2月の新刊:燃やされた現ナマ《フィクションのエル・ドラード》

2022年 2月 14日 コメントは受け付けていません。

燃やされた現ナマ 書影燃やされた現ナマ
《フィクションのエル・ドラード》
リカルド・ピグリア(著)
大西亮(訳)

判型:四六判上製
頁数:239頁
定価:2400円+税
ISBN:978-4-8010-0622-5 C0397
装幀:宗利淳一
2月下旬頃発売!


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逃走のレクイエム
ジャーナリズム、警察、精神医学、内的独白など、さまざまな〈声〉を巧みに織り交ぜた本作の語りは、この小説における最大の魅力のひとつだ。
——フアン・ガブリエル・バスケス 

1965年のブエノスアイレス郊外、命知らずの4人の若者たちが現金輸送車を襲撃するという無謀な計画を立てた。まんまと大金の《現ナマ》をせしめた強盗団は警察からの逃走をはかり、アパートの一室に立てこもる。籠城作戦のすえに彼らが取った行動とは……?
幼年時代の思い出、娼婦たちとの出会い、獄中生活、セックスとドラッグへの耽溺など、強盗団のメンバーたちそれぞれの過去をフラッシュバックの手法で描き出し、《社会を震撼させた衝撃的事件》をフィクションの力で描き出した傑作。




著者について
リカルド・ピグリア(Ricardo piglia)
1940年、アルゼンチンに生まれる。早くからスペイン文学やアルゼンチン文学、北米文学に親しむ。国立ラプラタ大学では歴史学を専攻する一方、短篇小説や評論の執筆を手がける。デビュー作となった短篇集『侵入』(1967年)から代表作『人工呼吸』(1980年)を経て『イダの道』(2013年)にいたるまで、創作と批評の融合にもとづく独特の作風は内外から高い評価を得ている。ボルヘスをはじめとするアルゼンチン作家に関する評論やエッセーも数多く発表。『夜の標的』(2010年)でロムロ・ガジェゴス賞やマヌエル・ロハス賞を受賞。ボルヘスをテーマにしたテレビ公開講座に講師として出演するなど、活躍の場を広げていたが、晩年に筋萎縮性側索硬化症を患い、2017年に死去。

訳者について
大西亮(おおにしまこと)
1969年、神奈川県生まれ。神戸市外国語大学大学院博士課程修了(文学博士)。現在、法政大学国際文化学部教授。専攻、ラテンアメリカ文学。主な訳書には、リカルド・ピグリア『人工呼吸』(2015年、水声社)、アドルフォ・ビオイ・カサーレス『英雄たちの夢』
(2021年、以上水声社)などがある。

関連書
フィクションのエル・ドラードシリーズ

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