6月の新刊:ルネ・ヴィヴィアン伝
2023年 6月 9日 コメントは受け付けていません。
ルネ・ヴィヴィアン伝
ジャン=ポール・グージョン(著)
中島淑恵(訳)
判型:A5判上製
頁数:584頁
定価:8000円+税
ISBN:978-4-8010-0730-7 C0098
装幀:宗利淳一
6月下旬発売!
〈世紀末のサッフォー〉の真実
ボードレールとスウィンバーンの後継者、コレットの友人にしてナタリー・C・バーネイの恋人。サッフォーを現代に甦らせ、女男爵とただならぬ関係を結び、神経衰弱のうちに夭折した詩人……数々の逸話と偏見とは裏腹に終生彼女を詩作に駆り立てたものは何だったのか? 詩、草稿、手紙、証言を縦横に結び、女性による女性のための表現を求めた詩人を活写する!
【目次】
ルネ・ヴィヴィアンの謎
ルネ・ヴィヴィアンの作品
肖像の回廊
第1章 『航跡』 1877年―1894年
英国、米国そしてハワイの間で
ターン夫人
英国とフランスの間で揺れ動いて
九歳で父を失う
蕩児ヴィオレット・シリトー
新たな懸念
早熟で真面目な少女
第2章 『習作と前奏曲』 1890年―1899年
「わが詩人にしてわが恋人のムレ様」
家族という牢獄と逃亡
煉獄の中で
第3章 『サッフォー』 1899年―1901年
アマゾーヌ
最初の出会い
家族の義務
米国でナタリー・バーネイとともに
決定的な年
1900年のサッフォー
文学上のデビュー
ヴィオレットの苦悶と死
最初の破綻
第4章 『一人の女が私の前に現れた』 1901年―1905年
ジュイレン女男爵
豊穣なる作家
別離は束の間か
仕事の季節
「パゴダの、ハーレムの、そして墓の匂い……」
再びサッフォー
ポール・リヴェルスダールの仮面のもとで
新たな仕事の季節
「遠方よりの愛」:ケリメ・チュルカン・パシャ
文学的豊饒
バイロイトでの見つけもの
社交界という劇場
第5章 『私の影のためのシャンソン』 1905年―1907年
磔刑台
「ミティレーネー、海の宝石にして光輝よ!」
「私は選びました」
東洋のおとぎ話
幻滅した女たち
常に東洋へ
思い出の道
第6章 『消えた松明』 1907年―1909年
隔離された女?
人工楽園
新たな出版人、サンソ
高級娼婦と行きずりの女たち
中国、日本、ハワイ
アン・ブーリン
ロメーン・ブルックス
社交界のパントマイム
宗教への回帰
アカデモスの庭の中で
最後の関係と最後の文学上の業績
天国の門?
エピローグ
原注/参考文献/謝辞
訳者あとがき
【著者について】
ジャン=ポール・グージョン(Jean-Paul Goujon)
1949年生まれ。セヴィリア大学名誉教授。専攻、20世紀フランス文学。主な著書に、Léon-Paul Farge. Poète et piéton de Paris(Gallimard, 1997, アカデミー・フランセーズ伝記賞)、Pierre Louÿs. Une vie secrète (1870-1925)(Seghers, 1988, ゴンクール伝記賞)などがある。
【訳者について】
中島淑恵 (なかじまとしえ)
東北大学大学院博士後期課程単位取得退学。現在、富山大学教授。専攻、19世紀フランス詩、比較文学。主な著書に、『ボードレール 詩と芸術』(共著、水声社、2023年)、主な訳書に、ルネ・ヴィヴィアン『菫の花の片隅で』(彩流社、2011年)などがある。
【関連書】
ボードレール伝/アンリ・トロワイヤ著/4000円+税
ヴェルレーヌ伝/アンリ・トロワイヤ著/5000円+税
モダニスト ミナ・ロイの月世界案内/フウの会編/4000円+税
アナイス・ニンの日記/矢口裕子編訳/5000円+税