4月の新刊:糸玉の近代——二〇世紀の造形史
2022年 3月 18日 コメントは受け付けていません。
糸玉の近代
二〇世紀の造形史
鯖江秀樹(著)
判型:A5判上製
頁数:324頁
定価:3800円+税
ISBN:978-4-8010-0628-7 C0070
装幀:Gaspard Lenski
4月上旬頃発売!
「驚き」を内に秘める《歴史の糸玉》
絵画や彫刻のみならず、都市や建築、商品、衣服、版画、料理、サバイバル、手仕事装丁まで……造形性をともなう「モノ」にまつわる技術をその思想とともに解きほぐす。近代によって産み落とされ、置き去りにされたものに新たな光を当てる14の扉。
【目次】
序――ジャコモ・バッラの「家」
第Ⅰ部 芸術――未来派の知覚
第1章 ローマ――革命の都市/教育の革命
第2章 動体写真という反証
第3章 ウンベルト・ボッチョーニの彫刻、ロベルト・ロンギのエクフラシス
第Ⅱ部 万博――うたかたの都市
第4章 ローマ万博の光と影――ジュゼッペ・ボッタイのまなざし
第5章 建築家アダルベルト・リベラの記憶
第6章 幻のなかの経験――ローマ万博の展示空間
第Ⅲ部 建築――後期モダニズムの消息
第7章 イタロ・カルヴィーノ『遠ざかる家』と戦後イタリア建築史
第8章 機能主義建築の臨界――後期モダニズムにおける人間的なるもの
第9章 「近代運動」のパリンプセスト――トッレ・ヴェラスカとその建築論
第Ⅳ部 技芸――かたちの声
第10章 横井庄一考――生存のためのデザイン
第11章 戸田ツトム考――夕まずめの眺め
第12章 中野裕介/パラモデル考――軽やかな遊びとしてイラストレーション
第13章 リュウ・リケツ考――Make the Print Tender
第14章 髙畑紗依考――閃のうつし
図版出典
人名索引
あとがき
【著者について】
鯖江秀樹(さばえひでき)
1977年、姫路市に生まれる。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。博士(人間・環境学)。現在、京都精華大学准教授。専攻、近代芸術史、表象文化論。主な著書に、『イタリア・ファシズムの芸術政治』(水声社、2011年)、主な訳書に、パオロ・ダンジェロ『風景の哲学 芸術・環境・共同体』(水声社、2020年)、マリオ・ペルニオーラ『無機的なもののセックス・アピール』(共訳、平凡社、2012年)、共著に、『幻の万博――紀元二六〇〇年をめぐる博覧会のポリティクス』(青弓社、2018年)、『21世紀の哲学をひらく――現代思想の最前線への招待』(ミネルヴァ書房、2016年)、『イタリア文化55のキーワード』(ミネルヴァ書房、2015年)などがある。
【関連書】
イタリア・ファシズムの芸術政治/鯖江秀樹/4000円+税
風景の哲学――芸術・環境・共同体/パオロ・ダンジェロ/3000円+税
*
ハンナ・ヘーヒ――透視のイメージ遊戯/香川檀/4000円+税
ハンス・ベルメール――身体イメージの解剖学/松岡佳世/4500円+税