8月の新刊:わたしの声――一人称単数について《人類学の転回》

2021年 8月 17日 コメントは受け付けていません。

わたしの声_書影わたしの声
一人称単数について
《人類学の転回》
アルフォンソ・リンギス(著)
水野友美子・小林耕二(訳)

判型:46判上製
頁数:263頁
定価:3200円+税
ISBN:978-4-8010-0580-8 C0010
装幀:宗利淳一
8月下旬発売!

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こだまするリトルネロ
ことばによって、来るべき未来の幻に身をゆだね、計算や利害の支配する世界と訣別すること――。哲学、言語学、人類学、精神分析を横断しながら、かけがえのない〈わたし〉の存在をめぐる旅へ。

《わたしたちはひそかに、自分たちにはだれかのために差しだすキスや配慮があることを知っている。世の恋人たちがいまだかつて差しだしたことのない、優しさや興奮があることを知っている。わたしたちは高揚のなかで、いまだかつてだれも踊ったことのないダンスを踊れるよう自身の身体を鍛え鼓舞するだけの、強靱さと精神を持ち合わせていることを確かに感じとる。心のなかで、自分たちには革命にともなうあらゆる危険、失敗、残忍さに耐える心情や度胸があることを感じている。》(本書より)



目次

Ⅰ ここにいること
 1 存在することの偶然
 2 わたしはどのようにしてここに存在することになったのか
 3 わたしのいるところ
Ⅱ  声
 4 接触する声
 5 探索する声 
 6 体系化し、命令することば
Ⅲ 誓いのことば
 7 重要なものと差し迫ったもの
 8 わたしは……である
Ⅳ ヴィジョンズ
 9 幻想の身体
 10 予言のことば 
Ⅴ わたしの物語
 11 年代記と物語 
 12 伝説的な場所 
 13 傷とことば 
Ⅵ 他者を認め、あなたに触れる
 14 認識 
 15 コンタクト 
 16 あなた 
 17 強い絆 
Ⅶ 言わなければならないこと
 18 周知のこと 
 19 言うべきとき 
 20 自分自身に言うべきこと 
 21 想像すべきこと 
Ⅷ わたしの声
 22 自分の声を見出すこと 
 23 代弁する声 
 24 失墜 
 25 知ることと認めること 
Ⅸ 不名誉
 26 自分自身に不誠実であること 
 27 職業的不名誉 
 28 確立された不名誉 
Ⅹ パーリアたち
 29 見捨てられる名誉 

原註 
写真について 

訳者あとがき 

著者について
アルフォンソ・リンギス(Alphonso Lingis)  
1933年、リトアニア系移民の子としてアメリカ合衆国に生まれる。哲学者。ペンシルヴァニア州立大学名誉教授。世界各地に長期滞在しながら、哲学的かつ文化人類学的な著作を発表し続けている。主な著書に、『汝の敵を愛せ』(中村裕子訳、洛北出版、2004年)、『何も共有していない者たちの共同体』(野谷啓2訳、洛北出版、2006年)、『信頼』(岩本正恵訳、青土社、2006年)、『変形する身体』(小林徹訳、水声社、2015年)、『暴力と輝き』(水野友美子+金子遊+小林耕二訳、水声社、2019年)などがある。

訳者について
水野友美子(みずのゆみこ)  
1983年、富山県に生まれる。ロンドン大学ゴールスミス校大学院修士課程、一橋大学大学院修士課程修了。専攻、アートの人類学・映画学。主な訳書に、マイケル・タウシグ『ヴァルター・ベンヤミンの墓標』(共訳、水声社、2016年)、ジョアオ・ビール『ヴィータ――遺棄された者たちの生』(共訳、みすず書房、2019年)などがある。
小林耕二(こばやしこうじ)  
1969年、広島県に生まれる。東京外国語大学を経てチェコ政府給費留学生としてカレル大学に留学。専攻、東欧文化研究(美学)、ヤン・ムカジョフスキー研究。総社土曜大学主宰。主な訳書に、ティム・インゴルド『メイキング』(共訳、左右社、2017年)、アルフォンソ・リンギス『暴力と輝き』(共訳、水声社、2019年)などがある。

関連書
変形する身体 アルフォンソ・リンギス 2800円
暴力と輝き アルフォンソ・リンギス 3200円

非‐場所――スーパーモダニティの人類学に向けて マルク・オジェ 2500円
自然と文化を越えて フィリップ・デスコラ 4500円
反政治機械――レソトにおける「開発」・脱政治化・官僚支配 ジェームズ・ファーガソン 5000円
経済人類学――人間の経済に向けて クリス・ハン+キース・ハート 2500円
流感世界――パンデミックは神話か? フレデリック・ケック 3000円
法が作られているとき――近代行政裁判の人類学的考察 ブルーノ・ラトゥール 4500円
フレイマー・フレイムド トリン・T・ミンハ 4000円
多としての身体――医療実践における存在論 アネマリー・モル 3500円
ケアのロジック――選択は患者のためになるか アネマリー・モル 3200円
作家、学者、哲学者は世界を旅する ミシェル・セール 2500円
部分的つながり マリリン・ストラザーン 3000円
模倣と他者性――感覚における特有の歴史 マイケル・タウシグ 4000円
ヴァルター・ベンヤミンの墓標――感覚における特有の歴史 マイケル・タウシグ 3800円
インディオの気まぐれな魂 エドゥアルド・ヴィヴェイロス・デ・カストロ 2500円

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