6月の新刊:アフリカからアートを売り込む――企業×研究

2021年 6月 23日 コメントは受け付けていません。

アフリカからアートを売り込むアフリカからアートを売り込む
企業×研究
柳沢史明・緒方しらべ(編)

判型:A5判並製
頁数:224頁
定価:3000円+税
ISBN:978-4-8010-0582-2 C0070
装幀:安藤次朗
6月下旬頃発売!

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アフリカのアート、いかがですか?
アフリカにおいて、アートはどのような意味を持ち、それはどのように日本へ伝えられてきたのだろうか 。「アフリカからアートを売り込む」人びとの経験と研究から、アートが紡ぐ人びとのつながりを詳らかにし、西洋中心的な美術観を問いなおす。企業と研究におけるそれぞれの視点から多角的に描き出す、アフリカのアートへの招待。


目次
「アフリカからアートを売り込む」――序文にかえて 柳沢史明

第1部 企業の視点から

私とアフリカンアート――人生を変えたアフリカ仮面 小川弘
 【小川弘氏の文章を受けて】
  アフリカからアートを運ぶ 柳沢史明
  入り口を築く 緒方しらべ

アフリカ製品プロジェクト――ティンガティンガ・アートを通して 安齋晃史
 【安齋晃史氏の文章を受けて】
  ティンガティンガ、その歴史と変化 柳沢史明
  共に働く 緒方しらべ


第2部 研究の視点から

美術展を立ち上げる――アフリカの同時代をいかに売るか 川口幸也

植民地状況下のアート――ダオメ王国文化とツーリストアート 柳沢史明
ソープストーン彫刻に見る人びとの生活と関わり合い――ケニア・グシイ地方の制作現場から 板久梓織

アートに価値を見出すということ――アフリカの生活世界におけるアートから考える 緒方しらべ


第3部 企業と研究の視点から

【座談会1】
「アフリカからアートを売り込む」――その遍歴をたどり経路をさぐる

【座談会2】
人びととアートをつなぐ、アフリカと日本をつなぐ


この商店街を訪れる人たちへ――結語にかえて 緒方しらべ

編者について
柳沢史明(やなぎさわふみあき)
1979年、長野県に生まれる。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。現在、西南学院大学講師。専攻、美学芸術学、近現代芸術史。主な著書に、『〈ニグロ芸術〉の思想文化史――フランス美術界からネグリチュードへ』(2018)、『異貌のパリ 1919-1939――シュルレアリスム、黒人芸術、大衆文化』(共著、2017、いずれも水声社)、『混沌の共和国――「文明化の使命」の時代における渡世のディスクール』(共編著、ナカニシヤ出版、2019年)などがある。

緒方しらべ (おがたしらべ)
1980年、島根県に生まれる。総合研究大学院大学博士後期課程修了。博士(文学)。現在、京都精華大学講師。専攻、文化人類学、アフリカ地域研究。主な著書に、『アフリカ美術の人類学――ナイジェリアで生きるアーティストとアートのありかた』(清水弘文堂書房、2017年)、『新型コロナウイルス感染症と人類学――パンデミックとともに考える』(共著、水声社、2021年)、『現代アフリカ文化の今――15の視点から、その現在地を探る』(共著、青幻社、2020年)、などがある。

執筆者について
小川弘(おがわひろし)
1947年、島根県に生まれる。東京藝術大学大学院ヴィジュアルデザイン科修了。1977年、(株)東京かんかんを設立し、中近東古美術、アフリカ美術のギャラリーを始める。以降、国立民族学博物館収集プロジェクト、広島県立美術館、福井市立美術館、世田谷区立美術館等のアフリカ美術展に参画。主な著書に、『ドゴンの光』(水声社、2018)『アフリカのかたち』(里文出版、1999)などがある。
安齋晃史(あんざいあきふみ)
1984年、福井県に生まれ、横浜で育つ。株式会社バラカ代表取締役社長。原材料ではなく、製品の輸出で、アフリカ経済発展の一翼を担おうという主旨のもと、タンザニア製品(ティンガティンガ・アート、食品、雑貨、アフリカ布等)の輸入とプロモートを担当する。
川口幸也(かわぐちゆきや)
1955年、福井県に生まれる。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。世田谷美術館学芸員から国立民族学博物館・総合研究大学院大学准教授を経て、2020年3月まで立教大学教授を務める。主な著書に、『アフリカの同時代美術――複数の「かたり」の共存は可能か』(明石書店、2011)、『ミュージアムの憂鬱――揺れる展示とコレクショ
ン』(編著、水声社、2020)、訳書には、『美術館という幻想――儀礼と権力』(水声社、2011)などがある。
板久梓織(いたくしおり)
1987年、東京都に生まれる。現在、東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程/日本学術振興会特別研究員(DC2)。専攻、社会人類学。主な論文に、「ケニア・グシイ地方のソープストーン彫刻産業――居住地を拠点にした総合的地場産業の発展」(『アフリカ研究』No. 98、日本アフリカ学会、2020)などがある。

関連書
〈ニグロ芸術〉の思想文化史――フランス美術界からネグリチュードへ/柳沢史明/5000円+税
新型コロナウイルス感染症と人類学――パンデミックとともに考える/浜田明範・西真如・近藤祉秋・吉田真理子編/3200円+税
ドゴンの光/小川弘/2500円+税
ミュージアムの憂鬱――揺れる展示とコレクション/川口幸也編/6000円+税
褐色の文化史――第三世界とはなにか/ヴィジャイ・プラシャド/粟飯原文子訳/4000円+税


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