2月の新刊:『ドン・キホーテ』に潜む狂気――正気を失ってしまったのは誰か

2020年 2月 20日 コメントは受け付けていません。

ドンキホーテに潜む狂気『ドン・キホーテ』に潜む狂気
正気を失ってしまったのは誰か
田林洋一(著)

判型:四六判上製
頁数:344頁
定価:4000円+税
ISBN:978-4-8010-0470-2 C0098
装幀:宗利淳一
2月下旬発売!

登場人物全員狂人説!?
主人公ドン・キホーテとサンチョ・パンサのみならず脇役まで、漏れなく正気とも狂気とも定かでない登場人物たちの行動の分析、狂気の萌芽となる理想と現実の鋭い対立をはらんだセルバンテスの苦難の生涯の解説、さらには『贋作ドン・キホーテ』や様々な世界文学との比較等を通じ、作品の内外にひしめく狂気を総覧する、狂的『ドン・キホーテ』体験への導きの書。

目次
はじめに 『ドン・キホーテ』と認識論

第1部『ドン・キホーテ』内部の狂気

第1章 主人公ドン・キホーテ
第2章 従者サンチョ・パンサ
第3章 ドン・キホーテ主従以外の人々
第4章 登場人物全員を襲った狂気を考察する

第2部 『ドン・キホーテ』外部の狂気

第5章 『ドン・キホーテ』とセルバンテスの生き様
第6章 『ドン・キホーテ』と当時の没落したスペイン
第7章 『ドン・キホーテ』とルネサンス/反ルネサンス
第8章 『ドン・キホーテ』と騎士道物語及び挿入話の関連
第9章 『ドン・キホーテ』とその他の文学の魔術的相克

おわりに 連鎖する狂気

著者について
田林洋一(たばやしよういち)
1975年、埼玉県大宮市(現さいたま市)に生まれる。上智大学大学院外国語学研究科言語学専攻博士前期課程修了。言語学修士。清泉女子大学大学院人文科学研究科人文学専攻博士後期課程修了。博士(人文学)。現在、東北大学高度教養教育・学生支援機構准教授。主な著書に、『スペイン語の否定語の概念構造に関する研究』(2012年、ひつじ書房)などが、主な論文に、「日本におけるイスパニア文化への意識の変遷――スペイン語初修者のアンケート分析」『東北大学高度教養教育・学生支援機構紀要』第4号(2018年)などがある。

関連書
セルバンテス全集
セルバンテスの批評/本田誠二編/6000円
セルバンテスまたは読みの批判/カルロス・フエンテス/牛島信明訳/2000円
セルバンテスへ向けて/アメリコ・カストロ/本田誠二訳/10000円
セルバンテスの芸術/本田誠二/5000円
《ドン・キホーテ》見参!――狂気を失った者たちへ/桑原聡/2500円
ラサリーリョ・デ・トルメスの人生/岡村一訳/2500円

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