7月の新刊:廃墟の形《フィクションのエル・ドラード》
2021年 7月 9日 コメントは受け付けていません。
廃墟の形
《フィクションのエル・ドラード》
フアン・ガブリエル・バスケス(著)
寺尾隆吉(訳)
判型:四六判上製
頁数:490頁
定価:3500円+税
ISBN:978-4-8010-0586-0 C0397
装幀:宗利淳一
7月25日頃発売!
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いまだ知られざる不確かな真実
J・G・バスケスはガルシア・マルケスの後を継ぐコロンビア文学の巨匠だ。
——アリエル・ドルフマン
1948年、ボゴタの路上で暗殺された政治家ホルヘ・エリエセル・ガイタンの死はコロンビアを深刻な危機に陥れた。2014年、博物館に展示されたガイタンのスーツを盗もうとした男が逮捕される。
ガイタン殺害の背後にある「真実」を探求するこの男は、かつて作家J・G・バスケスに接近し、ある本を書くようしつこく迫っていた……
ガイタン暗殺にジョン・F・ケネディ暗殺が関係するなど、すべてに陰謀を嗅ぎつける謎の男、カルロス・カルバージョを通してコロンビアの歴史に迫り、入念な調査を元に過去の闇をスリリングに描き出す傑作長編。
【著者について】
フアン・ガブリエル・バスケス(Juan Gabriel Vásquez)
1973年、コロンビアのボゴタ生まれ。作家。1996年からソルボンヌ大学で文学研究に従事した後、1999年にバルセロナに拠点を移して本格的な執筆活動に入る。二作の長編小説、『密告者』(2004、邦訳は作品社)と『コスタグアナ秘史』(2007、邦訳は水声社)で注目を浴び、2011年刊行の『物が落ちる音』でアルファグアラ賞を受賞。2012年からは故郷のボゴタに居を定め、本書『廃墟の形』で大成功を収めた後も、スペイン語圏の有力な新聞・雑誌に寄稿を続けながら、文学評論集『白地図との旅』(2017)、長編小説『後ろを振り返る』(2020)などの作品を発表し続けている。
【訳者について】
寺尾隆吉(てらおりゅうきち)
1971年、愛知県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了(学術博士)。現在、早稲田大学社会科学総合学術院教授。専攻、現代ラテンアメリカ文学。主な著書には、『魔術的リアリズム』(水声社、2012年)、『ラテンアメリカ文学入門』(中公新書、2016年)。主な訳書には、レオナルド・パドゥーラ『犬を愛した男』(2019年)、フェルナンド・デル・パソ『帝国の動向』(以上水声社、2021年)などがある。
【関連書】
エルドラードシリーズ