12月の新刊:狩野友信——最後の奥絵師、幕末・明治を生きる
2021年 12月 23日 コメントは受け付けていません。
狩野友信
最後の奥絵師、幕末・明治を生きる
山田久美子(著)
判型:A5判上製
頁数:296頁
定価:5000円+税
ISBN:978-4-8010-0611-9 C0070
装幀:齋藤久美子
1月上旬頃発売!
狩野派ー再発見。
<本書は、狩野派という日本で最長、最大、最高位の画派が、近代にどのように終焉を迎えたのかを、狩野友信という奥絵師の当主クラスの人物の生涯から映し出した秀逸な伝記である。>「序文」佐藤道信(東京芸術大学教授)より。
【目次】
序文 佐藤道信
第一章 江戸築地
一 幕末の狩野派と奥絵師
二 父狩野董川中信、伯父朝倉興禎、叔父狩野永悳立信
三 母歌子、祖父成島東岳、成島柳北
四 姉八十子と河田煕
五 木挽町絵所の修行
六 木挽町狩野家の粉本類と友信筆模本
第二章 幕府御用と洋画修行
一 絵事御用
二 ペリー贈呈品と万延元年遣米使節
三 フォンテーヌブロー宮殿所蔵「紅葉に青鳩図」
四 エルミタージュ美術館所蔵「花鳥図」「生花図」
五 開成所画学局と洋画修行
第三章 本郷加賀屋敷と来日外国人
一 開成学校図画教育と『図法階梯』
二 明治初年来日西洋人と絵師たち
三 東京大学理学部、同予備門、『習画自在』
四 アーネスト・F・フェノロサと来日ボストニアンたち
五 雪舟筆「梅潜寿老人図」友信模写と「三国志絵巻」友信模本
六 ボストン美術館とフィラデルフィア美術館所蔵友信作品
七 狩野芳崖とともに
八 鑑画会、文部省図画調査会、同図画取調掛
第四章 東京美術学校とシカゴ・コロンブス万国博覧会
一 東京美術学校開校
二 制服制帽
三 東京芸術大学所蔵狩野友信作品と模本
四 絵画科教育課程
五 シカゴ・コロンブス万国博覧会
六 東京美術学校花月会
第五章 築地居留地と仏文挿絵本
一 狩野友信と仏文挿絵本
二 和文刊記の佛国人馬武留當
三 和装挿絵本『ラ・フォンテーヌ寓話選』『フロリアン寓話選』
四 ちりめん本
五 パリ フラマリオン社
第六章 湯島両門町と外国人入門
一 フランシス・ガードナー・カーティスとボストン美術館日本部
二 「日本画の名誉」
三 ヘレン・ハイドとジョセフィン・M・ハイド
四 エミール・オルリック筆「日本の絵師」
五 アーサー・ウェズリー・ダウと絵画教授法
六 日本生まれアメリカ人画家リリアン・メイ・ミラー
七 フェノロサ再訪
八 フェノロサ遺稿出版と大徳寺蔵牧谿筆「観音図」友信模写
第七章 小石川指ヶ谷 東京盲唖学校から東京聾唖学校へ
一 盲唖教育とともに
二 凸画「朝日」と挿絵「目の見えない人と歩けない人」
三 盲啞両校留送別式席画「友」
四 東京盲唖学校の教え子たち
五 旧事諮問会と「幕府年中行事」
六 古希祝賀会
七 静岡、逝去、池上本門寺墓碑建立
付録一 『ラ・フォンテーヌ寓話選』(抄)ピエール・バルブトー編
付録二 『フロリアン寓話選』(抄)ピエール・バルブトー編
註
狩野友信略年譜
主要参考文献
図版一覧
索引
あとがき
【著者について】
山田久美子(やまだくみこ)
1953年、東京都に生まれる。上智大学フランス語学科卒業。広島大学大学院英語学英文学専攻博士後期課程中退。アイルランド国立大学ダブリン校英語・演劇・映画研究専攻博士課程修了。博士(Ph. D., University College Dublin)。立教大学名誉教授。専攻、アイルランド文学、日米欧文化交流史。主な著書に『異界へのまなざし――アイルランド文学入門』(鷹書房弓プレス、2005年)、『ジェイムズ・ジョイスと東洋――「フィネガンズ・ウェイク」への道しるべ』(水声社、2018年)、主な訳書にチャールズ・A・ロングフェロー『ロングフェロー日本滞在記』(平凡社、2004年)などがある。