10月2012のアーカイヴ

11月の新刊:『反絵、触れる、けだもののフラボン』

2012年 10月 27日

e38191e381a0e38282e381aee69bb8e5bdb1反絵、触れる、けだもののフラボン

見ることと絵画をめぐる断片

福山知佐子
四六判上製/176頁/定価=2200円+税
ISBN978-4-89176-923-9  C0070 11月1日頃発売!
装幀=coppice

「この書物をオビに凝縮するのは、至難の業です。
書いても描いても尽くせないいのちの豊穣に焦がれてヒトの世を生きる
福山知佐子は、どこまでも濃密なエロスの人だ」——谷川俊太郎


大野一雄、中川幸夫、若林奮らとの比類ない出会い、
花や動物たちとの全神経細胞を震わせる共振、
それら記述不可能な体験の深みに向けて言葉を酷使する。
主客未分のカオスの闇に晒され傷ついた眼、
あるいは「動植物の目」によって、「物」を見ることの
根源が執拗に生き直される、けだものの息による絵画論。



本書刊行を記念して、福山知佐子さんの個展が開かれます。
こちらもぜひお運び下さい。

福山知佐子個展

『反絵、触れる、けだもののフラボン』

KID AILACK ART HALL 5Fギャラリー
2012年11月7日(水)〜11月12日(月)
7日 16:00〜20:00
8日〜11日 13:00〜20:00
12日 13:00〜18:00

KID AILACK ART HALL
Tel: 03-3322-5564
Web:  http://www.kidailack.co.jp/
〒156-0043 東京都世田谷区松原2-43-11
[京王線/京王井の頭線・明大前駅より徒歩2分]

 

10月の新刊:『イカロスの飛行』

2012年 10月 27日

rqefbc8fe382a4e382abe383ade382b9e381aee9a39be8a18c_cover2レーモン・クノー・コレクション13

イカロスの飛行

石川清子訳
4/6判上製203頁/定価2000円+税
ISBN978-4-89176-873-7 C0397 絶賛発売中!

イカロスが盗まれた? 飛んだ?

書きかけの小説から、主人公イカロスが逃げ出した!?
彼を追跡する探偵モルコルや、他の作家たちのもとから逃げ出してきた
登場人物たちも町に紛れ込んでのドタバタ捜索劇。
定められた運命を逃れた彼らの行く末は?
主人公のいなくなった小説の結末は?
小説の可能性を追求し、言葉で遊び続けたクノーの遺作。

日本ウリポ史上、最大の新シリーズ、第10回配本!

 

10月の新刊:『魔術的リアリズム』

2012年 10月 12日

–‚pƒJƒo[.indd魔術的リアリズム——20世紀のラテンアメリカ小説

寺尾隆吉

四六判上製/240頁/定価=2500円+税
978-4-89176-918-5 C0098 10月22日頃発売予定
装幀=宗利淳一+田中奈緒子



コンパクトなラテンアメリカ文学の入門書が新たに登場!

『グアテマラ伝説集』のアストゥリアスから、
『この世の王国』のカルペンティエールまで、
ルルフォの『ペドロ・パラモ』から、
ガルシア・マルケスの『百年の孤独』、
そして現代のラテンアメリカ作家たちまでも視野に入れ、
ラテンアメリカ文学の象徴とも言える「魔術的リアリズム」の手法を明らかにする
ラテンアメリカ文学ファン、そして外国文学愛好家必携の書。

想像力による世界の変革。

ボルヘス、ガルシア・マルケス、アジェンデ、バルガス・ジョサ……
数々の作家を世界に送り出し、一世を風靡したラテンアメリカ小説には
《魔術的リアリズム》という手法があった。
その重要な諸作品を歴史的背景とともに辿りながら、
物語に社会変革の希望を託した作家たちの手法を明らかにする。

《魔術的リアリズムの作家たちは(…)書く行為を現実と並存する
空想世界の構築と結びつけ、そこから現代世界の置かれた状況を
新たな目で捉え直すことで、変革への道標を示そうとする。(……)
その意味では、危機に生きる辺境のエネルギーを原動力とした文学作品こそ、
実は世界変革の可能性を内に秘めているのかもしれない》(本文より)




寺尾隆吉『魔術的リアリズム』(水声社)刊行記念イベント開催!

「ラテンアメリカ文学の魅力」

日時——2012年11月8日(木)19:30〜

講師——寺尾隆吉(フェリス女学院大学准教授)×鼓直(法政大学名誉教授)

会場——ジュンク堂書店池袋本店 4階カフェにて(くわしくはこちら→
■定員 40名(お電話又はご来店にてお申し込み先着順)
■入場料 1000円 (ドリンク付)
■受付 お電話又はご来店(1Fサービスカウンター)にて先着順に受付。
※トークは特には整理券、ご予約のお控え等をお渡ししておりません。
※ご予約をキャンセルされる場合、ご連絡をお願いいたします。
お問い合わせ 池袋本店 TEL03-5956-6111

概要——ボルヘス、ガルシア=マルケス、バルガス=リョサ…… 。1960年代、ラテンアメリカ文学は世界的なブームを巻き起こしました。その象徴とも言えるのがノーベル賞作家、ガルシア=マルケスの『百年の孤独』です。そのラテンアメリカ文学の隆盛とともに広く知られることになったのが、彼らの作品にしばしば見られる「魔術的リアリズム」と呼ばれる手法でした。ラテンアメリカ文学の歴史を顧みながらこの手法について明らかにしようとするのが、水声社より10月22日に発売する『魔術的リアリズム——20世紀のラテンアメリカ小説』です。
日本でもガルシア=マルケスなどラテンアメリカ文学が多く翻訳されました。その中でも、重要な作品を日本に多数翻訳、紹介した鼓直さんをゲストにお招きして日本がどのようにラテンアメリカ文学を受容していったのか、またはこれからのラテンアメリカ文学について、作家を紹介しつつ語り合っていただきます。

[講師紹介]

寺尾隆吉(てらお・りゅうきち)
1971年生まれ。フェリス女学院大学国際交流学部准教授。専攻は現代ラテンアメリカ文学。主な著書に、『フィクションと証言の間で——現代ラテンアメリカにおける政治・社会動乱と小説創作』(松籟社、2007年)。主な訳書に、マリオ・バルガス・ジョサ『嘘から出たまこと』(現代企画室、2010年)など多数ある。

鼓直(つづみ・ただし)
1930年生まれ。法政大学名誉教授。日本スペイン協会理事長。ラテンアメリカ文学研究者。ガブリエル・ガルシア=マルケス『百年の孤独』(新潮社、1972年)やホルヘ・ルイス・ボルヘス『奇伝集』(岩波文庫、1993年)など、ラテンアメリカの主要な作品を翻訳紹介した。「魔術的リアリズム」の手法を扱った作品など、翻訳は多数ある。