6月の新刊:評伝 ポール・ヴァレリー

2023年 5月 15日 コメントは受け付けていません。

評伝ヴァレリー_書影評伝 ポール・ヴァレリー
ミシェル・ジャルティ(著)
恒川邦夫(監訳)

判型:A5判並製・函入3巻本
頁数:1巻:607頁+別丁:16頁/2巻:653頁/3巻:734頁
定価:30000円+税
ISBN:978-4-8010-0706-2 C0098
装幀:宗利淳一
6月上旬頃発売!


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ヨーロッパの知性と評されたポール・ヴァレリーの生涯を描いた浩瀚な伝記、ついに刊行!
詩人の生涯をたどりながら、フランスで起きた歴史的事件(ドレフュス事件、第一次世界大戦、第二次世界大戦)、驚くべき広がりをもった各界の人々との出会いの数々を描き出す。狭義の文学史の枠組みを遥かに超えた、19世紀末から20世紀半ばに至る、ヨーロッパの政治・経済・社会・科学・文明など多岐にわたる時代絵巻。



目次

【第1巻】
序文
第1部 人生のはじまり 1871年―1897年
第1章  「イタリアの木に刻印されたフランスのことば」
第2章  ユルバン五世通り――モンペリエ大学法学部の学生
第3章  文学の世界への入り口――兵役、ピエール・ルイスとの出会い
第4章  数式と詩篇――フェリーヌとの交流、ジッドとの出会い
第5章  南仏語復興運動と頭蓋骨測定――ミストラルとラプージュ
第6章  「扉を開けたのは彼自身、小柄だ……」――マラルメとの出会い
第7章  ド・R夫人――初恋の貴婦人
第8章  サリータ・ディ・サン・フランチェスコ――《ジェノヴァの危機》
第9章  幕間――上京して仕事を探す決意
第10章  ゲ゠ リュサック通り――仕事探し、〈自分〉探し
第11章  『レオナルド・ダ・ヴィンチ方法序説』
第12章  ロンドン橋の上で
第13章  『テスト氏との一夜』

第2部 沈黙の時代 1897年―1917年
第14章  就職――陸軍省文書官
第15章  ドレフュス事件
第16章  ジャンニー・ゴビヤールとの結婚
第17章  新しい職場――ボワ・ド・ブーローニュ大通り三八番地二号
第18章  新居――ヴィルジュスト通り
第19章  「何かメシアのような存在が現れるのを期待しています」
第20章  妻の病気に悩まされる日々
第21章  本を出す?――出版の誘い
第22章  『若きパルク』の執筆

原注 

【第2巻】
第3部 文壇への復帰 1917年―1926年
第23章 変身――『若きパルク』の成功がもたらした転機
第24章 「祖国の運命」
第25章 平和が戻って始まった旧作の再刊
第26章 「私もかなりダダだった!」――若きシュルレアリストたちとの交流
第27章 カトリーヌ・ポッジとの出会い
第28章 「私は偉大でも詩人でもない」
第29章 「生計を立てるための筆」
第30章 支援する人たちの輪
第31章 講演旅行で東奔西走
第32章 雑誌『コメルス』
第33章 国際連盟の仕事
第34章 アカデミシャンへの立候補
第35章 高値で売られる私信や自筆原稿

第4部 ヨーロッパの精神 1926年―1932年
第36章 ウィーン、プラハそしてベルリン
第37章 アカデミシャンに選出されたヴァレリー
第38章 詩学のほうへ――メロドラマ『アンフィオン』の構想
第39章 ペタン元帥をアカデミー・フランセーズに迎える演説
第40章 「精神連盟」――『現代世界の考察』初版
第41章 ルネ・ヴォーチエとの交流

原注 

【第3巻】
第5部 第三共和政の《ボシュエ》 1932年―1939年
第42章 たちこめる戦雲を前に、すべてが色褪せていく
第43章 ニース――地中海大学センター
第44章 〈内乱〉のおそれとファシズムの拡大――バルトゥーの死
第45章 My――エミリー・ヌーレとの交流
第46章 「真の時間の十字路」――女性関係の四つ角
第47章 ブダペストにおける国際連盟〈談話会〉――レオン・ブルムの人民戦線内閣
第48章 コレージュ・ド・フランス詩学教授
第49章 ジャン・ヴォワリエとの交流

第6部 多事多難 1939年―1945年
第50章 陰鬱な季節――友人たちの死と戦争の脅威
第51章 『わがファウスト』
第52章 《思考する人間のきわめて傑出した姿》――ベルクソン追悼
第53章 時局に抗して
第54章 「危機的闘争期」――占領下の日々と老い
第55章 「息を吐く」――欧州の第二次世界大戦終結
第56章 「斧の一撃」
第57章 最後の顔――国葬

原注
参考文献
謝辞
索引
監訳者あとがき

著者について
ミシェル・ジャルティ(Michel Jarrety)
1953年生まれ。高等師範学校卒業後、文学の教授資格を取得。1989年に国家博士号を取得し、トゥールーズ大学助教授、アミアン大学教授を経て、パリ第四大学(ソルボンヌ)教授。専攻、フランス近代文学。ヴァレリー著作集(リーヴル・ド・ポッシュ版)の編者を務める。主な著書に、Valéry devant la littérature : Mesure de la limite(PUF, 1991), Paul
Valéry(Hachette, 1992)、主な編著に、La poésie française : du Moyen Age jusqu’à nos jours(PUF, 1997), Dictionnaire de poésie : de Baudelaire à nos jours(PUF, 2001)などがある。

監訳者について
恒川邦夫(つねかわ・くにお)
1943年生まれ。一橋大学名誉教授。主な著書に、『サン゠ジョン・ペルスと中国』(法政大学出版局、2020年)、編訳書に、ヴァレリー『精神の危機 他15篇』(岩波文庫、2010年)、『ヴァレリー集成』全6巻(筑摩書房、2011~12年)などがある。

訳者について
今井勉(いまい・つとむ) 1962年生まれ。東北大学教授。
森本淳生(もりもと・あつお) 1970年生まれ。京都大学人文科学研究所教授。
塚本昌則(つかもと・まさのり) 1959年生まれ。東京教授。
砂庭真澄(すなば・ますみ) 1979年生まれ。パリ・シテ大学専任講師。
田上竜也(たがみ・たつや) 1964年生まれ。学習院大学教授。
井上直子(いのうえ・なおこ) 1969年生まれ。大阪教育大学教授。
山田広昭(やまだ・ひろあき) 1956年生まれ。東京大学名誉教授。
木村正彦(きむら・まさひこ) 1972年生まれ。東京都立大学非常勤講師。
鳥山定嗣(とりやま・ていじ) 1981年生まれ。京都大学准教授。
松田浩則(まつだ・ひろのり) 1955年生まれ。神戸大学名誉教授。
安永愛(やすなが・あい) 1965年生まれ。静岡大学教授。

関連書
ヴァレリーの『旧詩帖』――初期詩篇の改変から詩的自伝へ/鳥山定嗣/7000円+税
ヴァレリーにおける詩と芸術/三浦信孝・塚本昌則編/5000円+税
愛のディスクール――ヴァレリー「恋愛書簡」の詩学/森本淳生・鳥山定嗣編/3000円+税

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