6月の新刊:案内係《フィクションのエル・ドラード》

2019年 6月 13日 コメントは受け付けていません。

案内係 書影案内係
《フィクションのエル・ドラード》
フェリスベルト・エルナンデス(著)
浜田和範(訳)

判型:四六判上製
頁数:312頁
定価:2800円+税
ISBN:978-4-8010-0270-8 C0397
装幀:宗利淳一
6月下旬頃発売!

1950年にフェリスベルト・エルナンデスの物語を読んでいなかったら、私は今日のような作家にはなっていないだろう。
ガブリエル・ガルシア・マルケス

誰とも似ていない作家
思いがけず暗闇で目が光る能力を手にした語り手が、密かな愉しみに興じる表題作「案内係」をはじめ、「嘘泣き」することで驚異的な売上を叩き出す営業マンを描く「ワニ」、水を張った豪邸でひとり孤独に水と会話する夫人を幻想的な筆致で描く“忘れがたい短篇”(コルタサル)「水に沈む家」、シュペルヴィエルに絶賛された自伝的作品「クレメンテ・コリングのころ」など、ガルシア・マルケスはじめ〈ブーム〉の作家たちに多大な影響を与えたウルグアイの奇才による日本版オリジナル傑作短篇集。

目次
I
わが短篇に関する偽の解説
誰もランプをつけていなかった
案内係
フリア以外
初めての演奏会
緑のハート
家具の店〈カナリア〉
ワニ
ルクレツィア
水に沈む家


クレメンテ・コリングのころ


ギャングの哲学
フアン・メンデス
 または考えの雑貨屋
 またはわずかな日々の記

訳者あとがき

著者について
フェリスベルト・エルナンデス(Felisberto Hernández)
1902年、ウルグアイのモンテビデオ生まれ。若い頃からピアニストとして生計を立てるかたわら創作に励み、処女作『某』(1925年)を発表する。『クレメンテ・コリングのころ』(一九四二年)がジュール・シュペルヴィエルに激賞され、渡仏の機会を得る。同時期に発表された短篇集『誰もランプをつけていなかった』(1947年)が密かに作家たちの絶大な支持を獲得するも、生前は栄光に浴することなく、1964年にモンテビデオで没する。他の代表作に、『はぐれ馬』(1943年)、『水に沈む家』(1960年)などがある。

訳者について
浜田和範(はまだかずのり)
1980年、東京都生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程単位取得満期退学。現在、慶應義塾大学ほか非常勤講師。専攻、現代ラテンアメリカ文学。主な著書には、『抵抗と亡命のスペイン語作家たち』(共著、洛北出版、2013年)、主な論文には、‘Como matar a toda una familia de inocentes’: imágenes de familia en las últimas obras de Felisberto Hernández(Revista Landa, vol. 3, N° 2, 2015)などがある。

フィクションのエル・ドラード
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