12月の新刊:バルザックの『サラジーヌ』について――セミナーのための未刊のノート《記号学的実践叢書》

2022年 12月 23日 コメントは受け付けていません。

サラジーヌ書影バルザックの『サラジーヌ』について
セミナーのための未刊のノート
《記号学的実践叢書》
ロラン・バルト(著)
桑田光平・石川典子+金谷壮太+河野美奈子+佐藤園子+福井有人+村中由美子+森田俊吾(訳)

判型:A5判上製
頁数:423頁
定価:7000円+税
ISBN:978-4-8010-0490-0 C0098
装幀:中山銀士(協力:杉山健慈)
12月下旬頃発売!

▶︎直接のご注文はこちらへ◀︎

テクストの多義的な複数性を求めて
大学の官僚主義や順応主義を逃れ、フランス思想に大きな影響を与えてきた、コスモポリタン的な教育機関である高等研究実習院で、1968年から1969年の2年間にわたって開講された「サラジーヌ」に関するセミナーの記録。
68年の歴史的な出来事が排除された書物とは違い、それにより道筋が変えられ、影響が垣間見られるセミナーでは、バルトが展開した知的な作業の概観をそっくり見ることができ、バルトの創造の舞台裏が、講義から書物へ、口述から筆記への移行だけでなく、草稿からテクストへの変容の道筋が明らかとなる。



内容

まえがき エリック・マルティ
序文 クロード・コスト+ アンディ・スタフォード 

セミナー 1967-1968

セミナー 1968-1969

サラジーヌ オノレ・ド・バルザック 芳川泰久訳 

教育報告 

注 
主要書誌
人名・作品名索引 
事項索引

訳者あとがき 

著者について
ロラン・バルト(Roland Barthes)
1915 年、シェルブールに生まれる。1980 年、パリにて没する。哲学者、記号学者、批評家。主な著作に、『零度のエクリチュール』(1953年。みすず書房、2008年)、『モードの体系』(1967年。みすず書房、1972年)、『S/Z』(1970年。みすず書房、1973年)、『ロラン・バルトによるロラン・バルト』(1975年。みすず書房、2018年)、『恋愛のディスクール・断章』(1977年。みすず書房、2020年)、『明るい部屋――写真についての覚書』(1980年。みすず書房、1985年)など多数ある。

訳者について
桑田光平(くわだこうへい)
1974年、広島県府中市に生まれる。東京大学大学院博士課程満期退学。パリ第4大学文学博士。専攻、フランス文学・芸術論。現在、東京大学大学院総合文化研究科教授。主な著書に、『ロラン・バルト 偶発事へのまなざし』(水声社、2011年)、『世界の8大文学賞受賞作から読み解く現代小説の今』(共著、立東舎、2016年)、Réceptions de la culture japanaise en France depuis 1945(collectif, Honoré Champion,2016)、主な訳書に、『ロラン・バルト 中国旅行ノート』(筑摩書房、2011年)などがある。
石川典子(いしかわのりこ)
1988年、千葉県に生まれる。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得満期退学。ルーアン大学 Master2 課程修了。専攻、20世紀フランス文学・思想。現在、慶應義塾大学非常勤講師、法政大学兼任講師。主な著書に、『アンドレ・マルローと現代──ポストヒューマニズム時代の「希望」の再生』(共著、上智大学出版、2021年)がある。
金谷壮太(かなやそうた)
1981年、千葉県に生まれる。筑波大学大学院一貫制博士課程修了。博士(文学)。テンプル大学ジャパンキャンパス大学院修士課程修了。Master of Science in Education。専攻、文学理論、英語教育(TESOL)。現在、常磐大学非常勤講師。主な論文に、「ロラン・バルト『S/Z』における提喩的原理」、『日本フランス語フランス文学会関東支部論集』(第19号、2010年)がある。
河野美奈子(こうのみなこ)
1980年、東京都に生まれる。立教大学大学院博士課程満期退学。 博士(文学)。専攻、20世紀フランス文学、ケベック先住民文学。現在、立教大学外国語教育研究センター教育講師。主な著書に『初級フランス語補助教材:動詞からコミュニケーションへ(増補改訂版)』(共著、立教大学フランス語教育研究室、2022年)、『マルグリット・デュラス 生誕100年 愛と狂気の作家』(共著、著作解題担当、河出書房新社、2014年)などがある。
佐藤園子(さとうそのこ)
1988年、東京都に生まれる。ボルドー・モンテーニュ大学博士課程修了。博士(文学)。専攻、フランス文学・フランス近現代詩。現在、早稲田大学人間科学学術院助教。主な論文に、「1920年代におけるジュール・シュペルヴィエルの詩学の展開」(『日本フランス語フランス文学会』、第119号、2021年)、「記憶の欠片の歌――ジュール・シュペルヴィエル『忘れがちの記憶』の詩学」(『日本フランス語フランス文学会関東支部論集』、第29号、2020年)がある。
福井有人(ふくいありと)
1995年、宮城県石巻市に生まれる。専攻、表象文化論、神秘主義。現在、東京大学大学院総合文化研究科博士課程在籍中。主な論文に、「ミシェル・ド・セルトーにおける「場所」の問題──歴史記述と神秘主義をめぐって」(『フランス哲学・思想研究』、2020年)などがある。
村中由美子(むらなかゆみこ)
1982年、高知県南国市に生まれる。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程満期退学。パリ第4大学(現ソルボンヌ大学)及びルーヴァン・カトリック大学共同博士課程修了。博士(文学)。専攻、20世紀フランス文学。現在、白百合女子大学准教授。主な著訳書に、『引用の文学史』(共著、水声社、2019年)、パスカル・キニャール『深淵』(水声社、2022年)などがある。
森田俊吾(もりたしゅんご)
1989年に生まれる。パリ第3大学(新ソルボンヌ校)博士課程修了。博士(文学)。専攻、20世紀フランス詩、言語理論。現在、東京大学大学院総合文化研究科助教。主な論文に、“L’invention du sprung rhythm dans la poésie française”(『フランス語フランス文学研究』、120号、2022年)、“Henri Meschonnic et langues étrangères.”, Zum Rhytumuskonzept von Henri Meschonnic in Sprache und Translation (Olms Georg Verlag,2021) などがある。

関連書
恋愛のディスクール――セミナーと未刊テクスト/ロラン・バルト/8000円+税

Comments are closed.