11月の新刊:小島信夫の文法

2017年 11月 9日

小島信夫の文法
小島信夫の文法
青木健(著)

判型:四六判上製
頁数:207頁
定価:2500円+税
ISBN:978-4-8010-0298-2 C0095
装幀:西山孝司
11月25日発売予定!


〈小説の自由〉を求めて、生存の深層へ
現実の渕から生の深奥へと錘鉛を下ろす代表作『抱擁家族』を読みほどく評論、ともに過ごした日々、小説の胎動を秘めた言葉の数々を振り返るエッセイ、さらには発掘対談を収め、小島信夫文学の沃野を見はるかす。
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11月の新刊:非‐場所 ――スーパーモダニティの人類学に向けて《人類学の展回》

2017年 11月 7日

非ー場所 書影非‐場所
スーパーモダニティの人類学に向けて
《人類学の展回》
マルク・オジェ(著)
中川真知子(訳)

判型:四六判上製
頁数:176頁
定価:2500円+税
ISBN:978-4-8010-0287-6 C0010
装幀:宗利淳一
11月15日頃発売!


誰もが孤独で誰もが似通る、匿名に満ちた均質な現代空間――
インターネットを介したコミュニケーション空間、大規模スーパーマーケットにおける消費空間、空港に代表される交通空間。現代では当たり前となったこれらの空間はしかし、歴史をもたず、匿名性に満ちた空間である。歴史とアイデンティティに根ざした「場所」と対置される21世紀の「非‐場所」を考察し、「いま・ここ」の新たな理論を立ち上げる。
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11月の新刊:[新版]カズオ・イシグロ――境界のない世界

2017年 11月 6日

カズオ・イシグロカズオ・イシグロ[新版]
境界のない世界
平井杏子(著)

判型:四六判上製
頁数:268頁
定価:2,500円+税
ISBN:978-4-8010-0288-3 C0098
装幀:宗利淳一
10月30日発売!

新ノーベル賞作家の全体像
デビュー作『遠い山なみの光』から代表作『日の名残り』、『わたしを離さないで』、そして短編集『夜想曲集』までをとりあげ、グローバルな作家の全貌にせまる本邦初の本格的な論考。カズオ・イシグロを読むための必携の書!
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11月の新刊:エルドラードの孤児《ブラジル現代文学コレクション》

2017年 11月 6日

エルドラードの孤児エルドラードの孤児
《ブラジル現代文学コレクション》
ミウトン・ハトゥン(著)
武田千香(訳)

判型:四六判上製
頁数:188頁
定価:2000円+税
ISBN:978-4-8010-0291-3 C0397
装幀:宗利淳一
11月中旬発売!


《ブラジル現代文学コレクション》刊行開始!
現代を代表する作家から巨匠にいたるまで、いまだ日本国内ではその多くを知られていない〈ブラジル文学〉の力強い息吹きを伝える文学コレクション!


舞台は20世紀前半のアマゾンの中流地域「エルドラード」。文明化されているとはいえ、人々は神話が色濃く残る世界に生きている。アルミント・コルドヴィウは、急死した父親の事業を継ぐが労働することに意識は向かず、一夜をともにしたきり姿を消した、あるインディオの女を忘れることができずにいた……。現代のブラジル文学を代表する作家が描く、文明と神話的世界が交錯した愛の物語。
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11月の新刊:隠すことの叡智 パルティータⅢ

2017年 11月 6日

隠すことの叡智
隠すことの叡智

パルティータⅢ
今福龍太(著)

判型:四六判上製
頁数:388頁
定価:3800円+税
ISBN:978-4-8010-0253-1 C0010
装幀:西山孝司
11月上旬発売!


“思想”と“方法”と“振る舞い”の源泉としての〈人類学〉――
人類学は、形式的な学問分野を超える、私たちの知の倫理学(エシックス)そのものである。本書は、これまでの著者の数ある論考のなかから、〈文化人類学〉の傍らにおいて書かれたものを集成。初期のみずみずしい論考から単行本未収録の貴重な論文、そしてトリックスター人類学者=山口昌男への機知あふれるオマージュにいたるまで、著者の独創的な〈人類学的思考〉のエッセンスを凝縮した新アンソロジー。隠された知の復権に向けて。
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10月の新刊:フランス・オペラの美学――音楽と言語の邂逅

2017年 10月 30日

フランス・オペラの美学フランス・オペラの美学
音楽と言語の邂逅
内藤義博(著)

判型:A5判上製
頁数:264頁
定価:4000円+税
ISBN:978-4-8010-0286-9 C0073
装幀:西山孝司
好評発売中!


