10月2024のアーカイヴ

11月の新刊:ピランデッロ戯曲集III

2024年 10月 31日

ピランデッロ戯曲集3_書影ピランデッロ戯曲集III
どうしてそうなったのか分からない/山の巨人たち
斎藤泰弘(編訳)

判型:A5判上製
頁数:294頁
定価:4000円+税
ISBN:978-4-8010-0830-4 C0374
装幀:宗利淳一
11月中旬発売!

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《わしは見つけなければならん、自分を断罪する判決を見つけなければ!》
世界大戦の破壊と殺戮の中で現代演劇を切り開いた、20世紀最大のイタリアの劇作家の戯曲集。
無意識に犯した罪におののき、自罰の欲求から破滅の道へと進む心理劇『どうしてそうなったのか分からない』、落ちぶれた劇団《伯爵夫人一座》の受難を描き、ファシスト政権の芸術蔑視を風刺する未完の遺作『山の巨人たち』を収録。

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11月の新刊:女三代の「遺言」——あるファミリーにつらなる物語

2024年 10月 31日

女三代の遺言_書影女三代の「遺言」
あるファミリーにつらなる物語
武田尚子(著)

判型:四六判上製
頁数:224頁
定価:2000円+税
ISBN:978-4-8010-0825-0 C0021
装幀:齋藤久美子
11月上旬発売!

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女性たちが支える一族の歴史を描くドキュメンタリー・エッセイ
若狭武田氏の末裔として、熊本は茶道肥後古流の家元の家に生まれた祖母と母。強固な家制度の時代から、明治、大正、昭和、平成へ……時代を超えて、女たちはいかに生きたのか。自らのルーツを確かめるべく、東京から熊本、北海道へ――名もなき女性たちの生涯と、彼女たちが支える一族の歴史を描き出すドキュメンタリー・エッセイ。

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イベントのお知らせ:連続講演会「シュルレアリスム、100年後に」第四回「詩的言語の彼岸」

2024年 10月 25日

 11月16日(土)に連続講演会「シュルレアリスム、100年後に」第四回「詩的言語の彼岸」が開催されます。
 クレオール文学研究の第一人者・星埜守之氏による待望のエメ・セゼール論はセゼールをめぐるクレオール陣営とシュルレアリストの論争を再検証し、その現代的意義を明らかにします。続いて合田陽祐氏は、プラトンに始まる古代からの言語論争に終止符を打った(?)伝説のシュルレアリスト、ジャン=ピエール・デュプレーの超難解詩を読解。戦後フランス詩の極北にして言語の臨界点に挑みます。奮ってご参加ください。

連続講演会「シュルレアリスム、100年後に」第四回
「詩的言語の彼岸」


星埜守之(東京大学名誉教授)
「30年後に」――アニー・ル・ブラン『エメ・セゼールのために』を巡って
合田陽祐(山形大学准教授)
ジャン=ピエール・デュプレーの反(アンチ)クラテュロス主義、あるいは名前の不自然さについて


日時:2024年11月16日(土)14時00分~17時30分
会場:早稲田大学戸山キャンパス36号館5階582教室
参加方法:会場参加(入場無料・予約等不要)
登壇者:星埜守之(東京大学名誉教授)、合田陽祐(山形大学准教授)
主催:早稲田大学文学研究科フランス語フランス文学コース

シュルレアリスム講演第4回チラシ

お問合せ先:salut@list.waseda.jp(早稲田大学文学部フランス語フランス文学コース)
http://flas.waseda.jp/french/actualites/2024/10/15/3746

 

11月の新刊:私はなぜ自分の本を一冊も書かなかったのか《批評の小径》

2024年 10月 25日

ベナブー書影私はなぜ自分の本を一冊も書かなかったのか
《批評の小径》
マルセル・ベナブー(著)
塩塚秀一郎(訳)

判型:A5判上製
頁数:200頁
定価:2500円+税
ISBN:978-4-8010-0783-3 C0098
装幀:宗利淳一
11月下旬発売!

