4月の新刊:愛のディスクール——ヴァレリー「恋愛書簡」の詩学

2020年 3月 17日 コメントは受け付けていません。

愛のディスクール 書影愛のディスクール
ヴァレリー「恋愛書簡」の詩学
森本淳生・鳥山定嗣(編)

判型:四六判上製
頁数:288頁
定価:3000円+税
ISBN:978-4-8010-0475-7 C0098
装幀:山崎登
4月上旬頃発売!

▶︎直接のご注文はこちらへ◀︎


女性たちをめぐって紡がれた「恋愛書簡」を読み解く
《知性の詩人》と称されるポール・ヴァレリーの創作活動の陰には,「他者」としての女性たちに身を開き,知性と情動の両面にわたる濃密な関係があったことが近年明らかになった。ロヴィラ夫人,ポッジ,ヴォーチエ,ヴォワリエら,女性たちをめぐって紡がれた「恋愛書簡」を詳細に読み解きながら,知性の裏箔としてある《エロスの詩人》の側面を鮮やかに描き出す。

目次
序――ヴァレリー「恋愛書簡」を読むために
森本淳生

ヴァレリーと女性たち
鳥山定嗣

抽斗にしまった手紙――ロヴィラ夫人問題を考える
今井 勉

カリンとポールの物語―― Ave atque Valeをめぐって
松田浩則

恋文を書くナルシス――「愛(アムール)」の女性単数形をめぐって
鳥山定嗣

ヴァレリーと犯罪――カトリーヌ・ポッジと「奇妙な眼差し」の形成について
塚本昌則

愛のエクリチュールと「不可能な文学」――マラルメ,恋愛書簡,〈私〉の回想録
森本淳生

後記

編者/執筆者について
森本淳生(もりもと・あつお)
1970年生まれ。京都大学人文科学研究所准教授。著書に,Paul Valéry. L’Imaginaire et la Genèse du sujet. De la psychologie à la poïétique(Minard Lettres Modernes, 2009),編著に,『〈生表象〉の近代――自伝,フィクション,学知』(水声社,2015年),訳書に,ウィリアム・マルクス『オイディプスの墓――悲劇的ならざる悲劇のために』(水声社,2019年)など。
鳥山定嗣(とりやま・ていじ)
1981年生まれ。名古屋大学大学院准教授。著書に,『ヴァレリーの『旧詩帖』――初期詩篇の改変から詩的自伝へ』(水声社,2018年),共著に,『ヴァレリーにおける詩と芸術』(水声社,2018年)など。

今井勉(いまい・つとむ)
1962年生まれ。東北大学大学院教授。訳書に,ヴァレリー『レオナルド・ダ・ヴィンチ論 全三篇』(共訳,平凡社,2013年),『ヴァレリー集成V 〈芸術〉の肖像』(共編訳,筑摩書房,2012年),アントワーヌ・コンパニョン『第二の手,または引用の作業』(水声社,2010年)など。
松田浩則(まつだ・ひろのり)
1955年生まれ。神戸大学大学院教授。著書に,『ポール・ヴァレリー『アガート』――訳・注解・論考』(共著,筑摩書房,1994年),訳書に,ドニ・ベルトレ『ポール・ヴァレリー』(法政大学出版局,2008年),ジッド/ルイス/ヴァレリー『三声書簡 1888-1890』(共訳,水声社,2016年)など。
塚本昌則(つかもと・まさのり)
1959年生まれ。東京大学大学院教授。著書に,『目覚めたまま見る夢――二〇世紀フランス文学序説』(岩波書店,2019年),編著に,『ヴァレリーにおける詩と芸術』(共編,水声社,2018年),訳書に,ウィリアム・マルクス『文学との訣別――近代文学はいかにして死んだのか』(水声社,2019年)など。

関連書
ジッド+ルイス+ヴァレリー『三声書簡 1888-1890』/松田浩則・山田広昭・塚本昌則・森本淳生(訳)/8000円+税

『ヴァレリーの芸術哲学,あるいは身体の解剖』/伊藤亜紗(著)/3000円+税
『ヴァレリーの『旧詩帖』――初期詩篇の改変から詩的自伝へ』/鳥山定嗣(著)/7000円+税
『ヴァレリーにおける詩と芸術』/三浦信孝・塚本昌則(編)/5000円+税

Comments are closed.