4月の新刊:サロメ 詩と散文のはざまに――ボードレール・マラルメ・フローベール・ユイスマンス

2023年 3月 10日 コメントは受け付けていません。

サロメ書影サロメ
詩と散文のはざまに――ボードレール・マラルメ・フローベール・ユイスマンス
ベルトラン・マルシャル(著)
大鐘敦子・原大地(訳)

判型:A5判上製
頁数:360頁
定価:5500円+税
ISBN:978-4-8010-0716-1 C0098
装幀:滝澤和子
4月上旬発売!

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サロメとは誰か。
ヨーロッパ世紀末における《宿命の女》(ファム・ファタル)の代表的存在であり、文学・絵画・オペラ・舞台、彫刻、バレエとあらゆる芸術分野で表象された《サロメ》。従来の比較文学や神話学的分析、精神分析や美術批評とは一線を画し、近代の偉大な文学者たちのテクストを対象として、間テクスト的、間生成批評的、間美学的手法を自在に用いながら、サロメ流行の根底にあった歴史的命題を浮かび上がらせる、マラルメ研究の泰斗による《サロメ》批評!



目次
はじめに 
ボードレール的序文として――『悪の華』からオリエントの踊り子へ 
『エロディアード』あるいは現代の美――悲劇から詩へ、詩から神秘劇へ 
『ヘロディアス』――オリエントの舞踏から完全なる詩ポエジーへ 
『さかしま』――ボードレールとフローベールを通過したサロメ 
結論 

【補遺】
原注 
参考文献 
訳者あとがき 

著者について
ベルトラン・マルシャル(Bertrand Marchal) 
1951年、エクス=アン=プロヴァンスに生まれる。ソルボンヌ大学名誉教授。専攻、フランス文学、比較文学。『マラルメ全集』(プレイアッド叢書)などの編纂を行いマラルメ研究を刷新したほか、19世紀・20世紀の詩を研究し、さまざまな著作を執筆している。主な著書に、Le Symbolisme(Armand-Colin,2011)、Lire le symbolisme(Dunod,1993)、La Religion de Mallarmé(José Corti,1988)、Lecture de Mallarmé(José Corti,1985)などがある。

訳者について
大鐘敦子(おおがねあつこ)
1964年、京都に生まれる。慶應義塾大学大学院文学研究科博士号取得。現在、関東学院大学法学部教授およびパリ第4大学客員研究員。専攻、フランス語、19世紀フランス文学、比較文学。主な著書に、『サロメのダンスの起源』(慶應義塾大学出版会、2008年)フローベールの『サラムボー』のプランとシナリオ、および『聖アントワーヌの誘惑』(第2版)の草稿を編纂した校訂批評版、Rêve d’Orient, Plans et scénarios de Salammbô (Droz, 2016) およびCabane fantastique. Édition diplomatique de la deuxième version (1856) de La Tentation de saint Antoine (Droz,2021) などがある。
原大地(はらたいち)
1973年、東京に生まれる。東京大学大学院人文社会系研究科単位取得退学。パリ第4大学にて博士号取得。現在、慶應義塾大学商学部教授。専攻、フランス語・フランス文学。著書に、『ステファヌ・マラルメの〈世紀〉』(水声社、2019年)、『マラルメ 不在の懐胎』(慶應義塾大学出版会、2014年)、『牧神の午後 マラルメを読もう』(慶應義塾大学教養研究センター選書、2011年)、訳書にステファヌ・マラルメ+ジャン=ピエール・リシャール『アナトールの墓のために』(水声社、2015年)などがある。

関連書
アナトールの墓のために/ステファヌ・マラルメ+ジャン=ピエール・リシャール/3000円+税
フローベールにおけるフォルムの創造/ジャン=ピエール・リシャール/3000円+税
マラルメの想像的宇宙/ジャン=ピエール・リシャール/9000円+税
作家の聖別—フランス・ロマン主義I/ポール・ベニシュー/8000円+税
マラルメ 書物と山高帽/立仙順朗/4000円+税
マラルメの<書物>/清水徹/2000円+税
ステファヌ・マラルメの〈世紀〉/原 大地/4000円+税

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