9月の新刊:コルティジャーナ――宮廷生活《イタリアルネサンス文学・哲学コレクション》
2019年 9月 13日 コメントは受け付けていません。
コルティジャーナ
宮廷生活
《イタリアルネサンス文学・哲学コレクション④》
ピエトロ・アレティーノ(著)
栗原俊秀(訳)
判型:A5判上製
頁数:224頁
定価:3000円+税
ISBN:978-4-8010-0404-7 C0397
装幀:西山孝司
9月下旬発売!
欲望渦巻く都市ローマを嗤う傑作喜劇
宮仕えを夢見て田舎から上京してきた若者と、人妻に密かに思いを寄せる宮廷人に、ローマに蠢くペテン師たちが手の込んだ悪ふざけを企んで……諷刺の鋭さで名だたる王侯が恐れた雑文家(ポリグラフォ)アレティーノが、洗練された宮廷生活の幻想を猥雑なパロディによって貶め、人々の虚栄と虚無を笑いに包んで描き出す、五幕の喜劇。
早い話、宮廷人になるというのは、妬み屋、野心家、けち、恩知らず、おべっか使い、毒舌家、卑怯者、異端者、偽善者、盗人、大喰らい、無礼者、嘘つきになるのと同じことです。宮廷で見かけるもっともささやかな悪徳が裏切りであるとしたら、もっともささやかな罪もまた裏切りだと言えるでしょう。〔……〕やつらがくすねていくなかで、いちばん些細な盗品といえば、あなたが従者として宮廷に捧げた十年、二十年という歳月です。(本文より)
【目次】
コルティジャーナ
前口上とあらすじ
第一幕
第二幕
第三幕
第四幕
第五幕
付録:前口上[1534年版]
訳注
訳者解説
【著者について】
ピエトロ・アレティーノ(Pietro Aretino)
1492年、アレッツォに生まれる。1556年没。諷刺詩、騎士物語、劇作品、書簡集等を物したポリグラフォ(雑文家)。青年期をペルージャで過ごした後、1510年代の末にローマへ赴く。レオ十世、クレメンス七世統治下の宮廷で頭角を現すものの、教皇の腹心との不和が原因でローマを出奔。ヴェネツィア共和国を終の棲家とし、旺盛な執筆活動を展開する。主な著作に、本書のほか、『書簡集』(1538-56)、『ラジョナメンティ』(1534-36)など。
【訳者について】
栗原俊秀(くりはらとしひで)
1983年、東京都武蔵野市に生まれる。翻訳家。京都大学大学院人間・環境学研究科修士課程修了。カラブリア大学文学部専門課程近代文献学コース卒業。主な訳書に、カルミネ・アバーテ『偉大なる時のモザイク』(未知谷、2016)、ジョン・ファンテ『満ちみてる生』(未知谷、2016)、フェデリーコ・マリア・サルデッリ『失われた手稿譜――ヴィヴァルディをめぐる物語』(共訳、東京創元社、2018)、などがある。
【イタリアルネサンス文学・哲学コレクション】
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