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書くことを妨げるのは何か
ペレック、カルヴィーノと並ぶ、実験文学集団「ウリポ」の旗手が放つ問題作。エッセー、思索、批評、言い訳、剽窃――そのすべてを織り交ぜながら、〈私〉の作品を書くことを繰り延べつづける。「書くことの困難」をめぐる真面目さと滑稽さ。

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11月の新刊:ブリュヌチエール——ある反ドレフュス派知識人の肖像《言語の政治》

2024年 10月 25日

ブリュヌチエール_書影ブリュヌチエール
ある反ドレフュス派知識人の肖像
《言語の政治》
アントワーヌ・コンパニョン(著)
今井勉(訳)

判型:A5判上製
頁数:400頁
定価:6000円+税
ISBN:978-4-8010-0827-4 C0098
装幀:中山銀士(協力=金子暁仁)
11月下旬発売!

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現代フランスの政治と文学の起源へ
1900年頃、ドレフュス事件による激震のさなかにあった世紀転換期フランス。
文学理論の泰斗は、忘れ去られた保守派の批評家ブリュヌチエールを歴史の舞台に上げる。
ある知識人の著作や書簡をプリズムとして、危機の時代における文芸・宗教・政治の交錯を活写するミクロ・ヒストリー。

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11月の新刊:温泉文学史序説——夏目漱石、川端康成、宮沢賢治、モーパッサン《水声文庫》

2024年 10月 24日

温泉文学史序説_書影温泉文学史序説
夏目漱石、川端康成、宮沢賢治、モーパッサン
《水声文庫》
岡村民夫(著)

判型:四六判上製
頁数:290頁
定価:2800円+税
ISBN:978-4-8010-0829-8 C0095
装幀:宗利淳一
11月上旬発売!

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湯けむり文学めぐり
近代文学と温泉の歴史の出会いから生まれた奇跡の子・温泉文学。文豪のペンから湧き出る温泉は作品を潤してやまない。〈本格温泉小説〉の開祖・夏目漱石をはじめ、川端康成、宮沢賢治らの文学を渉猟、フランスのモーパッサンを遊覧し、文学史の新たな源泉を掘り当てる! Read the rest of this entry »

 

10月の新刊:墓の此方からの回想――芳水昭和年代記

2024年 10月 7日

墓の此方からの回想_書影墓の此方からの回想
芳水昭和年代記
沖田吉穗(著)

判型:四六判上製
頁数:205頁
定価:2500円+税
ISBN:978-4-8010-0823-6 C0093
装幀:齋藤久美子
10月下旬発売!

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百年の解読
四国のハイデルベルクからシャトーブリアンの「死活」を考える、フランス文学者の仮構のふるさと探求。
戦後のオートバイ屋は、飛行機乗りの成れの果て? ラバウル小唄からトンコ節へ、大衆歌謡とエンジン音が響く、昭和百年の家族史、産業叙事詩!
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10月の新刊:超越への回路——戦間期日本における科学と文芸

2024年 10月 7日

超越への回路_書影超越への回路
戦間期日本における科学と文芸
加藤夢三(著)

判型:四六判上製
頁数:313頁
定価:3200円+税
ISBN:978-4-8010-0828-1 C0095
装幀:宗利淳一
10月中旬発売!

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科学の君臨、文学の葛藤
戦間期の時代思潮が熱狂した科学/技術は、いかなるロジックを文学に与えたのか。相対性理論がこだまする新感覚派の世界認識、衛生理念に拘泥した中河與一、科学と論理の錯綜に突き当たる探偵小説、発明の政治学と結託する海野十三、科学ジャーナリズムに警鐘を鳴らす戸坂潤、そして「日本科学」と横光利一――知識人たちが科学/技術と切り結んだ言説編成を解きほぐし、合理的な思索が非合理な観念へと転化する理路を導出する。

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10月の新刊:調査的感性術——真実の政治における紛争とコモンズ

2024年 10月 3日

調査的感性術_書影調査的感性術
真実の政治における紛争とコモンズ
マシュー・フラー+エヤル・ヴァイツマン(著)
中井悠(訳)

判型:四六判上製
頁数:281頁
定価:3000円+税
ISBN:978-4-8010-0765-9 C0036
装幀:宗利淳一
10月上旬発売!

