7月2011のアーカイヴ

7月の新刊:『ミュージッキング』

2011年 7月 25日

musicing_coverクリストファー・スモール 著
野澤豊一+西島千尋 訳

ミュージッキング——音楽は〈行為〉である

四六判上製440ページ/定価4000円+税
ISBN978-4-89176-826-3 C0073  7月28日頃配本


音楽は、《作品》ではない、《実践》なのだ!
音楽を愛するすべてのひとの必読書。

音楽を「音楽学」から解放し、既成概念を転倒させて、
わたしたちを《音の現場》へといざなう画期的な評論、
待望の日本語版、ついに全訳刊行!


musicking/[mjúːzikiŋ]/名/to music(音楽する)の動名詞形。
各自の立場を問わずに音楽的なパフォーマンスに加わること。演奏
者やリスナー、ダンサーから、ローディー、チケットの売り子や清
掃係などの裏方まで、その場に集うすべての者が《音楽》に参加し、
《音楽》を共有し、《音楽》に貢献している、という考え。クリス
トファー・スモールによって提唱され、本書のタイトルとなり、世
界各国で多くの読者を得ている。


【目次】

プレリュード 音楽と音楽すること
第1章 聴くための場所
第2章 コンサートとは現代的な出来事である
第3章 見知らぬ者同士が出来事を共有する
インターリュード1 身ぶりの言語
第4章 切り離された世界
第5章 うやうやしいお辞儀
第6章 死んだ作曲家たちを呼び起こす
インターリュード2 すべての芸術の母
第7章 総ス コア譜とパート譜
第8章 ハーモニー、天国のようなハーモニー
インターリュード3 社会的に構築された意味
第9章 劇場のわざ
第10章 関係を表現する音楽のドラマ
第11章 秩序のヴィジョン
第12章 コンサート・ホールではいったい何が起こっているのか?
第13章 孤独なフルート吹き
ポストリュード これは良いパフォーマンスだったのだろうか?
そしてそのことをあなたはどうやってわかるのだろうか?

参考文献
索引

訳者あとがき

 

7月の新刊:『家出の道筋』

2011年 7月 19日

iede_coverジョルジュ・ペレック 酒詰治男訳

家出の道筋

四六判上製232頁/定価2500円+税
ISBN978-4-89176-837-9 C0097 7月29日頃発売!


なぜ書くのか、
そしてどのように書いたのか?


超大作『人生 使用法』や『煙滅』を書いた、前代未聞の怪物作家ペレック。
自伝的短篇や文学論、対談など、ペレックの全貌にせまる
重要なテクスト19編を集めたアンソロジー!

◎ 本書にはペレックの『日常下 l’infra-ordinaire』の一部のテクストが収録されています。
この作品にオマージュを捧げたともいえる、
『ジャック・ルーボーの極私的東京案内 Tokyo infra-ordinaire』も
同時に刊行しておりますので、ぜひこちらもお手にとってごらん下さい。


【目次】

パラシュート降下
ヌーヴォー・ロマンと現実拒否
ロベール・アンテルムあるいは文学の真理
家出の道筋
モーリス・ナドーへの手紙
秋のニョッキあるいはぼくについてのいくつかの質問への答え
なににアプローチするのか
千九百七十四年中にぼくが暴飲・暴食した液状・固形飲食物の目録作成の試み
ヴィラン通り
夢とテクスト
記憶の仕事(フランク・ブナイユとの対話)
好き、好きじゃない——連の続きに……
『人生 使用法』のための四つの図形
冬の旅
いとも聖なる場所
それでも死ぬまでになしておくべきであろういくつかのことども
スティル・ライフ/スタイル・リーフ
ロンドン散策
「奉献」——ボース平原からシャルトルのノートル=ダム寺院まで

訳者あとがき

 

7月の新刊:『ジャック・ルーボーの極私的東京案内』

2011年 7月 19日

tokyoannai_coverジャック・ルーボーの極私的東京案内

田中淳一訳
A5判並製カラー80頁+32頁/定価2800円+税
ISBN978-4-89176-838-6 C0097 7月29日頃発売!



