1月の新刊:中平卓馬論——来たるべき写真の極限を求めて
2020年 12月 31日
中平卓馬論
来たるべき写真の極限を求めて
江澤健一郎(著)
判型:A5判変型上製
頁数:213頁
定価:3000円+税
ISBN:978-4-8010-0540-2 C0070
造本:宗利淳一
1月7日頃発売!
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写真をめぐる、記憶の断裂と連続
1960年代から写真家、そして批評家として注目を集める存在となった中平卓馬(1938-2015)。初期から晩年までの撮影行為と執筆活動の軌跡をたどり、《記憶》を鍵に写真が存在する地平そのものの条件をラディカルに思考する、出色の写真論。
《撮影行為とは、写真家にとっては不測の、望外な現実との出会いであり、自分があらかじめ抱いていた意図、既存の価値観はそのとき払拭されなければならない。そのように中平は、一人称的な不動の視点が、写真において崩壊することを要請する。ならば写真家は、記憶喪失者のように自己を忘却しながら撮影を行うのだ。そうして自意識を解体して非我となり、他者となること、中平はそれを要請していた。(……)ここで問われているのは、記憶喪失「である」ではなく、記憶喪失に「なる」生成変化である。そして実際に中平は、その後、事故が原因で癒やされぬ記憶喪失者になった。しかし、そうして記憶を失った彼もまた、やはり撮影をしながら、さらに記憶喪失に「なる」ことを繰り返していたのではないか。われわれは、これから中平の撮影行為と執筆活動を初期から最晩年までたどりながら、その軌跡における断裂と連続性を検討していきたい。》(「序」より)
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