7月の新刊:証人《フィクションのエル・ドラード》
2023年 6月 30日 コメントは受け付けていません。
証人
《フィクションのエル・ドラード》
フアン・ビジョーロ(著)
山辺弦(訳)
判型:四六判上製
頁数:594頁
定価:4000円+税
ISBN:978-4-8010-0745-1 C0397
装幀:宗利淳一
7月下旬発売!
時、場所、そして忘却
ヨーロッパの大学で文学を研究するフリオ・バルディビエソはサバティカル休暇を取得し、24年ぶりに祖国メキシコへと帰還する。従妹ニエベスとの淡い記憶、親族との再会、旧友との思いがけぬ邂逅を経るうちに、無数の思惑に囲まれたフリオは不穏な事件に巻き込まれていく……
政権交代を果たした転換期のメキシコを舞台に、自身の記憶と祖国の記憶を重層的描き出した、鮮烈な歴史=物語。
【著者について】
フアン・ビジョーロ(Juan Villoro)
1956年、高名な哲学者ルイス・ビジョーロの子としてメキシコシティに生まれる。旧東ドイツのメキシコ大使館勤務、ラジオ番組の製作やジャーナリストを経て、本作『証人』(2004年)によってエラルデ賞を受賞。歴史・社会の諸問題やポップカルチャーにまで精通する博識さで、小説や戯曲だけでなく、時事評論や文化論、児童文学まで手がけるメキシコの代表的作家。その他の代表作には、『アルゴン照射』(1991年)、『岩礁』(2012年)などがある。
【訳者について】
山辺弦(やまべげん)
1980年、長崎県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了(学術博士)。現在、東京経済大学准教授。専攻、キューバを中心とする現代ラテンアメリカ文学。主な著書には、『抵抗と亡命のスペイン語作家たち』(共著、洛北出版、2013年)、主な訳書には、ギジェルモ・カブレラ・インファンテ『気まぐれニンフ』(2019年)、ビルヒリオ・ピニェーラ『圧力とダイヤモンド』(2017年)、レイナルド・アレナス『襲撃』(2016年、いずれも水声社)などがある。
【関連書】
フィクションのエル・ドラードシリーズ