5月の新刊:艾未未アート「戦略」——アートが「政治」を超えるとき
2023年 5月 12日 コメントは受け付けていません。
艾未未アート「戦略」
——アートが「政治」を超えるとき
宮本真左美(著)
判型:A5判上製
頁数:560頁
定価:7000円+税
ISBN:978-4-8010-0702-4 C0070
装幀:鳥山晋
5月下旬頃発売!
艾未未を前にして、もはやわれわれに、「アート」が逃げ込める「聖域」はない。
——福住治夫
艾未未にとってアートとは、その「生きる」現実のただならぬ種々相を、見えるかたちにして残すことだ。本書は、彼に拮抗するばかりの熱量を傾けて、この「全身アーティスト」の全貌に迫った。
【目次】
序章
第1章 破壊
1 陶器の記憶――なぜ陶磁なのか
2 太古へのまなざし
3 台無しにする
第2章 本ものと偽もの
1 複製――FuckからFakeへ
2 鬼谷下山
3 Circle of Animals / Zodiac Heads
第3章 無為自然
1 北京・現代城ランドスケープ
2 建築に対する省察
3 艾未未の山水観
第4章 アートは現実を引きずっていく――第55回ヴェネツィア・ビエンナーレの艾未未
1 国際展示ドイツ館作品《Bang》
2 企画展「Ai Weiwei: Disposition」《Straight》
3 企画展「Ai Weiwei: Disposition」《S.A.C.R.E.D.》
第5章 現代中国社会の表層を剥がす――「FUCK OFF 2」展
1 第一回「FUCK OFF」展(2000年)の概要
2 「FUCK OFF 2」展
3 中国現代アートの政治性はどこから?
第6章 アンディ・ウォーホルと艾未未
1 花
2 艾未未――時代相の媒体として
3 《ひまわりの種》
第7章 分断された身体――2015年北京五カ所での四つの個展
1 個展「艾未未」――当代唐人芸術中心および常青画廊
2 個展「彪―Tiger, Tiger, Tiger」と個展「AB型」
3 艾未未作品の創作の根底にある行為と意義
第8章 ベルリンへ
1 艾未未に対するさまざまな評価
2 自由と責任
3 艾未未 VS. レゴ――どちらが政治的か?
第9章 ボヘミアンとして
1 艾未未の快進撃
2 問題は現場で起きている
3 Ai Weiwei in New York 2016
4 魂を救う
第10章 ためされる「ヒューマニティ」
1 艾未未のドキュメンタリー映画――『ヒューマン・フロー/大地漂流』をめぐって
2 作品批判に対する艾の反応
3 「Good Fences Make Good Neighbors」
第11章 「すべては芸術、すべては政治」Ⅰ
1 ベルリンからケンブリッジへ
2 新型コロナウイルスの感染が世界に拡大する中で
3 見えない脅威を監視する眼
4 武漢都市封鎖記録映画『Coronation』
第12章 「すべては芸術、すべては政治」Ⅱ
1 『Cockroach』――世界の民主主義の一部の破壊
2 個と全体
3 「香港M+」ミュージアムのウリ・シッグ・コレクションの行方
終章 原体験が語る「美」
【付録】
艾未未インタビュー
註
参考文献および参考映像
図版一覧
おわりに
【著者について】
宮本真左美(みやもとまさみ)
埼玉県に生まれる。2009年、社会人入学で埼玉大学教養学部三年に編入後、艾未未研究をはじめる。2017年、埼玉大学大学院文化科学研究科日本・アジア文化研究専攻博士課程修了(学術博士)。主な著書に『艾未未読本』(牧陽一編、集広舎、2012年)、主な論文に、「艾未未AI WEIWEI概説」(月刊『あいだ』全頁特集、186号、2011年8月)などがある。