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《エステティクス》の拡張へ
壁に残る爆弾の破片、葉叢に残る戦車の跡、iPhoneで撮影された無数の動画、衛星写真……あらゆる存在物の《感性術》を経由しながら、事件の真実と暴力を隠蔽する政治を調査せよ! Read the rest of this entry »

 

イベントのお知らせ:スペイン語創作活動の最先端から見る多言語世界――英語ヘゲモニーとの共存共栄に向けて

2024年 10月 1日

来る10月21日、22日、24日、国際シンポジウム「スペイン語創作活動の最先端から見る多言語世界――英語ヘゲモニーとの共存共栄に向けて」が開催されます。
このたび、現代ラテンアメリカ文学を代表する三名の作家、フアン・ビジョーロ(『証人』山辺弦訳、2023年)、オラシオ・カステジャーノス・モヤ(『吐き気』浜田和範訳、2020年)、カルロス・フランス(『僕の目で君自身を見ることができたなら』富田広樹訳、2024年、いずれも水声社)が来日し、下記のイベントに登壇されます。同イベントには、寺尾隆吉先生をはじめ、『吐き気』訳者の浜田和範先生、『僕の目で君自身を見ることができたなら』訳者の富田広樹先生も登壇されます。
ぜひ、この機会にご参加ください。

日時:2024年10月21日(月)18:00~20:30
内容:講演会「現代スペイン語文学の最先端から――3作家の体験」
会場:早稲田大学 国際会議場井深大記念ホール(新宿区西早稲田1-20-14)

参加方法:会場参加(入場無料・予約等不要)
登壇者:フアン・ビジョーロ、オラシオ・カステジャーノス・モヤ、カルロス・フランス
司会:グレゴリー・サンブラーノ(東京大学)
通訳:ダニエル・オロスコ
問い合わせ先:早稲田大学社会科学総合学術院 寺尾隆吉研究室

日時:2024年10月22日(火)18:00~20:30
内容:円卓会議「スペイン語から世界文学へ――翻訳の役割と重要性」
会場:早稲田大学 国際会議場井深大記念ホール(新宿区西早稲田1-20-14)

参加方法:会場参加(入場無料・予約等不要)
登壇者:フアン・ビジョーロ、オラシオ・カステジャーノス・モヤ、カルロス・フランス、寺尾隆吉(早稲田大学)、浜田和範(慶應義塾大学)、富田広樹(北九州市立大学)
通訳:ダニエル・オロスコ
問い合わせ先:早稲田大学社会科学総合学術院 寺尾隆吉研究室

イベント_ラテンアメリカ_チラシ画像

参加方法など、詳細については早稲田大学社会科学部のサイトをご覧ください。(←クリック)

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日時:2024年10月24日(木)18:00~20:00
内容:特別記念イベント「ホセ・ドノソを讃えて――『ラテンアメリカ文学のブーム』と文学に憑かれた作家の素顔」
会場:インスティトゥト・セルバンテス東京 オーディトリアム(千代田区六番町2-9)

参加方法:会場参加(要予約・入場無料)
登壇者:フアン・ビジョーロ、オラシオ・カステジャーノス・モヤ、カルロス・フランス
司会:寺尾隆吉(早稲田大学)
通訳:ダニエル・オロスコ
参加方法など、詳細についてはインスティトゥト・セルバンテス東京のサイトをご覧ください。(←クリック)

