12月の新刊:ロシア・アヴァンギャルドの宇宙論的音楽論――言語・美術・音楽をつらぬく四次元思想

2018年 12月 14日 コメントは受け付けていません。

ロシア・アヴァンギャルドの宇宙論的音楽論ロシア・アヴァンギャルドの宇宙論的音楽論
言語・美術・音楽をつらぬく四次元思想
高橋健一郎(著)

判型:A5判上製
頁数:224頁
定価:3000円+税
ISBN:978-4-8010-0374-3 C0073
装幀:宗利淳一
12月25日発売!


手法分析的研究の限界を打ち破る〈四次元的〉音楽論
〈旧世界の偶像〉破壊の後に、新たなる有機的万物照応の世界を指向するロシア・アヴァンギャルド特有の〈宇宙論的〉哲学は、音楽においても確かに息づいている。
前衛音楽家たちが著した音楽論をひもとき、哲学、絵画、詩との関わりを分野横断的に論じることで、純粋な音楽学的側面からは研究しつくされたとも言われる〈ロシア・アヴァンギャルド音楽〉の新地平を切り開く。

目次
序章
1.はじめに
2.本書の構成
3.宇宙論的音楽論の思想的背景
4.宇宙的音楽論

第一章 ロシア・アヴァンギャルド音楽のマニフェスト
    ――ニコライ・クリビンの「自由音楽」論
1.はじめに
2.クリビンの生涯
3.クリビンの自由芸術論
4.自由芸術論とアヴァンギャルド芸術の基本原理との照応
5.クリビンの「自由音楽」の基本概念
6.自由音楽の音楽学的側面
7.さいごに

第二章 未来派オペラ《太陽の征服》の音楽
    ――ミハイル・マチューシンの有機的音楽論
1.はじめに
2.マチューシンの生涯と基本思想
3.《太陽の征服》の制作と上演
4.《太陽の征服》の意味
5.《太陽の征服》におけるマチューシンの音楽
6.さいごに

第三章〈和歌歌曲〉における遠近法
   ――アルトゥール・ルリエーの宇宙論的音楽論
1.はじめに
2.ストラヴィンスキーとジャポニスム
3.ルリエーとジャポニスム
4.音楽における遠近法と次元
5.ストラヴィンスキー《三つの日本の抒情詩》における〈二次元化〉の詩学
6.ルリエー《日本組曲》の詩学
7.さいごに

終章

主要参照文献

あとがき

著者について
高橋健一郎(たかはしけんいちろう)
1972年、札幌市に生まれる。東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻博士課程修了。博士(学術)。専門はロシアの言語と音楽。現在、札幌大学地域共創学群教授。主な著訳書に、フロレンスキイ『逆遠近法の詩学――芸術・言語論集』(共訳、水声社、1998年)、『アレンスキー 忘れられた天才作曲家』(東洋書店、2011年)などがある。

関連書
ロシア・アヴァンギャルドの世紀
 ――構成×事実×記録 江村公/4000円+税
危機の時代のポリフォニー
 ――ベンヤミン,バフチン,メイエルホリド 桑野隆/3000円+税
ボリシェヴィズムと〈新しい人間〉
 ――20世紀ロシアの宇宙進化論 佐藤正則/3500円+税
フョードロフ伝  S・セミョーノヴァ/安岡治子・亀山郁夫訳/4000円+税
《叢書・20世紀ロシア文化史再考》
逆遠近法の詩学
 ――芸術・言語論集 フロレンスキイ/桑野隆・西中村浩・高橋健一郎訳/4000円+税
零の形態
 ――スプレマチズム芸術論集 マレーヴィチ/宇佐見多佳子訳/4000円+税
ノースフェーラ
 ――惑星現象としての科学的思考 ヴェルナツキイ/梶雅範訳/4500円+税

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