6月の新刊:文学の政治《批評の小径》
2023年 5月 25日 コメントは受け付けていません。
文学の政治
《批評の小径》
ジャック・ランシエール(著)
森本淳生(訳)
判型:四六判上製
頁数:402頁
定価:4200円+税
ISBN:978-4-8010-0707-9 C0010
装幀:宗利淳一
6月上旬頃発売!
「文学の政治」とは、作家が行う政治活動や、その作品の政治的側面をいうのではない。《文学は文学として政治を行う》のである――
エクリチュールの民主主義が成立する近代以降、《文学》によってラディカルな次元で可能となる既存の「
《政治的活動によって感性的なものの
【目次】
Ⅰ 仮説
文学の政治
文学的誤解
Ⅱ 人物
エンマ・ボヴァリーの処刑――文学、民主主義、医学
戦場にて――トルストイ、文学、歴史
闖入者――マラルメの政治
ベルトルト・ブレヒトの悦ばしき知識
ボルヘスとフランス病
Ⅲ 交錯
窓から入ってくる真理――文学的真理、フロイト的真理
歴史家、文学、伝記ジャンル
哲学者における詩人――マラルメとバディウ
原註
訳註
索引
訳者あとがき
【著者について】
ジャック・ランシエール(Jacues Rancière)
1940年、アルジェ生まれ。哲学者。パリ第八大学名誉教授。アルチュセールに師事するもその後訣別。政治哲学、文学批評、美学など幅広い分野で活躍。主な著書に、『プロレタリアの夜』(1981年)、『沈黙の言葉』(1998年)、『映画的寓意』(2001年)、『美学における居心地の悪さ』(2004年)、『アイステーシス』(2011年)、『失われた糸』(2014年)、『フィクションのほとり』(2017年)、邦訳に、『不和あるいは了解なき了解』(2004年)、『民主主義への憎悪』(2008年、以上、インスクリプト)、『感性的なもののパルタージュ』(法政大学出版局、2009年)、『イメージの運命』(平凡社、2010年)、『無知な教師』(2011年)、『解放された観客』(2013年、以上、法政大学出版局)、『言葉の肉』(せりか書房、2013年)、『アルチュセールの教え』(2013年)、『哲学とその貧者たち』(2019年、以上、航思社)などがある。
【訳者について】
森本淳生(もりもとあつお)
1970年、東京生まれ。京都大学人文科学研究所教授。著書に、『小林秀雄の論理――美と戦争』(人文書院、2002年)、Paul Valéry. L’Imaginaire et la Genèse du sujet. De la psychologie à la poïétique(Minard Lettres Modernes, 2009)、編著に、『〈生表象〉の近代――自伝、フィクション、学知』(2015年)、『マルグリット・デュラス 〈声〉の幻前』(共編、2020年)、『愛のディスクール――ヴァレリー「恋愛書簡」の詩学』(共編、2020年、以上、水声社)、翻訳に、『ヴァレリー集成Ⅲ 〈詩学〉の探究』(共編訳、筑摩書房、2011年)、ランシエール『マラルメ――セイレーンの政治学』(共訳、2014年)、ジッド/ルイス/ヴァレリー『三声書簡』(共訳、2016年)、ウィリアム・マルクス『オイディプスの墓』(2019年、以上、水声社)、論文に、「フーコー「文学論」の射程」(『フーコー研究』、岩波書店、2021年)、「イマージュ・アニマル――哲学的動物論と環世界」(『環世界の人文学』、人文書院、2021年)などがある。
【関連書】
マラルメ セイレーンの政治学/ジャック・ランシエール/2500円+税