3月の新刊:オスカー・シュレンマー——バウハウスの舞台芸術
2021年 3月 8日 コメントは受け付けていません。
オスカー・シュレンマー
バウハウスの舞台芸術
柴田隆子(著)
判型:A5判上製
頁数:286頁
定価:4000円+税
ISBN:978-4-8010-0552-5 C0070
装幀:Gaspard Lenski
3月下旬頃発売!
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バウハウスの教育者にして舞台芸術家オスカー・シュレンマー(1888-1943)。芸術運動が大きく転換した両大戦間の時代に舞台空間に実験的なパースペクティヴを取り入れたバウハウスのマイスターは、いかなる舞台芸術を構想したのか。バウハウスにおける基礎教育の授業内容と演出を手がけた舞台空間を豊富な資料から掘り起こし、芸術の可能性を切り拓いた空間創造の力学を明らかにする。
《シュレンマーの舞台芸術理論は当時としても独特なものではあるが、決して彼の頭の中だけで考え出されたものではなく、バウハウスの同僚や学生、あるいは同時代で問題となっていた議論など、多くを参照項としている。本書では、シュレンマーの日記や講義メモなどからそうした周囲からの影響を探りながら、運動を伴う空間造形芸術として舞台芸術を捉えたシュレンマーの思考を追うことにする。》(「序章」より)
【目次】
序章 空間造形家の誕生
第一章 二つの革命――舞台の再編成
1 ドラマからシアターへ
2 バウハウス
第二章 抽象舞台のメカニック――「人間と芸術的形象」
1 時代の徴候
2 抽象空間と人間
3 「新しい可能性」を探る方法論
第三章 身体の位相空間――「人間」の形象表現
1 「人間」への関心
2 「人間」の授業
第四章 舞台空間の運動学――実験としての「バウハウス・ダンス」
1 幾何学的法則
2 有機的人間の法則
3 絵画と舞台――二次元と三次元の相互転移
第五章 複数のパースペクティヴ――バウハウス以降の取り組み
1 シュレンマーの舞台作品
2 イメージの空間
終章 オスカー・シュレンマーの舞台芸術
注
参考文献
図版出典一覧
オスカー・シュレンマー略年譜
人名索引
あとがき
【著者について】
柴田隆子(しばたたかこ)
東京都生まれ。学習院大学大学院身体表象文化学博士課程修了。博士(表象文化学)。現在、専修大学国際コミュニケーション学部准教授。専攻は、ドイツ語圏の舞台芸術理論、演劇学、舞踊学。批評家としても活動しており、「不変に挑む普遍的「物語」 : She She Pop『春の祭典 : She She Popとその母親たちによる』」(『シアターアーツ』第59号、2010年)で第一九回シアター・アーツ賞大賞を受賞。主な論考には、「文化財としてのフェスティバル――国際芸術をめぐる考察」(『研究年報』第66号、2020年)、劇評としては、「炎上の彼方への誘い――シャウビューネ・ベルリン『暴力の歴史』に描かれる暴力」(『シアターアーツ』第64号、2020年)などがある。
【関連書】
ハンナ・ヘーヒ——透視のイメージ遊戯/香川檀/4000円+税