12月の新刊:バルトの愚かさ《記号学的実践叢書》

2022年 12月 23日 コメントは受け付けていません。

バルトの愚かさ書影バルトの愚かさ
《記号学的実践叢書》
クロード・コスト(著)
桑田光平+栗脇永翔+中村彩訳(訳)

判型:A5判上製
頁数:307頁
定価:4000円+税
ISBN:978-4-8010-0560-0 0098
装幀:中山銀士(協力:杉山健慈)
12月下旬頃発売!

▶︎直接のご注文はこちらへ◀︎

すべての愚かさは、主体に関するある二重の機能不全と結びついた緊張関係にある。「私」が「自己」でないときにいつも、「私」は愚かであり、「私」が「自己」であることを信じているときにも、「私」は愚かである……
バルトは知性の欠如を指摘されたのだろうか? バルトは悲劇の主人公のように、知の思い上がりの報いを受けたオイディプスのように、自らの傲慢の報いを受けたのだろうか? この問いに対する、可能な限り変化に富んだ解答を提示する。
フランス文学史において古くから取り上げられてきた「愚かさ」というテーマをめぐり、政治や旅や文学、そしてテクストなどの多岐にわたる方面から、バルトにおける、バルトのいう、そしてバルト自身の「愚かさ」に迫る!



内容

序論 

第1章  「私自身の愚かさを探究すること」 
第2章  ステレオタイプの愚かさ
第3章  「書かれた」身体の愚かさ 
第4章  文学における愚かさ 
第5章  政治における愚かさ 
第6章  旅における愚かさ 
終わりに…… 

原注 
主要参考文献  
ロラン・バルト著作索引 
人名・作品名索引 

訳者あとがき 

著者について
クロード・コスト(Claude Coste)
1957年生まれ。現在、セルジー゠ポントワーズ大学教授。バルトのコレージュ・ド・フランスでの講義や高等実習研究院でのセミナーのためのノート類などの校訂に携わり、現代作家の草稿研究機関ITEMのバルト草稿研究グループの共同責任者をつとめている。主な著書にRoland Barthes ou l’art du détour, Hermann, 2016, Orphée ou les sirènes: L’imaginaire littéraire de la musique, Presses universitaires de Paris Ouest, 2014 がある。

訳者について
桑田光平(くわだこうへい)
1974年、広島県府中市に生まれる。東京大学大学院博士課程満期退学。パリ第4大学文学博士。専攻,フランス文学・芸術論。現在,東京大学大学院総合文化研究科教授。主な著書に、『ロラン・バルト 偶発事へのまなざし』(水声社、2011年)、『世界の8大文学賞受賞作から読み解く現代小説の今』(共著、立東舎、2016年)、Réceptions de la culture japanaise en France depuis 1945(collectif, Honoré Champion, 2016)、主な訳書に。『ロラン・バルト 中国旅行ノート』(筑摩書房、2011年)などがある。
栗脇永翔(くりわきひさと)
1988年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得満期退学。専攻、フランス文学・思想。訳書に、トリスタン・ガルシア『激しい生』(人文書院、2021年)、ジュリア・クリステヴァ『ボーヴォワール』(共訳、法政大学出版局、2018年)がある。
中村彩(なかむらあや)
1987年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得満期退学。現在、リヨン第2大学文学部博士課程在籍中。専攻、フランス文学・思想、フェミニズム。訳書に、ジュリア・クリステヴァ『ボーヴォワール』(共訳、法政大学出版局、2018年)がある。

関連書
恋愛のディスクール――セミナーと未刊テクスト/ロラン・バルト/8000円+税
バルザックの『サラジーヌ』について――セミナーのための未刊のノート/ロラン・バルト/7000円+税

Comments are closed.