編集部通信/『暗闇の楽器』の反響その2
2010年 6月 7日 コメントは受け付けていません。
ナンシー・ヒューストンの『暗闇の楽器』、好評です。
発売後まもなく女性誌『BAILLA』6月号に
江南亜美子さんの紹介記事が載り、
5月6日に東京・表参道の
青山ブックセンター本店で行われた
トークイベント「われらの〈世界文学〉」
(野崎歓×沼野充義×柴田元幸)で、
野崎歓さんが「これぞ世界文学という作品」の一つに
『暗闇の楽器』を挙げていましたが、
それからひと月後の6月6日付け『日本経済新聞』読書欄に
同氏による書評が掲載されました。
「時代小説の波瀾に満ちた面白さと、現代小説としての知的な刺激を
たっぷりと味わわせてくれる秀作である」と
実によくポイントをおさえた評価をしておられます。
また、『ダ・ヴィンチ』7月号の「注目の新刊情報コーナー」にも、
「独創的なアイデアを楽しみたい」と紹介されました。
さらに、『悪童日記』の翻訳者として知られる慶応大学教授の堀茂樹さんも
『暗闇の楽器』邦訳版を読んで絶賛、訳文もすぐれているとおっしゃっていて、
近々、力のこもった書評を書かれる予定です。
それから最新ニュースをひとつ。
日本語版『暗闇の楽器』が出た5月に、フランスのほうでは
ナンシー・ヒューストン4年ぶりの新作小説Infrarouge(赤外線)が上梓され、
話題になっています。フィレンツェを主な舞台にしたこの新作では、
東京も描かれ、日本の著名なカメラマンの名も出てきますが、
『暗闇の楽器』の現代の物語の世界をより深化させ、
かなり過激な内容になっているようです。
ヒューストンの創作力はますます凄みを増していて、
今後の活躍が本当に楽しみな世界的作家のひとりです。(編集部So)
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ナンシー・ヒューストン/永井遼・いぶきけい訳
暗闇の楽器
四六判上製328頁/定価2800円+税ISBN 978-4-89176-783-9 好評発売中!
『天使の記憶』『時のかさなり』によって多くの読者の心を震わせた
ナンシー・ヒューストンの最高傑作——待望の邦訳なる!
【高校生が選ぶゴンクール賞受賞作】
美貌の女性作家をめぐる複雑な人間関係を
内面から描く現代のマンハッタンの物語。
17世紀フランスの暗黒時代を果敢に生き抜く
双子のみなしご兄妹の数奇な運命。
——二つの世界が時空を超えて
パラレルに展開する奇跡の小説。
『悪童日記』以来の文学的衝撃と感動が甦る!