フランス・オペラとは何だったのか?
17世紀のフランスではオペラは卑俗な舞台劇であり悲劇よりも劣るとされていた。しかし18世紀には大がかりな仕掛けと音楽で観客を魅了し次第に独自の美学を打ち立てる……ドラマトゥルギー韻律調性朗唱仕掛けの問題からラシーヌにもヴォルテールにも書けなかった「音楽悲劇」の秘密に迫る。
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10月の新刊:欠落ある写本――デデ・コルクトの失われた書《フィクションの楽しみ》

2017年 10月 25日

欠落ある写本_書影欠落ある写本
デデ・コルクトの失われた書
《フィクションの楽しみ》
カマル・アブドゥッラ(著)
伊東一郎(訳)

判型:四六判上製
頁数:376頁
定価:3,000円+税
ISBN:978-4-8010-0279-1 C0097
装幀:宗利淳一
10月25日発売!


秘密は秘密の中に収められ、秘密によって隠される
文書館に忽然と出現した、古代の謎めいた写本。そこに描かれる、遊牧騎馬民族オグズの部族内で行われるスパイ探しの審問の様子と、サファヴィー朝のシャーの影武者をめぐる逸話、一見すると無関係な二つの物語のテキストは、写本の中で入り交じり、緊張を高めながら、悲劇的結末へと向かう……
中世チュルク叙事詩の最高傑作『デデ・コルクトの書』に隠された謎を題材に、現代アゼルバイジャンを代表する小説家=文学研究者が書き上げた歴史幻想小説を、本邦初紹介。
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11月の新刊:ガラテーア《セルバンテス全集①》

2017年 10月 25日

ガラテーアガラテーア
《セルバンテス全集①》
本田誠二(訳)

判型:A5判上製
頁数:704頁
定価:10000円+税
ISBN:978-4-8010-0171-8 C0397
装幀:西山孝司
11月1日発売!


愛をめぐる終りなき〈対話〉
世俗から自由な牧人たちは、愛の本質を熟知しつつも、叶わぬ恋に苦しみ悲喜劇を繰り広げる……当時のスペインで流行していた〈牧人小説〉の形式を踏襲しつつ、観念的な韻文と写実的な散文を混淆して新境地を切り開いた、セルバンテスの実験的処女作品。死の間際まで後篇の執筆を切望していたが、果たせず前篇のみに終わる。後年の豊かな創作活動の萌芽が随所に顔を覗かせる、作家の知られざるライフワーク。
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10月の新刊:生きている前衛――山口勝弘評論集

2017年 9月 28日

生きている前衛生きている前衛
山口勝弘評論集
井口壽乃(編)

判型:A5判上製
頁数:570頁
定価:8000円+税
ISBN:978-4-8010-0284-5 C0070
装幀:宗利淳一
10月6日発売!


戦後日本、激動の芸術空間を目撃せよ!
前衛美術、建築、デザイン、ファッション、テクノロジー、都市環境……芸術家の創造力は社会を変革することができるのか!?
現代アートの泰斗が創作の傍ら歩んだ、1952年から2001年まで、半世紀にわたる思考の軌跡。堂々の132編を収録!
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10月の新刊:モーパッサンの修業時代――作家が誕生するとき

2017年 9月 27日

モーパッサンモーパッサンの修業時代
作家が誕生するとき
足立和彦(著)

判型:A5判上製
頁数:361頁
定価:5000円+税
ISBN:978-4-8010-0283-8 C0098
装幀:齋藤久美子
10月2日発売!


作家はいつ〈誕生〉するのか?
「脂肪の塊」の華々しい成功によって脚光を浴びたモーパッサン。しかし、そこに至るまでの道のりは決して平坦なものではなかった……。
詩、戯曲、そして散文へ。小説家としての成功の影に隠され、従来顧みられることのなかった数多くの作品を仔細に読み込みながら、作家誕生の瞬間に迫る。
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9月の新刊:感応の呪文――〈人間以上の世界〉における知覚と言語

2017年 9月 19日

感応の呪文感応の呪文
〈人間以上の世界〉における知覚と言語
デイヴィッド・エイブラム(著)
結城正美(訳)

判型:四六判上製
頁数:416頁
定価:4500円+税
ISBN:978-4-8010-0282-1 C0098
装幀:齋藤久美子
9月4日発売!

