12月の新刊:ラサリーリョ・デ・トルメスの人生
2018年 12月 13日 コメントは受け付けていません。
ラサリーリョ・デ・トルメスの人生
著者不明
岡村一(訳)
判型:四六判上製
頁数:184頁
定価:2500円+税
ISBN:978-4-8010-0372-9 C0097
装幀:西山孝司
12月下旬発売!
〈ピカレスク・ロマン〉の原点にして頂点
手練手管に長けた盲人、無慈悲な吝嗇漢の司祭、自尊心の強い一文無しの郷士……さまざまな主人のもとを渡り歩きながら下層社会をしたたかに生き抜いてきた若者が、みずからの波乱に満ちた半生を物語る。著者不明にもかかわらず近世ヨーロッパで大流行した、16世紀スペインの生活の現実が息づく書簡体小説。
《ですから正直凡人で聖人君子なんかでないあたしも、やっぱり悪い気はしないでございましょう、お粗末な文章で綴ったこんなつまらない話を少しでも面白いと思う人々がいて、その人々がみんなその世界にはいり込んで楽しんでくださるとすれば。そして、これでもかとばかり襲ってきた艱難辛苦、命の危険を切り抜けて生きているひとりの男がいることを知っていただけるならば。》(本文より)
【目次】
ラサリーリョ・デ・トルメスの人生
解説 岡村一
【訳者について】
岡村一(おかむらはじめ)
1953年、長崎県佐世保市に生まれる。上智大学外国語学部イスパニア語学科卒業、同大学大学院外国語研究科言語学専攻博士前期課程修了。現在、熊本学園大学外国語学部教授。主な訳書に、『ドン・キホーテ[前・後篇]』(水声社、2018年)、『セレスティーナ──欲望の悲喜劇』(中川書店、1990年)、『わがシッドの歌』(近代文藝社、1996年)、主な著書に、『詳解スペイン語(第三版)』(上智大学出版会、2003年)などがある。
【関連書籍】
《セルバンテス全集》
フォルトゥナータとハシンタ(上・下巻) ベニート・ペレス・ガルドス/浅沼澄訳/各2800円