12月の新刊:絵葉書II《言語の政治》
2022年 12月 19日 コメントは受け付けていません。
絵葉書II
叢書《言語の政治》
ジャック・デリダ(著)
若森栄樹+大西雅一郎(訳)
判型:A5判上製
頁数:355頁
定価:5000円+税
ISBN:978-4-8010-0691-1 C0010
装幀:中山銀士(協力:金子暁仁)
12月下旬頃発売!
デリダによるフロイト・ラカン論
フロイト『快原理の彼岸』の未曾有の読解を提示し、ラカンの『盗まれた手紙』読解における「真理」概念を徹底的に批判して、精神分析における郵便的転移の可能性を、ルネ・マジョールとの対話形式で探る画期的な書。明解な日本語による待望の翻訳。
【目次】
思弁する――「フロイト」について
1 警告
無‐テーゼ
私は私たちに/を書く
一、二、三――終わりなき思弁
2 フロイトの遺産
自伝の「同じ屋根」
諸解釈の配偶関係
「分析セッションは続く」(発信者への回帰、電報=遠隔書記と娘婿たちの世代)
3 パラリーズ
地帯、郵便局、名を担い運ぶ理論
死の配達人/郵便物
遺産相続の不正取引――プラトンの負債
4 七、追伸
支払不能なもの――郵便の効果
フロイトの背後のプラトン
Fort : da、リズム
真理の配達人
盗まれた動機
明らかすぎること、あるいは自らの場所に欠けていること
(無–)視点――女性のセクシュアリティーに代わる〔の場における〕真理
第一の第二者――フロイトの手になる手紙の真理
出会いの場――王の二重の四角形
「まったく」あるいは「すべて」について
【著者について】
ジャック・デリダ(Jacques derrida)
1930年、アルジェリアに生まれ、2004年、パリに没した。高等師範学校、社会科学高等研究院などで教鞭を執る。現代フランスを代表する哲学者のひとり。主な著書には、『グラマトロジーについて』(De la grammatologie,Minuit,1967. 邦訳、現代思潮社)、『哲学の余白』(Marges de la philosophie,Minuit,1972. 邦訳、法政大学出版局)、『弔鐘』(Glas,Galilée,1974)、『友愛のポリティクス』(Politiques de l’amitié,Galilée,1994. 邦訳、みすず書房)、『メモワール――ポール・ド・マンのために』(Mémoires pour Paul de Man,Galilée,1988.邦訳、水声社)などがある。
【訳者について】
若森栄樹(わかもりよしき)
1946年、東京に生まれる。東京大学大学院修士課程修了。獨協大学名誉教授。専攻、現代フランス文学・思想。主な著書には、『精神分析の空間』(弘文堂、1988年)、『日本の歌』(河出書房新社、1995年)、『裏切りの哲学』(河出書房新社、一九九七年、主な訳書には、ジャック・デリダ『境域』(書肆心水、2010年)などがある。
大西雅一郎(おおにしまさいちろう)
1955年、大阪に生まれる。東京大学大学院博士課程中退。成蹊大学名誉教授。専攻、フランス現代思想・文学。主な訳書には、ジャン゠リュック・ナンシー『神的な様々の場』(松籟社、2001年)、フィリップ・ラクー゠ラバルト『近代人の模倣』(みすず書房、2003年)などがある。
【関連書】
絵葉書Ⅰ/ジャック・デリダ/4000円+税
メモワール/ジャック・デリダ/5000円+税
芸術の幼年期/サラ・コフマン/3500円+税
言語への愛/ジャン゠クロード・ミルネール/3000円+税