人間を中心に置いた世界図ではなく、人間も織り込んだ正しい世界図の回復のためにこの本は役に立つ。

池澤夏樹


言語のない非人間の世界、自然に知性を見る時、世界は大いなる多義性に満たされている。エコロジスト、思想家である著者が身体的に野生とかかわることで「生きている大地との関わり合いから流れる情熱、困惑、喜び」について語りつつ「高水準の理論的・学術的精度を維持」した議論を展開する試み。
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8月の新刊:リーメンシュナイダー――その人と作品

2017年 8月 25日

リーメンシュナイダーリーメンシュナイダー
その人と作品
杉田達雄(著)

判型:A5判上製
頁数:225頁
定価:4000円+税
ISBN:978-4-8010-0256-2 C0071
装幀:宗利淳一
好評発売中!


ドイツ後期ゴシック彫刻の極北

宗教改革から農民戦争へとつづく動乱の16世紀ドイツ。
静と動、重量感と浮遊感、官能と理知、瞑想と法悦が渾然一体となった大規模な祭壇彫刻をはじめ、多数の作品を残したリーメンシュナイダーの生涯と作品を、70余点の図版とともに克明にたどる。
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8月の新刊:実在への殺到《水声文庫》

2017年 8月 14日

実在への殺到実在への殺到
《水声文庫》
清水高志(著)

判型:四六判上製
頁数:272頁
定価:2500円+税
ISBN:978-4-8010-0278-4 C0010
装幀:宗利淳一
8月末発売予定!

日本の哲学者による新たな創造。全ての制作者にとって、次なる創造の場を切り開く、21世紀の真の始まりを告げる哲学の誕生。

――上妻世海(作家・キュレーター)

20世紀の思想や文化、また西洋近代の世界観を乗り越えようとする、カンタン・メイヤスーやグレアム・ハーマン、そしてヴィヴェイロス・デ・カストロやフィリップ・デスコラやマリリン・ストラザーン……。彼ら彼女らの思想・哲学と強く共振し、深く共鳴しあいながら、世界に先駆け前世紀的哲学を突破した、著者渾身の評論!
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7月の新刊:小児科診察室 増補改訂版――シュタイナー教育・医学からの子育て読本

2017年 8月 14日

小児科小児科診察室
シュタイナー教育・医学からの子育て読本
(増補改訂版)
ミヒャエラ・グレックラー+ヴォルフガング・ゲーベル(著)
入間カイ(訳)

判型:A5判上製
頁数:576頁+別丁カラー48頁
定価:5000円+税
ISBN:978-4-8010-0165-7 C2077
装幀:齋藤久美子
7月25日発売!


「自分らしい生」を育む画期的育児書
乳幼児期から青少年期まで「教育と医学のつながり」からこどもの発達を心身ともに支える新しい育児書。原題『小児科診療時間』15版の全訳に18版より「携帯電話と電磁波スモッグ」「未来のための同盟」をあらたに追加し「予防接種」の項は現状にあわせて修正をほどこした増補改訂版。
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8月の新刊:近代フランス小説の誕生

2017年 8月 11日

近代フランス小説の誕生近代フランス小説の誕生
植田裕次(編)
白川理恵+中村英俊+西牧和恵+大場静枝+石田雄樹+高橋久美+余語毅憲+中島太郎+中野茂(著)

判型:A5判上製
頁数:242頁
定価:4000円+税
ISBN:978-4-8010-0281-4 C0098
装幀:西山孝司
好評発売中!

産声をあげる“語り”
18世紀のフランスにおいて、美学的・道徳的批判にさらされ、文学の下流に甘んじていた近代小説は、どのようにして自らを洗練させ、19世紀には文学の中心を担うまでに至ったのか。ヴォルテール、ルソー、レチフ、サン=ピエール、メルシエ、サドからその諸相を明らかにする。
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7月の新刊:ボーダー・クロニクルズ パルティータⅣ

2017年 8月 1日

ボーダークロニクルズボーダー・クロニクルズ
パルティータⅣ
今福龍太(著)

判型:四六判上製
頁数:272頁
定価:2500円+税
ISBN:978-4-8010-0254-8 C0036
装幀:西山孝司
好評発売中!


