1月の新刊:バルザック詳説――『人間喜劇』解読のすすめ《水声文庫》

2020年 1月 9日 コメントは受け付けていません。

書影_バルザック詳説バルザック詳説
『人間喜劇』解読のすすめ
《水声文庫》
柏木隆雄(著)

判型:四六判上製
頁数:452頁
定価:4000円+税
ISBN:978-4-8010-0457-3 C0098
装幀:宗利淳一
1月25日頃発売!

これぞ,読みの醍醐味! バルザックの小説がいま鮮やかに読み解かれる。
一言一句,目を凝らすようにして小説世界を追いかけると,ぴたりと符号する文字の並び,登場人物の変化,会話の妙,読者を巻き込む位相,そして他の作品への目配せ――バルザックの『人間喜劇』に張り巡らされた仕掛けが動き出す,冴え渡る読みの手ほどき!

目次
序章 活字に魅せられた男バルザック

第Ⅰ部 見つめる男たち
第1章 黄金の夢の彼方に――『ファチーノ・カーネ』の幻視
第2章 白い肩の向こうを覗けば――『谷間の百合』の意匠
第3章 パリの高みから何を見たか?――ラスティニャックとリュシアン
第4章 街角の視線――『鞠打つ猫の店』の構図
第5章 人を見る人を知る――『ゴリオ爺さん』におけるvoirとsavoir
第6章 死者の目生者の目――『シャベール大佐』における「まなざし」
第7章 教会の一隅に祈る――『無神論者のミサ』の真実
第8章 絵の具の堆積の下に――『知られざる傑作』の変貌
第9章 独り者のコレクション――『いとこポンス』の面白さ
第10章 虹の中の幸福――「トゥールの司祭」とは誰か?

第Ⅱ部 見つめる女たち
第1章 無垢な瞳の魔法――『ユルシュル・ミルゥエ』の幻視
第2章 黄金の火に焼かれて――『ウジェニー・グランデ』における光
第3章 川揉み女の見たもの――『ラ・ラブィユーズ』欲望の構図
第4章 性を見つめる――『いとこベット』の深淵
第5章 ハートのクイーンの失敗――『ソーの舞踏会』の男と女
第6章 寄宿舎の窓から――『二人の若妻の手記』女の変貌
第7章 声とまなざし――『アルベール・サヴァリュス』のヒロイン
第8章 不義にして富み高きは我にあっては浮雲の如し――『禁治産』に見る中国
第9章 クレオール母娘のたくらみと恋――『結婚財産契約』の裏側
第10章 誘惑のディスクール――『県のミューズ』から『ボヴァリー夫人』へ

オノレ・ド・バルザック年譜
『人間喜劇』カタログ
参考文献/図版一覧/初出一覧

著者について
柏木隆雄(かしわぎたかお)
1944年,三重県に生まれる。大阪大学大学院文学研究科博士課程修了。パリ第7大学博士(文学)。大阪大学名誉教授大手前大学名誉教授。主な著書に,Balzac romancier du regard (Nizet, 2002),『こう読めば面白いフランス流日本文学』(大阪大学出版会,2017),主な訳書に,バルザック『ソーの舞踏会』『暗黒事件』(共にちくま文庫,2015)などがある。

関連書
《バルザック愛の狂気・夢魔小説選集》全5巻

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