12月の新刊:フロベールと〈ジェンダー〉——クィアな家族から「新しい女」へ
2022年 12月 5日 コメントは受け付けていません。
フロベールと〈ジェンダー〉
クィアな家族から「新しい女」へ
ジャンヌ・ベム(著)
柏木加代子(訳)
判型:四六判上製
頁数:313頁
定価:3500円+税
ISBN:978-4-8010-00676-8 C0098
装幀:滝澤和子
12月中旬頃発売!
フロベール、その女たち、その書物。
フロベールの文体から生みだされた女性像にはジェンダー問題が投影されていた…… 愛人たちと交わした書簡を読み解きながら、社会規範を逸脱していくエクリチュールの潜勢力を見極める。
《著者はフロベールの人生を通して、その思考、女友達、愛人の選択など、書簡を通して聞こえてくる心の軌跡を懇切にたどり、そこから時には「クィア」な人物と形容したくなるような人間フロベールを浮かび上がらせる》(「訳者あとがき」より)
【目次】
フロベールと「ジェンダー」の問題
フロベールの小説における青年
「私たちは《家族》と呼ばれるものだ」
貴婦人、中産階級の女、サバルタンの女
「新しい女」を作り上げる
クィアなフロベールに与して
訳注
参考文献
訳者あとがき
【著者について】
ジャンヌ・ベム(Jeanne Bem)
1942年、プラハに生まれる。パリ=ソルボンヌ大学卒業後、パリ第Ⅳ=ソルボンヌ大学にて第三期課程文学博士と国家博士号を取得。オルレアン大学、ミュルーズ大学などの教授を経て、ラ・サール大学教授となり、2007年に退官。専攻、フランス近代文学(フロベール)。主な著書に、Désiret savoir dans l’OEuvre de Flaubert : étude de La Tentation de saint Antoine(La Baconnière, 1979)、主な編著に、Madame Bovary dans Flaubert, Œuvres complètes, tome III(Gallimard,Bibliothèque de la Pléiade, 2013)などがある。
【訳者について】
柏木加代子(かしわぎかよこ)
1947年、大阪市に生まれる。大阪大学大学院文学研究科博士課程修了後、パリ第八大学にて博士号を取得。京都市立芸術大学名誉教授。主な著書に、La théâtralité dans les deux « Éducation sentimentale »(France Tosho, 1985)、『日仏交感の近代』(共著、京都大学学術出版会、2006年)、主な訳書に、ジャンヌ・ベム『フロベール コンテンポラリーなまなざし』(水声社、2016年)などがある。
【関連書】
フロベール コンテンポラリーなまなざし/ジャンヌ・ベム/3000円+税