7月の新刊:ファティマ——辻公園のアルジェリア女たち 叢書《エル・アトラス》

2023年 6月 30日 コメントは受け付けていません。

書影_ファティマファティマ
辻公園のアルジェリア女たち
叢書《エル・アトラス》
レイラ・セバール(著)
石川清子(訳)

判型:四六判上製
頁数:228頁
定価:2500円+税
ISBN:978-4-8010-0247-0 C0397
装幀:宗利淳一
7月下旬発売!

試し読み◀▶直接のご注文はこちらへ◀︎

おしゃべりの迷宮

「母親たちが集まるとおしゃべりが続いた。ダリラは母の尻に頬をぴったりくっつけて、彼女たちの話をよく聞いていた」

ムスリム移民が多く暮らすパリ郊外の集合団地、行き交う母親たちがおしゃべりに興じるなか、ひとりの少女が女たちの内輪話に耳を傾ける……
《はざま》に暮らす女性たちの声を重層的に響かせる、著者の代表作。



著者について
レイラ・セバール(Leïla Sebbar)
1941年、アルジェリアのサハラアトラス山脈にあるアフルーに生まれる。アルジェリア人の父、フランス人の母をもつフランス人作家。アルジェリア戦争中の18歳からフランスに暮らし、フェミニズム運動や雑誌の編集に携わる。以降、植民地支配に由来する自らの混交性、歴史と記憶、故国喪失のテーマを追求する小説、エッセイを執筆。主な作品には、『シェラザード、17才、髪は褐色の巻毛、眼は緑色』(1982年)、『セーヌは赤かった』(1999年)、主なエッセイには、『私は父の言葉を話さない』(2003年)、『アラビア語、秘密の歌』(2010年)、紀行文に『フランスのなかの私のアルジェリア』(2004年)などがある。

訳者について
石川清子(いしかわきよこ)
千葉県生まれ。ニューヨーク市立大学大学院博士課程修了。博士(フランス語・フランス文学)。静岡文化芸術大学名誉教授。専攻、現代フランス文学、フランス語圏マグレブ文学。主な著書に、『マグレブ/フランス 周縁からの文学』(水声社、2023年)、Paris dans quatre textes narratifs du surréalisme(L’Harmattan, 1998)、主な訳書に、ジェバール『愛、ファンタジア』(みすず書房、2011年)、クノー『イカロスの飛行』(2012年)、ベンギギ『移民の記憶――マグレブの遺産』(2019年、以上、水声社)などがある。

関連書
叢書《エル・アトラス》

Comments are closed.