9月の新刊:ゴンクール兄弟とその時代
2021年 9月 13日 コメントは受け付けていません。
ゴンクール兄弟とその時代
斎藤一郎(著)
判型:A5判上製
頁数:584頁
定価:8000円+税
ISBN:978-4-8010-0596-9 C0098
装幀:滝澤和子
10月上旬発売!
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ベル・エポックに肉薄する!
爛熟を極めた19世紀パリの風俗を、鋭い観察眼と綿密な調査によって描き出した兄のエドモンと弟のジュール。文人たちとの交流、度重なる政治的動乱、娼婦の華々しい生活、ジャポニスムの隆盛……ゴンクール兄弟の生涯からあざやかに蘇る、フランスの真の姿。
【目次】
Ⅰ 第二帝政 兄弟のデビューからジュールの死去まで
1 時代の空気
2 兄弟の出自
3 修行時代
4 ガヴァルニ そしてイタリアの頃
5 十八世紀に傾倒する
6 オテル・デ・アリコ(いんげん館)に服役
7 ローズ逝く
8 『文士たち』
9 ドイツ旅行
10 ゴンクール兄弟の幸福論
11 『ルネ・モープラン』
12 プランセス・マチルド
13 マニー亭晩餐会
14 外国文学
15 『アンリエット・マレシャル』騒動
16 ジュール死す
Ⅱ 普仏戦争
17 パリ攻囲とパリ・コミューン
Ⅲ 戦後の第三共和国
18 『ザンガノ兄弟』の頃
19 兄弟と女性
20 花ひらくロレット、ココット、クルティザーヌ
21 オッフェンバックの第二帝政
一 ナポレオン三世の陽気政策
二 『麗しのエレーヌ』
三 『パリ生活』
四 ゴンクール兄弟の不機嫌
五 『ジェロールシュタイン女大公爵』
22 ジャポニスム
一 ゴンクールの『忠臣蔵』
二 ゴンクールと印象派
三 歌麿と北斎
四 ビングとの確執
23 ヴィクトル・ユゴー
24 『ラ・フォースタン』
25 進歩に反対
26 屋根裏部屋パーティー
27 音楽
28 フロベール
一 フロベールのイメージ
二 兄弟とフロベールの出会い
三 兄弟とフロベールの交友
四 トリオの文学論
五 クロワッセ
六 マニー亭のフロベール
七 ジュール
八 戦後の再会
九 フロベールの座談
一〇 『ブヴァールとペキュシェ』そして浮世絵版画帖
一一 最後のクロワッセ
29 晩年の日々
30 ゾラ
31 アルフォンス・ドーデ
一 話題のドーデ
二 ドーデ夫人ジュリア
三 『サフォー』
四 晩年のエドモン・ド・ゴンクールとドーデ家
32 エドモンの逝去そしてアカデミー・ゴンクール
33 プルーストの『偽ゴンクール日記』
ゴンクール兄弟家系図
索引
【著者について】
斎藤一郎(さいとういちろう)
1933年、大連に生まれる。東大仏文科卒、同修士。埼玉大助教授、東京芸大教授、同音楽学部長、同名誉教授。瑞宝中綬章。主な著書に、『幸福論――フランス式人生の楽しみ方』(平凡社新書、2001年)、主な訳書に、『ゴンクールの日記』(編訳、岩波書店、1995年、第四回日仏翻訳賞受賞/上・下巻、岩波文庫、2010年)などがある。
【関連書】
バルザック詳説――『人間喜劇』解読のすすめ 柏木隆雄 4000円
諷刺画家グランヴィル――テクストとイメージの19世紀 野村正人 6000円