1月の新刊:日活ロマンポルノ 性の美学と政治学
2023年 1月 19日 コメントは受け付けていません。
日活ロマンポルノ 性の美学と政治学
志村三代子/ヨハン・ノルドストロム/鳩飼未緒(編)
長門洋平/キルステン・ケーサ/菅野優香/久保豊/今井瞳良(著)
判型:四六判上製
頁数:323頁
定価:3500円+税
ISBN:978-4-8010-0686-7 C0074
装幀:宗利淳一
1月下旬発売!
ROMAN PORNOが止まらない!
低迷する日本映画界に激震をもたらし、性表現の是非をめぐり権力を挑発し、多彩な若手監督を輩出し、現代日本映画の礎のひとつにもなった、作品総数1100以上とも言われる希代未聞・驚天動地のプログラム・ピクチャー《日活ロマンポルノ》とは何だったのか?
作品、監督、俳優、そしておなじみ〈団地妻〉にはじまり、ゲイカルチャーとその周辺、レズビアン・ストリッパー、スウェーデン・ポルノ、わいせつ裁判など、多彩にして目覚ましい論点からひもとく《日活ロマンポルノ》の勃興から消沈まで。
★特別インタビュー収録
白川和子氏(女優)/岡田裕氏(プロデューサー)/根岸吉太郎氏(監督)
【目次】
序 鳩飼未緒
「SMの女王」谷ナオミ論 鳩飼未緒
ロマンポルノと人形浄瑠璃の邂逅――『㊙女郎責め地獄』におけるふたりのヒロイン 志村三代子
神代辰巳の音響空間――日活ロマンポルノにみる選曲とアフレコの美学 長門洋平
日活ロマンポルノ裁判(1972―1980年)――金儲けのための「汚い」芸術 キルステン・ケーサ(名取雅航 訳)
レズビアン・ストリッパーと劇場文化――桐かおるの映画 菅野優香
日活ロマンポルノのハッテン史――「普通ではない」とされる男たちの勃起 久保豊
金髪アニマルたち――日活ロマンポルノに見る“Swedish Sin” ヨハン・ノルドストロム
帰ってきた団地妻とその夫――ロマンポルノリターンズ再考 今井瞳良
【インタビュー】
ハートがないと絶対に演じられない 白川和子
“人間を描く”を合言葉にしていた 岡田裕
性と映像についてワンランク超えた時代 根岸吉太郎
撮影所は時間との闘い 日活・谷口公浩
運動体としてのロマンポルノ 日活・金山功一郎
熱量に圧倒されて呆然とした 日活・高木希世江
あとがき ヨハン・ノルドストロム
【著者について】
志村三代子(しむらみよこ)
日本大学芸術学部教授。著書に、『映画人 菊池寛』(藤原書店、2013年)、『リメイク映画の創造力』(共編著、水声社、2017年)、『川島雄三は二度生まれる』(共編著、水声社、2018年)、『渋谷実 巨匠にして異端』(共編著、水声社、2020年)などがある。
ヨハン・ノルドストロム(Johan Nordström)
都留文科大学文学部講師。著書に、『川島雄三は二度生まれる』(共著、水声社、2018年)、共編著に、The Culture of the Sound Image in Prewar Japan(Amsterdam University Press, 2019)、論文に、“Intermediality and Theories of Sound in Japanese Cinema of the 1930s”(The Japanese Cinema Book, Bloomsbury Publishing, 2019)、「「トーキーはP・C・L」P・C・Lの音楽性がもたらしたもの――P・C・L黎明期における音楽性の導入とレヴュー映画の発展」(『演劇研究』第37号、2013年)などがある。
鳩飼未緒(はとかいみお)
早稲田大学坪内博士記念演劇博物館研究助手。著書に、『川島雄三は二度生まれる』(共著、水声社、2018年)、論文に、「日活ロマンポルノと女性観客――『実録 阿部定』が示す親和性」(『映像学』第96号、2016年)、「「男の映画」としての『赫い髪の女』――神代辰巳論に向けて」(『演劇映像』第59号、2017年)、「日活ニュー・アクションと日活ロマンポルノの連続性――長谷部安春の作品群を例に」(『映像学』第100号、2018年)などがある。
【関連書】
団地映画論/今井瞳良/4000円+税
渋谷実 巨匠にして異端/志村三代子・角尾宣信編/5000円+税
川島雄三は二度生まれる/川崎公平・北村匡平・志村三代子編/3200円+税
リメイク映画の創造力/北村匡平・志村三代子編/3200円+税