2月の新刊:帝国の動向——《フィクションのエル・ドラード》
2021年 1月 28日 コメントは受け付けていません。
帝国の動向
《フィクションのエル・ドラード》
フェルナンド・デル・パソ(著)
寺尾隆吉(訳)
判型:四六判上製
頁数:880頁
定価:5000円+税
ISBN:978-4-8010-0547-1 C0397
装幀:宗利淳一
2月上旬頃発売!
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本作により偉業を達成したフェルナンド・デル・パソこそ、《言葉の皇帝》であり、メキシコにおいて金字塔となる語り手だ。
――エレナ・ポニアトウスカ
ラテンアメリカ文学に厳然として聳え立つ《壮麗たる言葉の城》
1861年、対外債務の支払いを拒否したメキシコ大統領ベニト・フアレスは列強の反発を招き、とりわけフランス皇帝ナポレオン3世はメキシコに向けて軍を派兵、ハプスブルク家の王子が君臨する君主制の創設を目論んだ。
白羽の矢が立ったオーストリア大公フェルディナント・マクシミリアンはベルギー王女シャルロットとともに、1864年にメキシコ皇帝夫妻としてその地を踏むこととなる……
動乱極まるメキシコ近代史に束の間だけ君臨した皇帝夫妻の辿った悲劇的運命を、史実とフィクションによって描き出したメキシコ文学史に冠たる記念碑的著作。
【著者について】
フェルナンド・デル・パソ(Fernando del Paso)
1935年に、メキシコシティに生まれ、2018年にグアダラハラで没する。メキシコを代表する作家。1955年に広告代理店に勤務し、作家活動を始める。1985年よりパリに移り、メキシコ大使館で文化顧問を務める。代表作には、『メキシコのパリヌールス』(1977年)、
『リンダ六七』(1995年)などがある。1982年にロムロガジェゴス賞、2015年にセルバンテス賞を受賞。
*[訂正]著者の代表作の表記に誤りがございました。正しくは、『メキシコのパロリーヌ』ではなく、『メキシコのパリヌールス』となります。関係者のみなさまにお詫び申し上げます。
【訳者について】
寺尾隆吉(てらおりゅうきち)
1971年、愛知県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了(学術博士)。現在、早稲田大学社会科学総合学術院教授。専攻、現代ラテンアメリカ文学。主な著書には、『魔術的リアリズム』(水声社、2012年)、『ラテンアメリカ文学入門』(中公新書、2016年)。主な訳書には、レオナルド・パドゥーラ『犬を愛した男』(水声社、2019年)などがある。
【関連書】
フィクションのエル・ドラード