん、いつもありがとうございます!)
『カフカの夢分析』(小社)や『アンチ・オイディプス草稿』(みすず書房)
などで、フェリックス・ガタリの復権と再評価に力を傾注してきた著者が、
『アンチ・オイディプス』という稀有な1冊と真っ正面から向き合った、
文字通り《思想的実践の書》として、各方面で話題になっています。
ところで著者のステファヌ・ナドーさんは
大の親日家で、本書の訳者解説にも
書かれているとおり、
3月初旬から2カ月にわたって来日中です。
(この写真は、一私企業による占拠への反対運動で
湧いている渋谷の宮下公園にて)。
そこで去る4月10日には、かれと由縁のある
友人知人たちが新宿に集い、ささやかな出版記念パーティーが開催されたのでした。
この日の会場となった新宿のカフェ・ラヴァンデリアに参集したのは、
本書の訳者・信友建志さん、本書の育ての親で
『カフカの夢分析』の訳者でもある龍谷大学の杉村昌昭さん、
文庫版『アンチ・オイディプス』の訳者・宇野邦一さん、
その版元で会場をご提案くださった河出書房新社の阿部さんはじめ、
D=G関係の訳者・研究者、出版関係者などなど、
じつに豪華でユニークな方々ばかり。
ナドーさんも本書のモティーフを熱く語っていました。
京阪神からもふくめ、
こちらの予想をはるかに上回る
40名前後の出席者が、
けっして広くはない会場から路上に
あふれ出すほどの熱気で大いに賑い、
その後も終電が尽きる時間まで、
2次会3次会と続いたのでした……。
ご協力・ご参集いただいたみなさま、本当にありがとうございました。
ところで、3月から4月にかけては『奥の細道』をたどって佐渡や北陸を
旅していたナドーさんですが、いまは西—南日本を旅行中とのこと。
もしも見かけたら、気軽に声をかけてみてください。
かれはとても優しいナイスガイです。(編集部 Naovalis)
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ステファヌ・ナドー著/信友建志訳
アンチ・オイディプスの使用マニュアル
四六判上製352頁/定価3800円+税ISBN978-4-89176-760-0 C0010 4月10日頃発売!
逃走か、あるいは競闘か?
21世紀の最もラディカルな
『アンチ・オイディプス』臨床実践!
ポップ心理学、資本主義、そして死。
混沌が支配する日常を《くたばらずに》生き抜くために、
ガタリ=ドゥルーズはいかに実践しうるのか?
カフカ、プルースト、三島由紀夫、
『スター・ウォーズ』、バッグス・バニーを駆使する、
鮮烈なエクリチュール機械の誕生!
*
ステファヌ・ナドー:
1969年生まれ。哲学者にして児童精神科医。
フェリックス・ガタリ『カフカの夢分析』(水声社)、
『アンチ・オイディプス草稿』(みすず書房)などの編者でもある。
信友建志:
1973年生まれ。京都大学非常勤講師。思想史・精神分析専攻。
著書に『フロイト=ラカン』(共著、講談社選書メチエ)など、
訳書にアルチュセール『精神分析講義』(共訳、作品社)、
ネグリ『野生のアノマリー』(共訳、作品社)など多数がある。