【講演者について】
フアン・ビジョーロ(Juan Villoro)
1956年、高名な哲学者ルイス・ビジョーロの子としてメキシコシティに生まれる。旧東ドイツのメキシコ大使館勤務、ラジオ番組の製作やジャーナリストを経て、本作『証人』(2004年)によってエラルデ賞を受賞。歴史・社会の諸問題やポップカルチャーにまで精通する博識さで、小説や戯曲だけでなく、時事評論や文化論、児童文学まで手がけるメキシコの代表的作家。その他の代表作には、『アルゴン照射』(1991年)、『岩礁』(2012年)などがある。
オラシオ・カステジャーノス・モヤ/(Horacio Castellanos Moya)
1957年、ホンジュラスのテグシガルパに生まれる。父はエルサルバドル人、母はホンジュラス人。1979年、内戦前夜のエルサルバドルを離れトロントに亡命。以後中米諸国を転々とするも最終的にメキシコに落ち着き、ジャーナリストとして働きながら最初の長篇『ディアスポラ』(1988年)を発表。1991年、内戦終結直前のエルサルバドルに帰還し、やはりジャーナリズムと創作に従事するが、『吐き気――サンサルバドルのトーマス・ベルンハルト』(1997年)により死の脅迫を受け亡命を余儀なくされる。ラテンアメリカやヨーロッパ諸国を転々としたのちフランクフルト、ピッツバーグ、東京での滞在を経て、現在、アイオワ大学教授。本書の他の代表作として、『蛇とのダンス』(1996年)、『無分別』(2004年)、『崩壊』(2006年)、『荒ぶる記憶』(2008年)、『モロンガ』(2018年)などがある。
カルロス・フランス(Carlos Franz)
1959年、外交官であった父の赴任地ジュネーヴで生まれる。チリ大学にて法学を修めたのち弁護士資格を得るが、創作に打ち込むために作家業に専念する。処女作『サンティアゴ・セロ』(1988年、CICLA ラテンアメリカ賞)以降、発表する作品はいずれも高い評価を得ている。複数の大学で教壇に立ついっぽうで、2006年から5年間にわたって在スペイン・チリ大使館の文化担当官を務めた。代表作である本作は、第2回マリオ・バルガス・ジョサ文学賞を受賞した。ほかの作品には、『かつて楽園のあった場所』(1996年)、『砂漠』(2005年)、『吸血鬼の昼食』(2007年)などがある。
寺尾隆吉(てらおりゅうきち)
1971年、愛知県に生まれる。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了(学術博士)。現在、早稲田大学社会科学総合学術院教授。専攻、現代ラテンアメリカ文学。主な著書には、『魔術的リアリズム』(水声社、2012年)、『ラテンアメリカ文学入門』(中公新書、2016年)、主な訳書には、バルガス・ジョサ『水を得た魚――マリオ・バルガス・ジョサ自伝』(水声社、2016年)、パドゥーラ『犬を愛した男』(水声社、2019年)、デル・パソ『帝国の動向』(水声社、2021年)、バルガス・ジョサ『街と犬たち』(光文社古典新訳文庫、2022年)、バルガス・ジョサ『ガルシア・マルケス論――神殺しの物語』(水声社、2022年)などがある。
浜田和範(はまだかずのり)
1980年、東京都に生まれる。東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程単位取得満期退学。現在、慶應義塾大学専任講師。専攻は現代ラテンアメリカ文学。主な著書には、『抵抗と亡命のスペイン語作家たち』(共著、洛北出版、2013年)、主な訳書には、フェリスベルト・エルナンデス『案内係』(水声社、2019年)、オラシオ・カステジャーノス・モヤ『吐き気』(水声社、2020年)がある。
富田広樹(とみたひろき)
1978年、北海道生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。現在、北九州市立大学文学部教授。専攻、18世紀スペイン文学。おもな著書に、『エフィメラル――スペイン新古典悲劇の研究』(論創社、2020年)、おもな訳書に、ミゲル・デ・ウナムーノ『アベル・サンチェス』(幻戯書房、2019年)、エレナ・ポニアトウスカ『レオノーラ』(水声社、2020年)、『スペイン新古典悲劇選』(論創社、2022年)などがある。

【関連書】
証人/フアン・ビジョーロ/4000円+税
吐き気/オラシオ・カステジャーノス・モヤ/2200円+税
僕の目で君自身を見ることができたなら/カルロス・フランス/4500円+税