12月の新刊:言語学のアヴァンギャルド——ボードアン・ド・クルトネからロシア・フォルマリズムへ
2020年 12月 30日 コメントは受け付けていません。
言語学のアヴァンギャルド
ボードアン・ド・クルトネからロシア・フォルマリズムへ
《叢書 記号学的実践》
桑野隆(著)
判型:A5判上製
頁数:301頁
定価:4000円+税
ISBN:978-4-8010-0528-2 C0074
造本:中山銀士
1月6日頃発売!
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ソヴィエト言語理論への案内書
1960年代以降,全世界の人文科学を席捲することになる構造言語学―記号学の源泉が1910-20年代のロシア=ソ連における言語学の革新だったことは今や広く知られている。
激しく燃え盛るロシア・アヴァンギャルドの芸術運動,そして《詩の革命を唱え展開した未来派詩人たちとの緊密な連帯のなかから出発したロシア・フォルマリズム運動の一翼を担った》言語学者たち,ボードアン・ド・クルトネ,ヤクビンスキイ,ポリヴァノフ,ヤコブソンからバフチン,ボガトゥイリョフにいたる多彩な言語学者,記号学者たちの思考の歩みを,詩的言語研究会(オポヤズ),モスクワ言語学サークル,プラハ言語学サークルの動向をも追いながら克明に辿る。
【目次】
第一章 ボードアン・ド・クルトネ
第二章 モスクワ言語学サークルとペテルブルク学派
第三章 詩学誕生の前提
第四章 詩的言語
第五章 ヤコブソンの詩学
第六章 「レフ」と言語学
第七章 バフチンによる言語学批判
第八章 ボガトゥイリョフの記号学
文献目録
あとがき
【著者について】
桑野隆(くわのたかし)
1947年、徳島県に生まれる。東京外国語大学大学院修了。東工大、東大、早大でながく教鞭をとった。専攻、ロシア文化・思想。主な著書には、『民衆文化の記号学』(東海大学出版会、1981年)、『未完のポリフォニー』(未来社、1990年)、『夢みる権利』(東大出版会、1996年)、『危機の時代のポリフォニー』(水声社、2009年)、『20世紀ロシア思想史』(岩波書店、2017年)、『増補 バフチン』(平凡社ライブラリー、2020年)、主な訳書には、バフチン『マルクス主義と言語哲学』(改訳版、未来社、1989年)、シクロフスキイ他『レーニンの言語』(水声社、2005年)、ボガトゥイリョフ『衣裳のフォークロア』(共訳、せりか書房、2005年)、タチヤナ・コトヴィチ『ロシア・アヴァンギャルド小百科』(監訳、水声社、2008年)『ヤコブソン・セレクション』(共訳、平凡社ライブラリー、2015年)、オリガ・ブレニナ゠ペトロヴァ『文化空間のなかのサーカス』(白水社、2019年)などがある。
【桑野隆の本】
赤いナデシコ アンナ・ラーツィス/桑野隆訳/3,000円
ロシア・アヴァンギャルド小百科 タチヤナ・コトヴィチ/桑野隆監訳/8,000円
危機の時代のポリフォニー――ベンヤミン,バフチン,メイエルホリド 桑野隆/3,000円