10月の新刊:ソレルスの中国《水声文庫》
2022年 10月 11日 コメントは受け付けていません。
ソレルスの中国
オリエンタリズムの彼方へ
水声文庫
阿部静子(著)
判型:四六判上製
頁数:173頁
定価:2000円+税
ISBN:978-4-8010-0668-3 C0098
装幀:宗利淳一
10月下旬頃発売!
終わりなき戦い
先鋭なアヴァンギャルドとしてエクリチュールの実験を押し進め、『テル・ケル』誌を通して多くの作家や哲学者を送り出してきた《変節漢》の闘争の記録。文化大革命の狂乱から遠く離れて、彼の創作活動を貫く「中国」の様相を描き出す。
【目次】
プロローグ――ソレルスの過去・現在・未来そして「中国」
Ⅰ エクリチュールの実験と「中国」
古代中国の魅惑と実験小説『ドラマ』の誕生
『数ノンブル』と表意文字
毛沢東詩の翻訳から『法』、『H』、『天国』へ
Ⅱ 文化大革命の嘘と「マオイスト・ソレルス」
エクリチュールと革命
シモン・レイスと『ルネ・レイス』
『テル・ケル』の方向転換
Ⅲ ソレルスと老荘思想
西洋哲学をまとった老子
『荘子』と時間・音楽
ポケットの中の翡翠
ドミニク・ロランへの手紙
井筒俊彦の老荘思想とソレルス
Ⅳ ソレルスの戦い
「言い訳はしない。不平は言わない」
「シレジウスの薔薇」と「なぜ」
亀の変遷/ソレルスの変貌
Ⅴ 「ソレルスの中国」を求めて
「内なる中国」
オリエンタリズムの彼方へ
人生対位法
註
あとがき
【著者について】
阿部静子(あべしずこ)
1943年、東京都に生まれる。東京大学文学部フランス語フランス文学科卒。慶應義塾大学大学院文学研究科フランス文学専攻博士課程修了。専攻=フランス文学。慶應義塾大学文学部ほかで非常勤講師を勤める。著書に、『「テル・ケル」は何をしたか――アヴァンギャルドの架け橋』(慶應義塾大学出版会、2011年)、訳書に、ジョゼフ・デスアール/アニク・デスアール『透視術――予言と占いの歴史』(共訳、白水社文庫クセジュ、2003年)、ジョルジュ・バタイユ『マダム・エドワルダ』(月曜社、2022年)がある。
【関連書】
ステュディオ/フィリップ・ソレルス/2500円+税
本当の小説 回想録/フィリップ・ソレルス/3000円+税