「越境者たちのアメリカ」はいまだに未知のアメリカである――
この陰翳に富んだアメリカの出現をよそに、アメリカ国家はいま何を真に抑圧しようとしているのだろうか? 異邦で不意に訪れるいまを描き出す軽やかな〈日誌〉。国境地帯を車で飛ばす旅人の移ろう視線が物語る一人称の〈小説〉。そして、バラ色の砂漠の民が奏でる音楽に目覚めた人類学者が記す鮮烈な〈民族誌〉。読み手によってさまざまな表情を見せる傑作紀行。

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7月の新刊:アイルランドの言葉と肉――スターンからベーコンへ

2017年 8月 1日

アイルランドの言葉と肉アイルランドの言葉と肉
スターンからベーコンへ
近藤耕人(著)

判型:四六判上製
頁数:237頁+別丁カラー4頁
定価:2800円+税
ISBN:978-4-8010-0262-3 C0098
装幀:伊勢功治
好評発売中!


自分の手が自分の身体の一部ではなく、獣にも共通する一般的な肉と見えたり思えたりするとき、「わたし」はなにものであり、どこにあるのであろうか。

〈言葉〉と〈肉体〉の相剋を鍵に、ジョイスやベケット、そして画家フランシス・ベーコンなど、アイルランドに縁の深い作家たちの創造力の原点に肉迫する。斬新な方法によってアイルランド芸術論に新たな地平を開く迫真の評論。
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7月の新刊:津島佑子の世界

2017年 7月 31日

津島佑子の世界津島佑子の世界
井上隆史(編)
津島佑子,鹿島田真希,呉佩珍,木村朗子,与那覇恵子,川村湊,中上紀,ジャック・レヴィ,マイケル・ボーダッシュ,菅野昭正,中沢けい,原川恭一(著)

判型:四六判上製
頁数:274頁
定価:2500円+税
ISBN:978-4-8010-0261-6 C0095
装幀:西山孝司
好評発売中!


夢よ、光よ。
鋭敏な感覚によって「女性」や「母子」の深淵を穿つ作品群を執筆、また世界的視野のもと歴史や民族の問題を踏まえた充実の長編作品を数多く世に問うた津島佑子。創作の原点となった若き日々、家族とともにあることの葛藤とよろこび、父・太宰治の影、繊細で緻密な小説の綾、世界文学へのまなざし、そして作家生活を支えた自由闊達な人柄……。小説家・批評家・研究者による多彩なエッセイ・評論・座談を収録し、津島佑子の魅力的な文学世界に誘う一冊。
*母校・白百合女子大学での追悼シンポジウムの記録論集
*学内新聞に掲載された貴重な論文やエッセイも特別収録!
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7月の新刊:異貌のパリ 1919-1939――シュルレアリスム、黒人芸術、大衆文化

2017年 7月 30日

異貌のパリ異貌のパリ 1919-1939
シュルレアリスム、黒人芸術、大衆文化
澤田直(編)
ミシェル・ポワヴェール+鈴木雅雄+エルザ・アダモヴィッチ+千葉文夫+昼間賢+パスカル・ブランシャール+永井敦子+河本真理+星埜守之+柳沢史明+荒このみ+ミカエル・フェリエ+ヤニック・セイテ(著)

判型:A5判上製
頁数:275頁
定価:4000円+税
ISBN:978-4-8010-0277-7 C0090
装幀:宗利淳一
好評発売中!


祝祭空間としてのパリ
狂乱の20年代から暗雲が漂う30年代にかけて、サブ・カルチャーがパリに雪崩れ込んだ……。写真、映画、黒人芸術、ジャズ、ダンスといったそれらは、ハイカルチャーとどのように邂逅し、またすれ違ったのだろうか。思想と芸術の豊潤なる交雑とその可能性を探る。
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8月の新刊:模範小説集《セルバンテス全集④》

2017年 7月 28日

模範小説集模範小説集
《セルバンテス全集④》
樋口正義・斎藤文子・井尻直志・鈴木正士(訳)

判型:A5判上製
頁数:728頁
定価:10000円+税
ISBN:978-4-8010-0174-9 C0397
装幀:西山孝司
8月7日頃発売!


〈真実〉を映す〈虚構〉の物語
『ドン・キホーテ』の商業的成功に自信をつけたセルバンテスが、日々の暮らしに倦み疲れた人々に「罪のない気晴らし」を供するために書き上げた小説集。
二匹の犬が哲学的議論を戦わせ、狂人が人々に真理を語り明かし、スペイン・地中海世界を舞台として、数々の波瀾万丈の恋と冒険が展開される。「ありえない」出来事を「ありそう」に思わせる、短篇作家セルバンテスの技が光る珠玉の12編。
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