新ジャンル、メトロ詩とは?
富士山は日本に存在しない?
レーモン・クノー的「街路の読み方」とは?
英語のthの発音は、フォアグラによって生まれた?
作家/ウリピアン/数学者ルーボーが、
山手線で試作/詩作/思索する! ディープな東京案内!


異端/ウリポの中の異端児としての正嫡子──。
数学者としての経歴と詩人の魂の融合は、
どうしたことか壮絶な恍けっぷりへと結実し、
素数やクノー数に彩られた虹色の東京を巡る。
ルーボーは歌う。唄う。謳う。謡う。詠う。
詩作は詩と一体となり、秘密を隠した子供の笑い声と化す。
そう、ここにいるのは──おそるべき永遠のいたずらっ子。
——円城塔

 

7月の新刊:『美術館という幻想』

2011年 7月 14日

bijyutukan_coverキャロル・ダンカン著 川口幸也訳

美術館という幻想——儀礼と権力

A5判上製320ページ/定価3800円+税
ISBN978-4-89176-841-6 C0070  7月22日頃配本



教養の証明? 成金/権力の誇示? 植民地主義の発露?

近代美術館の成立と現在を、《儀礼》と《権力》を
キーワードとして検証し、その実像に肉薄する。
欧米できわめて高い評価を得た、
もっとも挑発的にして、もっとも論争的な美術批評。



本書においてダンカンは、フランス・イギリス・アメリカという
欧米の3カ国に対象を絞り、儀礼という概念を武器に、
アートと美術館の裏に潜む多様な権力の政治的な思惑を
明るみに出してみせた。〔……〕彼女の視点は、
私たちが非西洋という立場から、単にミュージアムのみならず
国民国家のありかたや西洋を中心とする近代史の構造そのものを
振り返る際にも、有益な示唆を与えてくれるはずだ。
(「訳者あとがきにかえて」より)

 

7月の新刊:『ピンチョンの動物園』

2011年 7月 11日

pinchon_cover波戸岡景太

ピンチョンの動物園

四六判上製250ページ/定価2800円+税
ISBN 978-4-89176-844-7   C0098 7月13日頃発売!
新シリーズ エコクリティシズム・コレクション



あのバケモノを捕獲せよ!

奇想天外なサブキャラ=動物たちに着目しつつ、
壮麗無比なピンチョン文学の全長篇小説に挑む、
冒険的/挑発的/独創的な作品論。

【目次】
はじめに——ピンチョンの動物園へようこそ
第1章——鰐とアメーバ
第2章——境界線上のイルカ
第3章——巨大蛸は咆えない
第4章——すべての豚どもに死を
第5章——犬たちの沈黙
第6章——タッツェルヴルムが叫ぶとき
おわりに——ブッグフットはここにいる

 

7月の新刊:『〈故郷〉のトポロジー——場所と居場所の環境文学論』

2011年 7月 11日

kokyou_cover喜納育江

〈故郷〉のトポロジー——場所と居場所の環境文学論

四六判上製224ページ/定価2500円+税
ISBN 978-4-89176-843-0   C0098 7月13日頃発売!
新シリーズ エコクリティシズム・コレクション


言葉のない場所に言葉を、
生命のない場所に生命を感じとる——。


アメリカ先住民やチカーノ、日系アメリカ人、そして沖縄の民らの
表現を媒介に、重層化する彼らの《アイデンティティ》を問い、
そして他者へと開かれてゆく、清冽な文学論

【目次】
序 章  私(たち)はどこにいる
第1章  故郷という居場所
第2章  沈黙に寄り添う言葉
第3章  ラ・ヨローナとリオ・グランデ
第4章  新しい場所に根ざす
第5章  境域としての場所と身体
第6章  淵を居場所とする者たちへ