4月の新刊:ボードレール 詩と芸術《日仏会館ライブラリー》
2023年 3月 24日 コメントは受け付けていません。
ボードレール 詩と芸術
《日仏会館ライブラリー》1
中地義和(編)
判型:A5判上製
頁数:351頁
定価:6000円+税
ISBN:978-4-8010-0699-7 C0098
装幀:滝澤和子
4月上旬発売!
〈一枚の絵の最良の解説は、一篇のソネあるいはエレジーであるかもしれない〉
近現代詩を開拓した詩人ボードレールは、近代芸術批評の起点に立つ批評家でもあった。
日仏の研究者・作家が協同し、美術や音楽と共鳴しつつ深化するボードレールの詩学と、さらには女性観の考察を通じて、詩人の創作原理の真髄に迫る。
【目次】
Ⅰ ボードレールと美術
反現代生活の画家
アントワーヌ・コンパニョン(畠山達訳)
ボードレールとポスト・レアリスムの画家たち
三浦篤
マネに捧げられた散文詩「紐」をめぐって
吉田典子
パンギィ゠ラリドンを読むボードレール
ジャン゠リュック・ステンメッツ(鈴木和彦訳)
ボードレールとベルギーの美術
アンドレア・スケリーノ(鈴木啓二訳)
ボードレールと「未開」の芸術
オーレリア・セルヴォーニ(吉村和明訳)
Ⅱ ボードレールと音楽
ボードレール批評における音楽
中地義和
ボードレールと音楽――ヴァーグナーの場合
アンリ・セッピ(中地義和訳)
Ⅲ ボードレールの詩学
〈サラ〉から〈ジャンヌ〉へ――初期ボードレールにおける詩の形成
吉村和明
「屑屋たちの葡萄酒」制作の舞台裏――「バッコスの凱旋」が意味するもの
畠山達
形見としての換喩――「バルコニー」読解
鈴木和彦
奇妙な友愛的平等
岩切正一郎
現代生活と伝達不可能性――「貧しい者たちの眼」をめぐって
鈴木啓二
ボードレールとアルフレート・レーテルの「反動的な詩篇」
冨成信
Ⅳ ボードレールと女性
ボードレールの女性観――その一元性と多元性
平野啓一郎
ボードレールと女性同性愛
中島淑恵
ボードレールの遅さ
松浦寿輝
Ⅴ ボードレール受容
国境を越えるボードレール――最初の徴
アンドレ・ギュイヨー(冨成信訳)
日本文学の近代化とボードレール――中村光夫・河上徹太郎・小林秀雄の場合
海老根龍介
シャルル・ボードレール略年譜(1821―1867)
読書案内
人名索引
【編者について】
中地義和(なかじよしかず)
日仏会館副理事長・東京大学名誉教授(フランス文学)。著書に、『ランボー 自画像の詩学』(岩波書店、2005年)、訳書に、『対訳 ランボー詩集』(編訳、岩波文庫、2020年)、アントワーヌ・コンパニョン『近代芸術の五つのパラドックス』(水声社、1999年)などがある。
【関連書】
プルーストと芸術 吉川一義編 6000円+税
ヴァレリーにおける詩と芸術 三浦信孝・塚本昌則編 5000円+税
異貌のパリ 1919-1939――シュルレアリスム、黒人芸術、大衆文化 澤田直編 4000円+税