6月の新刊:犬売ります《フィクションの楽しみ》

2020年 6月 25日 コメントは受け付けていません。

犬売ります犬売ります
《フィクションの楽しみ》
フアン・パブロ・ビジャロボス(著)
平田渡(訳)

判型:四六判上製
頁数:313頁
定価:3000円+税
ISBN:978-4-8010-0438-2 C0097
装幀:宗利淳一
6月30日発売!

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〈探さざる者、発見に至らず〉
画家を夢見たが叶わずタコス屋に身をやつしたテオは、引退後アドルノの『美の理論』を座右の書として日常の諸問題に対処している。彼とマンションのロビーで読書会を主催するフランチェスカ、革命家シンパの八百屋の女将ジュリエットの三角関係を軸に、モルモン教徒の青年、毛沢東主義者、動物虐待取締局の役人、ゴキブリの大群がメキシコ・シティーでくりひろげる虚々実々のメタフィクション。

目次
美の理論
文学ノート

訳者あとがき

著者について
フアン・パブロ・ビジャロボス(Juan Pablo Villalobos)  
1973年、メキシコ・ハリスコ州グアダラハラに生まれる。ベラクルス大学卒業。EUの奨学金をえてスペイン・バルセロナ自治大学留学。トイレの人間工学や、勃起不全を改善するための医薬品の効果を研究した時期もあったが、やがて文学に専念。2010年、子供の視点からメキシコ社会の問題を描いた『巣窟の祭典』でデビュー。数年、ブラジルで暮らし、現在、バルセロナ在住。そのほかの主な作品に、現代社会の狂気を笑い飛ばした、エラルデ賞受賞作『ぼくの話を信じてくれと誰にも頼むつもりはない』(2016年)、中米からのアメリカ移民の旅の現状を伝えるノンフィクション『わたしには夢があった』(2018年)などがある。

訳者について
平田渡(ひらたわたる)  
1946年、福岡県に生まれる。1967年から68年までスペイン・セビリア大学文学部に留学。1973年、神戸市外国語大学大学院イスパニア語修士課程修了。専攻、スペインおよびラテンアメリカ文学。関西大学名誉教授。主な訳書に、アレホ・カルペンティエール『この世の王国』(共訳、水声社、1992年)、ブラウリオ・アレナス『パースの城』(国書刊行会、1990年)、マルセリーノ・アヒース・ビリャベルデ『聖なるものをめぐる哲学 ミルチャ・エリアーデ』(関西大学出版部、2013年)、共編書に『スペイン語大辞典』(白水社、2015五年)などがある。

関連書
この世の王国 アレホ・カルペンティエル/木村榮一+平田渡訳/1500円+税
夜のみだらな鳥 ホセ・ドノソ/鼓直訳/3500円+税
燃える平原 フアン・ルルフォ/杉山晃訳/2000円+税
テラ・ノストラ カルロス・フエンテス/本田誠二訳/6000円+税

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