10月の新刊:ドン・キホーテとフィクションのアウトサイダーたち
2022年 10月 20日 コメントは受け付けていません。
ドン・キホーテとフィクションのアウトサイダーたち
社会から隔絶した孤高の騎士
田林洋一(著)
判型:四六判上製
頁数:359頁
定価:4000円+税
ISBN:978-4-8010-0665-2 C0098
装幀:齋藤久美子
10月下旬頃発売!
〈アウトサイダー〉としてのドン・キホーテ
騎士道の英雄を目指し、常識的な人生行路を外れ、〈狂人〉として孤独に突き進んだドン・キホーテを、『ライ麦畑でつかまえて』、『異邦人』、『審判』
といった海外文学から、漫画、アニメまで、大衆の秩序から離脱し、疎外され、周縁をさまよう様々なキャラクターたちと比較し、〈アウトサイダー〉という切り口からこの〈読まれない古典的名著〉に挑む。
【目次】
序 『ドン・キホーテ』とアウトサイダー
第一章 アウトサイダーとは何か
第二章 英雄としてのドン・キホーテ――出立前の「ドン・キホーテ」との相違
第三章 「常識」に捉われる人々――常識と非常識、そしてアウトサイダー
第四章 放浪するアウトサイダー――「神」としてのドン・キホーテ主従とホールデン・コールフィールド
第五章 『ドン・キホーテ』と『ライ麦畑でつかまえて』の思い姫――求め続けるイノセンス
第六章 排斥されるアウトサイダー――カミュの『異邦人』との比較を通して
第七章 不条理、世間とのずれ――境界にいる『ドン・キホーテ』
第八章 もう一つの不条理――遺棄された者と周縁的な大衆
第九章 見捨てられた者たち――遺棄された存在としてのドン・キホーテ主従
結び 孤独な英雄――はみ出し者で、無世界にいるドン・キホーテ
【著者について】
田林洋一(たばやしよういち)
1975年、埼玉県大宮市(現さいたま市)に生まれる。上智大学外国語学部イスパニア語学科卒業。上智大学大学院外国語学研究科言語学専攻博士前期課程修了。言語学修士。清泉女子大学大学院人文科学研究科人文学専攻博士後期課程修了。博士(人文学)。立教大学兼任講師、東京大学非常勤講師、小樽商科大学言語センター准教授を経て、現在、東北大学高度教養教育・学生支援機構准教授。主な著書に、『『ドン・キホーテ』に潜む狂気――正気を失ってしまったのは誰か』(水声社、2020年)などが、主な論文に、「スペイン語のse le V 構文の制約と日本語の間接受身の比較――責任と意図性を中心に」(『東北大学高度教養教育・学生支援機構紀要』第6号、2020年)などがある。
【関連書】
『ドン・キホーテ』に潜む狂気――正気を失ってしまったのは誰か/田林洋一/4000円+税