10月の新刊:カズオ・イシグロを読む

2022年 10月 11日 コメントは受け付けていません。

ブログ_書影カズオ・イシグロを読む
三村尚央(著)

判型:四六判並製
頁数:269頁
定価:2200円+税
ISBN:978-4-8010-0680-5 C0098
装幀:宗利淳一
10月下旬頃発売!

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イシグロ文学の歩き方
初期の『遠い山なみの光』から、代表作『日の名残り』『わたしを離さないで』、そして最新作『クララとお日さま』まで、全長篇を仔細に読みこむ第Ⅰ部「作品編」。
幽霊、動物、原爆、ケアなど、多彩にして重要なモチーフを手がかりに、創作のメカニズムを大胆に読みほどく第Ⅱ部「モチーフ編」。
作品世界を縦横無尽に探訪しながら、ますます創造的で魅力的な読書体験への扉を開く、最新・最良のカズオ・イシグロ文学案内!


目次

はじめに

Ⅰ 作品編
①『遠い山なみの光』の川向こうの女
②『浮世の画家』の野心と裏切り
③『日の名残り』の偉大な執事の品格
④『充たされざる者』の夢ぎわの町――ゆがむ空間と時間
⑤『わたしたちが孤児だったころ』の拡大鏡――見えているようで見えていない
⑥『わたしを離さないで』のカセットテープ――あなたを決して忘れない
⑦『忘れられた巨人』の塔に埋められた歴史
⑧『クララとお日さま』の暗闇と光

Ⅱ モチーフ編
①幽霊――死、自殺
②動物――親しいものと不気味なもの
③(ディス)コミュニケーション――すれ違うメッセージを通じてこそ伝わるもの
④乗物
⑤家――建物と場所と記憶
⑥水――川や海
⑦記念碑――記憶と忘却
⑧アート――技術と芸術との結びつき
⑨人間の価値――その交換と循環
⑩ステレオタイプ――日本、イギリス、二世界文学
⑪原爆
⑫視野
⑬悪――戦いと共謀
⑭ケア――他者への気づかいとその困難

文献一覧
終わりに向かって――あとがきにかえて

著者について
三村尚央(みむらたかひろ)
1974年、広島県に生まれる。広島大学大学院文学研究科博士課程後期修了。千葉工業大学教授(イギリス文学、記憶研究(Memory Studies))。
主な著書に、『英米文学を読み継ぐ――歴史・階級・ジェンダー・エスニシティの視点から』(共著、開文社出版、2012年)、『カズオ・イシグロの視線――記憶・想像・郷愁』(共編著、作品社、2018年)、『カズオ・イシグロ『わたしを離さないで』を読む――ケアからホロコーストまで』(共編著、水声社、2018年)、『カズオ・イシグロと日本――幽霊から戦争責任まで』(共著、水声社、2020年)、『記憶と人文学――忘却から身体・場所・もの語り、そして再構築へ』(小鳥遊書房、2021年)、訳書に、アン・ホワイトヘッド『記憶をめぐる人文学』(彩流社、2017年)、ヴォイチェフ・ドゥロンク『カズオ・イシグロ 失われたものへの再訪――記憶・トラウマ・ノスタルジア』(水声社、2020年)などがある。

関連書
カズオ・イシグロと日本――幽霊から戦争責任まで/田尻芳樹・秦邦生編/3000円+税
カズオ・イシグロ『わたしを離さないで』を読む――ケアからホロコーストまで/田尻芳樹・三村尚央編/3000円+税
カズオ・イシグロ――境界のない世界/平井杏子/2500円+税
カズオ・イシグロ 失われたものへの再訪――記憶・トラウマ・ノスタルジア/ヴォイチェフ・ドゥロンク/3500円+税

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