2013年 6月 21日
小社より昨年刊行された加藤有子さんの『ブルーノ・シュルツ 目から手へ』が第4回表象文化論学会賞を、また番場俊さんの『ドストエフスキーと小説の問い』が同じく奨励賞を受賞いたしました。おめでとうございます!
詳細は表象文化論学会のホームページをご覧下さい(*)
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加藤有子
ブルーノ・シュルツ——目から手へ
A5判上製376頁/定価=4800円+税
ISBN 978-4-89176-899-7 C0098
好評発売中
ナチスに射殺されたポーランドの小説家/画家の全貌。
短篇集『肉桂色の店』、『砂時計の下のサナトリウム』、ガラス版画集
『偶像賛美の書』などをとおして、イメージ・言語のジャンルをこえた
表象へと向かう独自の世界観をトータルに捉える世界初のモノグラフィ。
*シュルツに関する最新の情報を盛り込んだ年表を収録。
*日本初公開の図版も多数掲載。
《「手」の制作による再現にとって、言語的要素と視覚的要素の区別は
二次的なものであり、現実/虚構の明確な区別も消滅する。目から手へ。
シュルツが手によって示す芸術制作は何かの模倣、再現ではなく、目と
手の分業によらない対象の提示である。》
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ドストエフスキーと小説の問い
番場俊
A5版上製/368頁/5000円+税
978-4-89176-925-3 C 0098
好評発売中
小説、この反時代的なもの。
これまでの研究者たちがほとんど口にしてこなかった問い——
「小説とは何か」を、昨今のブームも視野に入れ、
ドストエフスキー論の新たな機軸を打ち出す注目の書。
文学史上最高の小説が『カラマーゾフの兄弟』だとしたら、
作者であるドストエフスキーは「小説」という形式を
いかにして探求してきたのか……。
フロイトの精神分析、バフチンの多声性の理論を踏まえ、
「手紙」「告白」「メディア」「時間」をテーマに
ドストエフスキー理解の新たな次元を切り開く。
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【目次】
序章
Ⅰ 手紙
第1章 手紙の暴力
第2章 文学と手紙、感応の遊戯
第3章 盗まれた手紙
Ⅱ 告白
第4章 「告白小説」のプラン
第5章 告白の現実的条件
Ⅲ メディア
第6章 『罪と罰』と同時代ジャーナリズム
第7章 メディア・リテラシーの練習問題
第8章 文学の生まれるところ
Ⅳ 『カラマーゾフの兄弟』
第9章 ゼロ年代のドストエフスキー
第10章 小説の問いから『カラマーゾフの兄弟』へ
第11章 ジャンルの闘争
第12章 『カラマーゾフの兄弟』から小説の問いへ
終章 小説の時間
註/あとがき