2月の新刊:引用の文学史――フランス中世から二〇世紀文学におけるリライトの歴史

2019年 2月 4日 コメントは受け付けていません。

引用 書影引用の文学史
フランス中世から二〇世紀文学におけるリライトの歴史
篠田勝英・海老根龍介・辻川慶子(編)

判型:A5判上製
頁数:376頁
定価:5000円+税
ISBN:978-4-8010-0394-1 C0098
装幀:西山孝司
2月下旬頃発売!

偏在する「引用=書き直し」とは何か?
〈オリジナル〉の概念が希薄だった中世にはじまり、テクスト相互の緊張関係が高まりをみせる20世紀まで、フランス文学の豊富な事例を読み解くことで、「引用=書き直し」がもつ多様な広がりに焦点を当てるアクチュアルな研究成果。

目次

序文

オリジナルのない時代  篠田勝英
ルネサンス期のリライトに関する一考察  伊藤玄吾
リライト、モリエールの『守銭奴』をめぐって  秋山伸子
ルソーの『エフライムのレヴィ人』再考  越 森彦


歴史記述における史料の引用  嶋中博章
処女ジャンヌの剣  北原ルミ
「生ける伝説」としてのジャンヌ・ダルク  坂本さやか


言葉と記憶  辻川慶子
リライトと寓意の多層性  海老根龍介
〈言葉の受肉〉としての引用  彦江智弘
パオロ・ウッチェッロをめぐる変奏  千葉文夫


『失われた時を求めて』は『サント=ブーヴに反論する』の小説版なのか  池田 潤
ペルソナとしてのギリシア神話  村中由美子
モーリアックとサガン  福田耕介
鏡の書法、あるいはヌーヴォー・ロマン的リライトの機制  三ツ堀広一郎

[補論]リライトとパロディ  ダニエル・サンシュ

編者について
篠田勝英(しのだかつひで)
1948年生まれ。白百合女子大学教授(中世フランス文学)。著書に、『フランス中世文学を学ぶ人のために』(共著、世界思想社、2007年)、訳書に、『薔薇物語』(ちくま文庫、2007年)、M・パストゥロー『ヨーロッパ中世象徴史』(白水社、2008年)などがある。

海老根龍介(えびねりゅうすけ)
1970年生まれ。白百合女子大学教授(19世紀フランス文学)。著書に、Baudelaire et les formes poétiques(Presses universitaires de Rennes, 2008)、『芸術におけるリライト』(共編、弘学社、二〇一六年)、『長編小説の扉』(共著、弘学社、2018年)などがある。

辻川慶子(つじかわけいこ)
1973年生まれ。白百合女子大学准教授(19世紀フランス文学)。著書に、Nerval et les limbes de l’histoire. Lecture des Illuminés(Droz, 2008)、訳書に、P・ベニシュー『作家の聖別――フランス・ロマン主義1』(共訳、水声社、2015年)などがある。

関連書
『人形の文化史――ヨーロッパの諸相から』/香川檀編/3000円+税
『〈生表象〉の近代――自伝・フィクション・学知』/森本淳生編/7500円+税
『越境する文学』/土屋勝彦編/4500円+税

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