12月の新刊:気まぐれニンフ《フィクションのエル・ドラード》

2019年 12月 6日 コメントは受け付けていません。

気まぐれニンフ_書影気まぐれニンフ
《フィクションのエル・ドラード》
ギジェルモ・カブレラ・インファンテ(著)
山辺弦(訳)

判型:四六判上製
頁数:353頁
定価:3000円+税
ISBN:978-4-8010-0271-5 C0397
装幀:宗利淳一
12月下旬頃発売!

ユーモア、言葉遊び、映画、そしておそらくは一度も存在しなかった街への絶え間ないノスタルジーこそ、この作家の本質である。マリオ・バルガス・ジョサ

言葉と記憶の迷路
《もう40年以上も前のことなのに、いまだに彼女の姿をまさにいま見ているかのように思い出せる。その時以来、わたしはただの一日も彼女を思い出さない日はなかった。》
魅力あふれる16歳の少女エステラとの運命的な出会いから愛の逃避行におよぶ主人公。ハバナの街を巡るひと夏のアヴァンチュールの終着点とは? 永遠なる《ニンフ》との思い出を言葉遊びに溢れた軽妙洒脱な会話で描き出す、言葉の曲芸師カブレラ・インファンテの快作。

著者について
ギジェルモ・カブレラ・インファンテ(Guillermo Cabrera Infante)
1924年、キューバ東部オリエンテ州生まれ。1954年から雑誌『貼り紙』に映画批評を寄稿していたが、独裁者打倒を目指すキューバ革命に共感し、反政府運動に加わる。1961年、弟の制作した映画『P.M.』の上映禁止を機に、革命政府との軋轢を強め、作家として苦境に立たされる。1965年、国外亡命を決意しロンドンに居を定める。『TTT』(1967年)や、『亡き王子のためのハバーナ』(1979年)など、
言葉遊びと引用に満ちた遊戯的な作品により、「ラテンアメリカ文学のブーム」を代表する作家となる。そのほか、映画評論や映画シナリオを執筆するなど、活動は多岐にわたる。1997年、セルバンテス賞を受賞。2005年、ロンドンにて没する。

訳者について
山辺弦(やまべげん)
1980年、長崎県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了(学術博士)。現在、東京経済大学准教授。専攻、キューバを中心とする現代ラテンアメリカ文学。主な著書には、『抵抗と亡命のスペイン語作家たち』(共著、洛北出版、2013年)、主な訳書には、レイナルド・アレナス『襲撃』(水声社、2016年)、ビルヒリオ・ピニェーラ『圧力とダイヤモンド』(水声社、2017年)、デイヴィッド・ダムロッシュ『世界文学とは何か?』(共訳、国書刊行会、2011年)、などがある。

関連書
フィクションのエル・ドラード

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