6月の新刊:ゼロK《フィクションの楽しみ》
2023年 6月 7日 コメントは受け付けていません。
ゼロK
《フィクションの楽しみ》
ドン・デリーロ(著)
日吉信貴(訳)
判型:四六判上製
頁数:311頁
定価:3000円+税
ISBN:978-4-8010-0732-1 C0097
装幀:宗利淳一
6月下旬発売!
生か、死か、死のない死か
アメリカの大富豪ロス・ロックハートは、難病に冒された愛する妻の身体を凍結し、未来の医療に託そうと目論んでいた。
プロジェクトに巨額を投じる父に招かれ、中央アジアの地下研究施設を訪れた息子ジェフリーが見たものとは……?
科学技術の進歩は肉体の復活と人類の更新、永遠への到達を約束しうるのか。
そして愛は絶対零度の世界でも生き長らえるのか。
極限状況において人間の限界を問う、異色の恋愛小説。
人体凍結による永遠の生の獲得、ロシア・ウクライナ問題、隕石落下による大災害、惑星規模で頻発するカタストロフィ、世界の終わり、歴史の超越によるアセンション……
これは予言の書か、希望の書か、黙示録か?
『ポイント・オメガ』と『沈黙』を架橋する後期デリーロの新たなる傑作長編、ついに翻訳完成!!
【目次】
第一部 チェリャビンスクの時代に
アーティス・マーティノー
第二部 コンスタンティノフカの時代に
訳者あとがき
【著者について】
ドン・デリーロ(Don DeLillo)
1936年、ニューヨークに生まれる。アメリカ合衆国を代表する小説家、劇作家の一人。1971年、『アメリカーナ』で小説家デビュー。代表作に、『ホワイトノイズ』(1985年/邦訳=水声社、2022年)、『リブラ――時の秤』(1988年/邦訳=文藝春秋、1991年)、『マオⅡ』(1991年/邦訳=本の友社、2000年)、『アンダーワールド』(1997年/邦訳=新潮社、2002年)、『堕ちてゆく男』(2007年/邦訳=新潮社、2009年)、『ポイント・オメガ』(2010年/邦訳=水声社、2019年)などがある。
【訳者について】
日吉信貴(ひよしのぶたか)
1984年、愛知県に生まれる。現在、明治学院大学等非常勤講師(現代英語文学)。翻訳家。主な著書に、『カズオ・イシグロ入門』(立東舎、2017年)、『カズオ・イシグロ『わたしを離さないで』を読む――ケアからホロコーストまで』(共著、水声社、2018年)など、訳書に、キャサリン・バーデキン『鉤十字の夜』(水声社、2020年)、ドン・デリーロ『沈黙』(水声社、2021年)、ドン・デリーロ『ホワイトノイズ』(共訳、水声社、2022年)などがある。
【ドン・デリーロの本】
ホワイトノイズ/都甲幸治・日吉信貴訳/3000円+税
ポイント・オメガ/都甲幸治訳/1800円+税
沈黙/日吉信貴訳/2000円+税