5月の新刊:マンガメディア文化論——フレームを越えて生きる方法
2022年 4月 25日 コメントは受け付けていません。
マンガメディア文化論
フレームを越えて生きる方法
鈴木雅雄・中田健太郎(編)
判型: A5判並製
頁数:480頁
定価:4200円+税
ISBN:978-4-8010-0619-5 C0095
装幀:宗利淳一
5月中旬頃発売!
〈マンガ〉はどのようなメディアなのか?
デジタルマンガの隆盛をうけて、マンガの境界線がますます拡張されている現在、マンガはどのようなメディアなのか?
前著『マンガ視覚文化論』に続き、研究の最前線を走るマンガ論者たち、メディア論・情報論・身体論などの専門家も交えて、マンガメディアの体験を追求するシリーズ3部作の完結編!!
※本論集は、早稲田大学で開かれた連続ワークショップ「マンガの体験、メディアの体験」(2018年10月-2019年12月)の内容にもとづくものです。
【目次】
序章 マンガはどのようなメディアなのかと問うために(中田健太郎)
Ⅰ マンガメディアの表現史
コマの誕生と漂流(鈴木雅雄)
眠りの国で静止画と戯れる(増田展大)
機械じかけの世界の中で(三輪健太朗)
「幻灯画」にみる「漫画家の職域」としてのフィルム/スクリーン(鷲谷花)
〈漫画少年〉はいつ生まれたか(宮本大人)
Ⅱ マンガメディアの境界線
絵を「読む」時間の発生(細馬宏通)
マンガの展示に関する諸問題(成相肇)
マンガの交差空間(林道郎)
幻のビジュアライゼーション(伊藤亜紗)
Ⅲ マンガメディアの表現論
物語の受容とウェルビーイング(ドミニク・チェン)
デジタルマンガのなかの近代性(中田健太郎)
出版媒体とマンガ表現――デジタルデバイス時代のマンガ演出をめぐって(藤本由香里)
〈顔〉をかくこと(西兼志)
生きてしまうキャラ(伊藤剛)
終章 フレームは踏み越えられねばならない(鈴木雅雄)
【編者について】
鈴木雅雄(すずきまさお)
1962年生まれ。早稲田大学教授。専攻、シュルレアリスム研究。著書に、『シュルレアリスム、あるいは痙攣する複数性』(平凡社、2007年)、編著に、『マンガを「見る」という体験』(水声社、2014年)、『マンガ視覚文化論』(共編、水声社、2017年)などがある。
中田健太郎(なかたけんたろう)
1979年生まれ。静岡文化芸術大学専任講師。専攻、シュルレアリスム研究。著書に、『ジョルジュ・エナン』(水声社、2013年)、編著に、『マンガ視覚文化論』(共編、水声社、2017年)などがある。
【執筆者について】
増田展大(ますだのぶひろ)
1984年生まれ。九州大学講師。専攻、映像・メディア論。著書に、『科学者の網膜――身体をめぐる映像技術論:1880-1910』(青弓社、2017年)、『マンガ研究13講』(共著、水声社、2016年)などがある。
三輪健太朗(みわけんたろう)
1986年生まれ。跡見学園女子大学専任講師。専攻、マンガ研究、表象文化学。著書に、『マンガと映画――コマと時間の理論』(NTT出版、2014年)、『マンガ視覚文化論』(共著、水声社、2017年)などがある。
鷲谷 花(わしたにはな)
大阪国際児童文学振興財団特別専門員。専攻、映画学、日本映像文化史。編著に、『淡島千景――女優というプリズム』(青弓社、2009年)、訳書に、ルポール『ワンダーウーマンの秘密の歴史』(青土社、2019年)などがある。
宮本大人(みやもとひろひと)
1970年生まれ。明治大学教授。専攻、漫画史、表象文化論。著書に、『マンガ視覚文化論』(共著、水声社、2017年)、編著に、『江口寿史 KING OF POP SIDE B』(青土社、2016年)などがある。
細馬宏通(ほそまひろみち)
1960年生まれ。早稲田大学教授。専攻、人間行動学。著書に、『ミッキーはなぜ口笛を吹くのか』(新潮社、2013年)、『うたのしくみ(増補完全版)』(ぴあ、2021年)などがある。
成相 肇(なりあいはじめ)
1979年生まれ。東京国立近代美術館主任研究員。主な企画展に、「石子順造的世界――美術発・マンガ経由・キッチュ行」(府中市美術館、2011~12年)、「パロディ、二重の声――日本の1970年代前後左右」(東京ステーションギャラリー、2017年)などがある。
林 道郎(はやしみちお)
1959年生まれ。美術批評家。専攻、美術史・美術批評。著書に、『死者とともに生きる』(現代書館、2015年)、『静かに狂う眼差し』(水声社、2017年)などがある。
伊藤亜紗(いとうあさ)
1979年生まれ。東京工業大学教授。専攻、美学・現代アート。著書に、『どもる体』(医学書院、2018年)、『記憶する体』(春秋社、2019年)、訳書に、フリード『没入と演劇性』(水声社、2020年)などがある。
ドミニク・チェン(Dominique Chen)
1981年生まれ。早稲田大学准教授。専攻、情報学。著書に、『未来をつくる言葉――わかりあえなさをつなぐために』(新潮社、2019年)、『コモンズとしての日本近代文学』(イースト・プレス、2021年)などがある。
藤本由香里(ふじもとゆかり)
1959年生まれ。評論家。明治大学教授。専攻、漫画文化論、ジェンダー論。著書に、『私の居場所はどこにあるの?――少女マンガが写す心のかたち』(朝日文庫、2008年)、論文に「少女マンガの源流としての高橋真琴」(『マンガ研究』第九号、2007年)な
どがある。
西 兼志(にしけんじ)
1972年生まれ。成蹊大学教授。専攻、メディア論。著書に、『〈顔〉のメディア論』(法政大学出版局、2016年)、『アイドル・メディア論講義』(東京大学出版会、2017年)、訳書に、スティグレール『技術と時間』1〜3巻(共訳、法政大学出版局、2009〜13年)などがある。
伊藤 剛(いとうごう)
1967年生まれ。東京工芸大学教授。マンガ評論家。専攻、マンガ表現論。著書に、『テヅカ・イズ・デッド』(星海社新書、2014年)、『マンガを「見る」という体験』(2014年)、『マンガ視覚文化論』(2017年、ともに共著、水声社)などがある。
【関連書】
マンガを「見る」という体験/鈴木雅雄編/2800円+税
マンガ視覚文化論/鈴木雅雄・中田健太郎編/3200円+税