2月の新刊:風景の哲学——芸術・環境・共同体
2020年 2月 18日 コメントは受け付けていません。
風景の哲学
芸術・環境・共同体
パオロ・ダンジェロ(著)
鯖江秀樹(訳)
判型:四六判上製
頁数:297頁
定価:3000円+税
ISBN:978-4-8010-0471-9 C0070
装幀:宗利淳一
装画:六根由里香
2月下旬頃発売!
風景のアクチュアルな状況に応じた理論化の試み
あらゆる場所で出くわす〈風景〉という言葉はいったい何を意味しているのだろうか。現代イタリアを代表する美学者が、〈風景〉という概念とそのイメージを根本から捉え直し、映画、美術、法制度まで、環境美学の成果に応答しながら横断的に思考することで、〈風景〉の問題に美学の側からアプローチする。
【目次】
第一章 風景の哲学のために
第二章 地理映画、あるいは風景のために映画に何ができるのか
第三章 イメージ 対 自然
第四章 環境美学の試験台としての風景
第五章 現代環境美学におけるいわゆる科学的認知主義について
第六章 美学とエコロジーの悪しき関係に関する覚書
第七章 イタリア法制度の風景理念――1922年法から「文化財および風景法規」まで
第八章 風景と国家の現在
第九章 農業と風景――耕地から生の自然、生の自然から耕地へ
【著者について】
パオロ・ダンジェロ(Paolo D’Angelo)
1956年、フィレンツェに生まれる。1980年にローマ大学卒業。1988年にボローニャ大学にて博士(哲学)。メッシーナ大学助手、ローマ第3大学助教授を経て、ローマ第3大学教授に着任。現在、イタリア国立大学評議会員を務める。専攻は、美学。近年の著書として本書のほか、『美学史Ⅰ 18世紀からロマン主義まで』(2019年)、『クローチェ問題』(2015年)、『技が技を隠す――アリストテレスからデュシャンまで』(2014年)、『マンゾーニの苛立ち――歴史が詩学を抹消したとき』(2013年)、『自然の美学――自然美、風景、環境芸術』(2001年)などがある。
【訳者について】
鯖江秀樹(さばえひでき)
1977年、姫路市に生まれる。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。博士(人間・環境学)。現在、京都精華大学准教授。専攻は、イタリアを中心とする近代芸術史、表象文化論。著書に、『イタリア・ファシズムの芸術政治』(水声社、2011年)、訳書に、マリオ・ペルニオーラ『無機的なもののセックス・アピール』(共訳、平凡社、2012年)、共著に、『幻の万博――紀元二六〇〇年をめぐる博覧会のポリティクス』(青弓社、2018年)、『21世紀の哲学をひらく――現代思想の最前線への招待』(ミネルヴァ書房、2016年)、『イタリア文化55のキーワード』(ミネルヴァ書房、2015年)などがある。
【関連書】
『イタリア・ファシズムの芸術政治』/鯖江秀樹/4000円+税
*
『ドナルド・ジャッド――風景とミニマリズム』/荒川徹/3000円+税
『象徴主義と〈風景〉――ボードレールからプルーストまで』/坂巻康司・立花史・津森圭一・廣田大地編/5500円+税