5月の新刊:『ナチスのキッチン』
2012年 5月 18日
ナチスのキッチン 「食べること」の環境史
藤原辰史四六判上製456頁/定価 4000円+税
ISBN 978-4-89176-900-0 C0022 5月31日発売
ヒトラーから《食》を奪還せよ!
いま、もっとも重要な《食》と《エネルギー》の問題をファシズムの視座から考える出色の1冊!
ナチスによる空前の支配体制下で、
人間と食をめぐる関係には何が生じたのか?
システムキッチン、家事労働から、食材、
そしてエネルギーにいたるまで、
台所という《戦場》の超克を試みた、
来るべき時代への《希望の原理》。
新発見の事実や貴重なレシピをはじめ、
未刊行資料・図版などを多数収録。
《どうして、「食べること」はここまで衰微して
しまったのだろうか。どうして、強制収容所という
私たちの生活世界からもっとも遠いところの現象が、
こんなにもリアルに感じられるのだろうか?
——これは、端的に言ってしまえば、
この世界が、ナチズムと陸続きだからである》
目次—————
序章 台所の環境思想史
歴史の基層としての台所/テイラー・システムとナチズム/台所の変革者たち
台所をどうとらえるか――定義とアングル
第1章 台所空間の「工場」化 建築課題としての台所
ドイツ台所小史/ドイツ台所外史/第一次世界大戦の衝撃/
フランクフルト・キッチン/考えるキッチン/ナチス・キッチン?/
労働者約一名の「工場」
第2章 調理道具のテクノロジー化 市場としての台所
電化される家族愛/台所道具の進歩の背景/マニュアル化する台所仕事
市場化する家事/報酬なきテイラー主義の果てに
第3章 家政学の挑戦
家政学とは何か/家政学の根本問題/家政学の可能性と限界
家政学のナチ化/家政学の戦時体制化/家政学が台所に与えた影響
第4章 レシピの思想史
ドイツ・レシピ少史/読み継がれる料理本/企業のレシピ/
栄養素に還元される料理
第5章 台所のナチ化 テイラー主義の果てに
台所からみたナチズム/「第二の性」の戦場/「主婦のヒエラルキー」の形成/
無駄なくせ闘争/残飯で豚を育てる/食の公共化の帰結
終章 来たるべき台所のために
労働空間、生態空間、信仰の場/台所の改革者たちとナチズム/
ナチスのキッチンを超えて
「食べること」の救出に向けて あとがきにかえて
付録1 ベストセラーの料理本
付録2 ダヴィディス著『実用的料理本』の版別レシピ構成
付録3 ハーン著『実用的料理本』の版別レシピ構成
註/参考文献/人名索引
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■刊行記念イベント開催!
藤原辰史著『ナチスのキッチン』(水声社)刊行記念
「食べること」から見るファシズム
■藤原辰史(東京大講師)× 山室信一(京都大教授)■2012年5月31日(木) 19:30〜
■会場 ジュンク堂書店池袋本店 4階カフェにて→(*)
■定員 40名(お電話又はご来店にてお申し込み先着順)
■入場料 1000円 (ドリンク付)
■お問い合わせ 池袋本店 TEL03-5956-6111