10月の新刊:恋愛のディスクール――セミナーと未刊テクスト《記号学的実践叢書》

2021年 10月 13日 コメントは受け付けていません。

恋愛のディスクール恋愛のディスクール
セミナーと未刊テクスト
《記号学的実践叢書》
ロラン・バルト (著)
桑田光平・桑名真吾・鈴木亘・須藤健太郎・内藤真奈・平田周・本田貴久・宮脇永吏(訳)

判型:A5判上製
頁数:562頁
定価:8000円+税
ISBN:978-4-8010-489-4 C0098
装幀:中山銀士
10月下旬頃発売!


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バルトの思考の生成過程がここに!
大学の官僚主義や順応主義を逃れ、フランス思想に大きな影響を与えてきた、コスモポリタン的な教育機関である高等研究実習院で、1974年から1976年の2年間にわたって開講された「恋愛のディスクール」に関するセミナーの記録。
当初100あったフィギュールは80に縮減され『恋愛のディスクール・断章』として刊行されているが、2年間のセミナーと未刊テクストからなる本書では、バルトが展開した知的な作業の全体をまるごと見ることができ、バルトの創造の舞台裏が、講義から書物へ、口述から筆記への移行だけでなく、草稿からテクストへの変容の道筋が明らかとなる。


目次
まえがき  エリック・マルティ
序文   クロード・コスト 

セミナーI(1974-1975)
[イントロダクション] 
フィギュール1(「魂を奪われる」)からフィギュール99(「見られる」)まで 
方法論らしきもの 
フィギュール100(「成就した恋愛?」) 
結論 
今後のこと 
教育報告 

セミナーⅡ(1975-1076)
前置き 
前言撤回
フィギュール(「私は‐あなたを‐愛しています」から「不在」まで) 
導入部を簡単に振り返る 
フィギュール(「素晴らしい」から「通過儀礼」まで)
恋愛のディスクールについてのセミナーの終わり 
一覧表に記載されていないフィギュール(「想起」から「魂を奪われる」まで) 
教育報告 
恋愛のディスクール断章(未刊テクスト)
概要 
未刊のフィギュール群 
この書物はどのように作られているか 
注 
書誌 
人名・作品名索引 
事項索引 
あとがきにかえて

著者について
ロラン・バルト (Roland Barthes) 
1915年、シェルブールに生まれる。1980年、パリにて没する。哲学者、記号学者、批評家。主な著作に、『零度のエクリチュール』(1953年。みすず書房、2008年)、『モードの体系』(1967年。みすず書房、1972年)、『S / Z』(1970年。みすず書房、1973年)、『ロラン・バルトによるロラン・バルト』(1975年。みすず書房、2018年)、『恋愛のディスクール・断章』(1977年。みすず書房、2020年)、『明るい部屋――写真についての覚書』(1980年。みすず書房、1985年)などがある。
訳者について
桑田光平(くわだこうへい)
1974年、広島県府中市に生まれる。東京大学大学院博士課程満期退学。パリ第4大学文学博士。専攻、フランス文学・芸術論。現在、東京大学大学院総合文化研究科准教授。主な著書に、『ロラン・バルト 偶発事へのまなざし』(水声社、2011年)、『写真と文学』(共著、平凡社、2013年)、『世界の八大文学賞受賞作から読み解く現代小説の今』(共著、立東舎、2016年)、Réceptions de la culture japanaise en France depuis 1945(collectif、 Honoré Champion、2016年)、主な訳書に、『ロラン・バルト 中国旅行ノート』(筑摩書房、2011年)などがある。
桑名真吾(くわなしんご)
1988年、福島県いわき市に生まれる。東京大学大学院総合文化研究科修士課程修了。パリ第1大学パンテオン=ソルボンヌ校美術史・考古学研究科Master 2 修了。専攻、写真史。現在、平塚市美術館学芸員。主な訳書に、ハロルド・ローゼンバーグ『芸術の脱定義』(共訳、水声社、2020年)がある。
鈴木亘(すずきわたる)
1991年、栃木県さくら市に生まれる。東京大学大学院博士課程修了。博士(文学)。専攻、美学。現在、東京大学大学総合教育研究センター特任助教。主な論文に、「ランシエール美学におけるマラルメの地位変化──『マラルメ』から『アイステーシス』まで」『美学』(美学会、2020年)、主な訳書に、ジョルジュ・ディディ=ユベルマン『受肉した絵画』(共訳、水声社、2021年)がある。
須藤健太郎(すどうけんたろう)
1980年、静岡県浜松市に生まれる。パリ第3大学博士課程修了。博士(映画研究)。専攻、映画批評。現在、東京都立大学助教。主な著書に、『評伝ジャン・ユスターシュ』(共和国、2019年)、主な訳書に、『エリー・フォール映画論集』(ソリレス書店、2018年)などがある。
内藤真奈(ないとうまな)
1978年、愛知県に生まれる。パリ第8大学博士課程修了、博士(フランス語フランス文学)。専攻、フランス文学。現在、国際基督教大学教養学部特任講師。主な著書に、L’Univers d’intimité d’Hervé Guibert、(L’Harmattan、2015年)、主な訳書に、ジャン= クロード・ベルフィオール『ラルース ギリシア・ローマ神話大事典』(共訳、大修館書店、2020年)がある。
平田周(ひらたしゅう)
1981年、東京都に生まれる。パリ第8大学博士課程修了。博士(哲学)。専攻、社会思想史。南山大学外国語学部准教授。主な著書に、『惑星都市理論』(共編著、以文社、2021年)、主な訳書に、クリスティン・ロス『もっと速く、もっときれいに――脱植民地化とフランス文化の再編成』(共訳、人文書院、2019年)などがある。
本田貴久(ほんだたかひさ)
1975年、神奈川県に生まれる。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。専攻、両大戦間期のフランス文学。現在、中央大学准教授。主な訳書に、ウィリアム・マルクス『文人伝』(水声社、2017年)、『フランス民話集』Ⅲ~Ⅴ巻(共訳、中央大学出版部、2014〜2016年)などがある。
宮脇永吏(みやわきえり)
1980年、富山県砺波市に生まれる。パリ第4大学博士課程修了。 博士(文学)。専攻、フランス文学。現在、甲南女子大学専任講師。主な著書に『サミュエル・ベケット!――これからの批評』(共著、水声社、2012年)、訳書に『クローデル小喜劇集』(共訳、水声社、2019年)などがある。

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